三沢岳(2846.5m)宝剣岳(2931m)

 

★ひとこと   「千畳敷から三沢岳ピストン後濃ヶ池を経て西駒山荘」

稜線分岐付近から端正な三沢岳を望む


★行った日   2015年8月4日(火) 晴後雷雨    単独

★コース
(8月3日)
高槻18:40(名神、中央道)=駒ヶ岳SA 22:20
(8月4日)
駒ヶ岳SA(22℃)5:24(中央道)=駒ヶ根IC(県道75)=5:35菅の台バスセンター5:55(バス)=しらび平駅6:50(RW)=7:00千畳敷駅7:07→7:45極楽平7:50→三沢岳分岐8:06→8:17岩頭休憩8:24→9:02休憩9:14→10:25(2846.2m)三沢岳10:38→11:35P2676 11:42→12:32大休止(昼食)12:56→三沢岳分岐13:07→(2931m)宝剣岳13:53→宝剣山荘14:06→駒ヶ池14:31→濃ヶ池15:15→15:25雨具着15:35→馬の背合流15:50→遭難記念碑16:16→西駒山荘16:30

 ちょうど1年前の雨の木曽駒ヶ岳のリベンジだ。千畳敷カールから三沢(さんのさわ)岳をピストン後濃ヶ池(のうがいけ)カールを経て西駒山荘へ向う計画だ。前日は駒ヶ岳SAで車中泊、僕は静かな山小屋では誰かの小声の会話やいびきが気になって容易に寝付かれないが、SAでは複数台の大型トラックのノイズがバックグラウンドになり、小さな騒音が気にならず就寝可能だ。始発のロープウエーめざして6時のバスに乗るべくSA出発だ。菅の台(すがのだい)バスセンターでは、晴天の山日和とあって早朝から大勢の観光客や登山者がバス停に並び、臨時便で次々出発、ピストン運転のロープウエーで千畳敷駅に到着だ。いつ見ても千畳敷カールとそそり立つ宝剣岳(ほうけんだけ)の姿は特筆ものだ。
 紺碧の空を鋭い岩峰で切り取ったような稜線を眺めながら、駒ヶ岳神社の前からハイマツ帯に入る。なだらかな斜面を迂回しながら標高差約200メートルの整備された登山道を登る。途中、振り返ると千畳敷カールの彼方に、あすたどる予定の伊那前岳(いなまえだけ)の稜線が立ちふさがっている。見た目より急な道をまだ調子の出ない足取りで、道端の草花を撮りながら頑張ると主稜線の極楽平だ。三角形の端正な姿の三沢岳が西南にあり、涼しい稜線の風にほっとする。主稜線を北上、宝剣岳取り付きの岩稜手前が三沢岳分岐だ。分岐からハイマツの中の一本道を少し下ると見晴し抜群の岩峰だ。南に空木(うつぎ)岳や南駒ヶ岳、西南に三沢岳、西北に煙たなびく御嶽山、北には木曽駒ヶ岳や岩峰の宝剣岳が展望できる。ハイマツの稜線を下り、幾つか岩場もあるピークを越えると最低鞍部だ。左斜面は西千畳敷とエリアマップに書かれている三の沢カールだ。鞍部からちょっとした岩登りや木の枝を掴んで上る所もある急な稜線を登り、ケルンが現れるとなだらかになる。この辺りから山頂まで稜線南面のトラバースだ。最高のお花畑が続き、ハクサンイチゲ、コバイケイソウやアオノツガザクラなどが鮮やかに道端を飾っている。稜線先端の岩塊とハイマツの小空間が三沢岳三角点だ。残念ながら雲が沸き立ち、眺望は得られなかったが、地形からは絶好の展望所のはずだ。

     (千畳敷カール)      (駒ヶ岳神社が極楽平登り口)  (ハイマツ帯の急坂を登る)

  (坂道の途中から振り返る)     (稜線の極楽平到着)    (稜線を三沢岳分岐へ登る)

 (三沢岳分岐から西へ下る)  (少し下った岩頭が休憩適所) (岩頭から南の空木岳を望む)

                (岩頭から御嶽山方面の大展望)

 (端正な三沢岳めがけて下る)  (三沢岳山頂直下のお花畑)     (三沢岳三角点)

 山頂から往路を下り、主稜線への登りかえしが意外にきつく、ヒーヒー言いながらやっと三沢岳分岐手前の岩頭だ。ここで昼食の大休止後、いよいよ宝剣岳だ。見た目にはどう登るのか疑問に思うような岩場の連続だが、目印と鎖を忠実にたどれば誰でも頂上に立てるルートができている。ただし、無風で晴天が前提だ。岩場には著名なコマウスユキソウが咲いていたが、ちょっと干からびた感じだ。ガスに追かけられるようにして宝剣岳を下り、宝剣山荘前から濃ヶ池カールを下る。カールのガレ場をジグザグにしばらく下ると駒飼(こまかい)ノ池だ。昨年あった残雪も見かけず水面も殆んどなく、オオカサモチやクモマグサが辺りを飾っていた。次に岩壁を梯子などで下り、伊勢滝への薮っぽい道を右に分け、カールの左岸をトラバース。昨年は大きく残っていた途中の雪渓も殆んど消えた岩くずの道を進み、シナノキンバイやグンナイフウロなどが咲き乱れる道を進む。ダケカンバの茂る斜面を進み、コケの地面にチングルマの咲く平地に入ると濃ヶ池だ。ガスがかかりぼーっとした風景だが残雪はないようだ。樹林帯に入り、稜線に沿うようにしばらく進むと馬の背道と合流だ。この辺りでとうとうポツリときて雷まで鳴り出した。上下の雨具をつけ、低めのハイマツの中へ避難だ。遠雷になってきたので稜線道に戻り、遭難記念碑を過ぎてしばらく進むと西駒山荘だ。新築後1年しか経ってないのですべてが真新しく、快適な夜を過ごせた。
 このコースは千畳敷カール、三沢岳、濃ヶ池カールに主要なお花畑があるが、三沢岳は他の2ヵ所に比べて圧倒的に登山者が少なく、美しい高山植物を存分に楽しむことが可能だ。地図上では三沢岳ピストンは簡単そうだが、アップダウンがあって時間のかかる意外にしんどいルートだ。花以外に宝剣岳の岩稜越えも魅力的だ。

      (お花畑を戻る)     (主稜線めざして尾根を下る)    (三沢岳分岐へ戻る)

 (岩稜に咲くコマウスユキソウ)   (目印通りに岩稜を上る)       (宝剣岳頂上)

   (宝剣山荘へ下る)      (宝剣山荘からカールを下る)    (雪の融けた駒ヶ池)

    (雪渓帯を横切る)      (ダケカンバの山腹を行く)     (花の多い道を行く)

  (ガスってきた濃ヶ池)      (馬の背分岐で雨-雷退避)    (馬の背を振り返る)

   (将棊頭山へ稜線を行く)      (遭難記念碑)          (西駒山荘到着)

★道で出会った花(8月5日分も一括記載)

ミヤマアキノキリンソウ(千畳敷)    イタドリ(千畳敷)       カンチコウゾリナ(千畳敷)


    タカネヨモギ(極楽平)     ミヤマホツツジ(三沢岳)    コバイケイソウ(三沢岳)


    ハクサンイチゲ(三沢岳)    イワオトギリ(三沢岳)      エゾシオガマ(三沢岳)


   ハクサンチドリ(三沢岳)     ミツバオウレン(三沢岳)     ミヤマキンバイ(三沢岳)


  アオノツガザクラ(三沢岳)    キバナノコマノツメ(三沢岳)   イブキセリ?(三沢岳)


 ミヤマダイモンジソウ(三沢岳)    ツマトリソウ(三沢岳)     イワツメグサ(三沢岳)


   ヨツバシオガマ(宝剣岳)    タカネツメクサ(宝剣岳)    コマウスユキソウ(宝剣岳)


  ミヤマダイコンソウ(宝剣岳)    イワギキョウ(宝剣岳)     トウヤクリンドウ(駒ヶ池)


   タテヤマリンドウ?(駒ヶ池)     ウサギギク(駒ヶ池)       クモマグサ(駒ヶ池)


    オオカサモチ(駒ヶ池)     イワベンケイ雌株(駒ヶ池)   イワベンケイ雄株(駒ヶ池)


  ミヤマシシウド(駒ヶ池)     オオヒョウタンボク(駒ヶ池)     カラマツソウ(駒ヶ池)


 タカネグンナイフウロ(駒ヶ池)   シナノキンバイ(駒ヶ池)       ヤマハハコ(駒ヶ池)


   ミヤマトリカブト(駒ヶ池)     バイケイソウ(駒ヶ池)       イワカガミ(濃ヶ池)


        ?(濃ヶ池)               コマクサ-赤味(西駒山荘)    チングルマ(遭難記念碑)


     コマクサ(駒ヶ岳)          ?(乗越浄土)        モミジカラマツソウ(舟窪)


   ハクサンフウロ(舟窪)     ゴゼンタチバナ(小屋場)     ニッコウキスゲ(小屋場)


   カニコウモリ(小屋場)      セリバシオガマ(一丁ヶ池)   トリアシショウマ(一丁ヶ池)


  トリアシショウマ?(一丁ヶ池)     ウド(うどんや)          ?(うどんや)


     ヒヨドリバナ(清水平)     ハンゴンソウ?(清水平)     サワヒヨドリ?(林道)


   ヤマホタルブクロ(林道)       ソバナ(林道)          クサボタン(林道)


★ルート断面図

★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       中央アルプス・木曽駒・空木岳
・2万5千分の1地形図  木曽駒ヶ岳

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