荒沢岳(1968.7m)

 

★ひとこと   「銀山平登山口から鎖場急登の荒沢岳ピストン」

中ノ岳から荒沢岳を望む

(2014年10月9日撮影)

★行った日   2015年9月20日(日)   晴 単独
          2015年9月21日(月祝) 晴 単独

★コース

(9月20日)
高槻7:14(名神、北陸道、関越道)=堀之内IC 15:10(R17、R352)=銀山平(船着場P)18:30
(9月21日)
荒沢岳登山口5:33→(1090.6m)前山6:22→P1262 7:08→7:50梯子場上稜線7:56→8:33前ぐら(P1536)8:40→9:07休憩9:14→10:30(1968.7m)荒沢岳11:00→12:13前ぐら12:22→梯子場上稜線13:00→14:00前山14:06→14:33荒沢岳登山口14:37(県道50奥只見シルバーライン、R352、R252)=(道の駅)いりひろせ 17:10

 中越と南会津の山を訪れるつもりだ。今回の目玉は越後三山の東に独立峰のようにそびえる岩峰の荒沢岳だ。晴れのシルバーウイークの渋滞を予想して、余裕を見て高槻を出発するがそんなに遅れることなく小出(こいで)到着だ。市内であすの食料を調達、まだ早かったので鬱陶しいトンネルばかりのシルバーラインを敬遠、越後駒ヶ岳は雲の中だったがくねくね道の国道で山の景色を眺めながら枝折(しおり)峠越えだ。登山者の車が道端にあふれかえっている枝折峠を過ぎて下ると銀山平だ。荒沢岳の登山口駐車場はすでに満杯、近くの船着場駐車場で車中泊だ。参考までに、どちらの駐車場もトイレ完備だ。
 登山届に記入して朝霧に沈む登山口を出発、伝乃助小屋の給水タンクのある小沢を渡って樹林帯をジグザグに急登だ。前山から東北に伸びる稜線に乗り、ブナ林の続く尾根道を登ると登山口から小1時間で道の真ん中に三角点のある前山だ。標高1000メートル付近で雲海の上に出たらしく、雲海に閉ざされた奥只見湖や朝日に輝く越後駒ヶ岳を樹間から垣間見ながら、すぐ先で伝乃助小屋から来た草深い道と合流して稜線を進む。P1206から正面の梢越しに前ぐらと荒沢岳が始めて姿を現し、P1262まで来ると前ぐらの岩峰全容がはっきり認識できる。アップダウンを繰り返しながらなだらかにブナ尾根を進み、鞍部を過ぎるとすぐ先から前ぐら前半戦の急登だ。鎖場と梯子場を過ぎてトラバースすると視界が開け、前ぐら前半終了の尾根上の踊り場だ。西に越後駒ヶ岳、北に未丈ヶ岳(みじょうがだけ)、東に奥只見湖が薄れつつある朝霧をまつわりつかせて朝の陽光を浴びている姿は最高だ。

   (銀山平・荒沢岳登山口)      (ブナ林尾根を登る)    (登山道にある前山三角点)

(盆地霧を抜けて朝日の道を行く)  (奥只見湖は朝霧の下)  (樹間から越後駒ヶ岳を望む)

   (P1206付近を行く)     (P1262から前ぐらを望む)   (鞍部の先から急登開始)

 (最初の鎖場が立ちはだかる)    (続いて梯子も現れる)    (前ぐら前半終了の踊り場)

        (前ぐら前半の踊り場から朝霧が晴れつつある未丈ヶ岳方面を望む)

 先行者が取り付いている前方の草つきの岩壁が前ぐら後半の鎖場だ。踊り場から岩壁下まで鎖場で下り、ぬかるんだ底部から目測約5、60度の岩の長い斜面をよじ登る鎖場だ。僕の腕力を出し切って、下りを心配しながらしばしば小休止をはさんでやっと登りきった。私見だが北アの主な山稜では登山道の整備が進み、危険な所は梯子があるのでここより腕力を使うことなく登れるようだ。前ぐらからの展望はまさに絶景だ。特に、尾根正面に両翼の山稜を広げた荒沢岳が鎮座して他の山々を圧倒しているようだ。前ぐらから少しづつ色づき始めた小木で飾られた急なヤセ尾根のしんどい上りだ。山頂稜線に近づくと笹原の岩稜登りとなる。

 (核心部の前ぐら後半の岩壁) (中央の薄い縦線が長い鎖場)   (一旦岩壁下へ下降)

   (長い鎖場の始まり)      (まだ続く鎖場を腕力で登る)(前ぐらから登る尾根筋と荒沢岳)

            (前ぐらから両翼を広げた立派な荒沢岳山稜を望む)

 (前くらから越後駒ヶ岳を望む)    (急坂の稜線を登る)       (稜線を振り返る)

   (稜線を登り続ける)    (銀山平と未丈ヶ岳を振り返る)    (姿を現した山頂)

 ナナカマドやツツジの類などの紅葉した小木の岩稜尾根を登ると小広場の荒沢岳山頂だ。視界は抜群だが、雲が湧き始め遠方は望めなかったが、兎岳、中ノ岳から越後駒ヶ岳へ向う縦走路がはっきり望めた。テン泊装備で縦走路を歩き出す登山者の姿もあり、僕には体力的に無理なので羨望のまなざしで見送った。山頂で大休止後いよいよ下山開始だ。眺望豊かなヤセ尾根の続く稜線を下り、前ぐらからロング鎖場下りだ。沢の残雪を真下に眺めながら注意深く下り、稜線踊り場から最後の大展望を楽しんでから鎖場と梯子場を下ると鞍部だ。ここから順調に下り、上り5時間、下り3時間半、合計9時間のしんどいが最高の山歩き終了だ。銀山平温泉で汗を流し、シルバーラインで小出に寄り道、夕食と食料を買い込み、あすの会津朝日岳に備えて只見へ向うR252沿いの入広瀬の(道の駅)いりひろせで車中泊だ。
 昨年、中ノ岳から見た荒沢岳岩峰の雄姿が忘れられず、今回やっと念願を果たした。予想通り、しんどい前ぐらの鎖場登り、それに続く急登の連続を心臓をパクつかせて乗り越えることができ、その達成感に大満足だ。また、天候にも恵まれて越後駒ヶ岳、中ノ岳や奥只見湖など、中越の景観を楽しむことが出来た。

 (紅葉の始まった岩稜を登る)   (もうすぐやっと山頂)       (小広場の荒沢岳山頂)

           (荒沢岳山頂から兎岳-中ノ岳-越後駒ヶ岳の縦走路を望む)

 (美しい稜線を下り始める)   (前ぐら目指して下り続ける)   (前ぐら鎖場から残雪を望む)

   (前ぐらの稜線踊り場)         (鎖場を下る)     (鞍部から樹林帯の稜線下り)

    (稜線を下り続ける)      (前山三角点を通過)      (荒沢岳登山口に帰着)

★道で出会った花

  サラシナショウマ(登山口)         ?(前山)          アキノキリンソウ(前ぐら)


   クルマバハグマ(前ぐら)     ダイモンジソウ(前ぐら)    タテヤマウツボグサ(前ぐら)


   オヤマリンドウ(前ぐら)    ミヤマコウゾリナ?(前ぐら)  ギョウジャニンニク?(前ぐら)


    クロヅル?(前ぐら)       ミヤマママコナ(前ぐら)     ヤマボクチ(山頂稜線)


   ナナカマド(山頂稜線)     ミツバツチグリ(山頂稜線)     モリアザミ(山頂稜線)


    ムシカリ(山頂稜線)      ヨツバヒヨドリ(前ぐら)          ?(前ぐら)


★ルート断面図

★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       越後三山・平ヶ岳・巻機山
・2万5千分の1地形図  奥只見湖

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