雨乞岳(1237.7m)イブネ(1160m)

 

★ひとこと   「蓮如上人旧跡からアゲンギョへ直登しイブネ経由雨乞岳へ」

雪のない雨乞岳三角点


★行った日   2016年2月26日(金) 曇一時晴後にわか雪 風強し  単独

★コース
 高槻5:22(名神)=八日市IC(R421、県道189、林道)=6:52岩ヶ谷林道起点7:07→住善坊かくれ岩7:27→桜地蔵7:50→大峠分岐8:11→8:25蓮如上人旧跡8:35→北谷渡渉(尾根取付き)9:30→東隣尾根合流10:51→アゲンギョ11:17→佐目峠11:27→11:46(1160m)イブネ12:06→佐目峠12:19→杉峠12:45→12:51アイゼン着12:58→(1237.7m)雨乞岳13:36→杉峠14:04→14:11避難小屋(アイゼン脱)14:20→蓮如上人旧跡14:56→大峠分岐15:06→15:22桜地蔵15:28→住善坊かくれ岩15:47→16:06岩ヶ谷林道起点16:21(林道、県道189、R307、R477)=蒲生スマートIC(名神)=高槻18:20

 弱い冬型気圧配置で関西中部は天気が良さそうなので先週行き損ねた鈴鹿中部の雨乞岳だ。鳴野橋を起点に蓮如上人旧跡からアゲンギョへ直登し、イブネから雨乞岳を経てフジキリ谷で下山の計画だ。八日市ICから雪のない甲津畑を経て根雪はないが路面が薄っすら白くなっている鳴野橋に到着、先着は1台のみ、すでに出発された後だ。きょうも荷物になる可能性大だがSSとアイゼンを持って出発だ。
 鳴野橋袂の駐車地から踏み跡をたどって岩ヶ谷林道に上がり、霧氷で白くなった山稜付近を眺めながら薄雪の林道を進む。1年前には崩落していた林道も補修され、落石は多いが歩き易い林道をテクテク、桜地蔵に手を合わせて約1時間で鉄板橋の林道終点だ。タイジョウを左に分け、右に三角屋根の避難小屋を見ながら整備された山道を進む。すぐ先の古屋敷跡で大峠を右に分け、崖道もあるしっかりした道を右岸沿いにしばらく進み、左岸に渡ると蓮如上人旧跡の三角屋根小屋だ。日陰に根雪があるだけで薄く白くなっただけの地肌が露出した広場だ。旧跡のすぐ東にある大シデ横から河原に下り、見た目にはどこでも渡れそうだが水滴が凍りついて飛び石が滑るので渡渉ポイントを求めてうろうろ、やっと右岸に渡り道形を上流へと進む。地形図では点線が蓮如上人旧跡下流で橋を渡らずに右岸をそのまま上流へ向っているがその道跡と推定。炭焼窯跡の多い右岸の樹林帯を上流へと進み、P891から南へ伸びる小尾根を越えてP891東谷を渡渉して炭焼窯跡の石垣の傍から細い尾根筋を登る。そのまま登るとタイジョウへ向うので、すぐに右(東側)へ下って小さな流れを渡ると北谷右岸岩壁だ。北谷渡河地点を探すべく右岸を上流へさかのぼると小滝で行き止りだ。仕方なく下流へ下って渡れそうな所で渡渉、左岸に上ると疎林帯に建物跡のような平地があり、ここから稜線を登る。うろうろした結果、蓮如上人旧跡からここまでに1時間を費やしてしまった。

(鳴野橋から薄雪の林道を出発) (桜地蔵に手を合わせる)   (林道終点の避難小屋を通過)

(大峠を右に分け古屋敷跡を直進)(蓮如上人旧跡で小休止)  (大シデの右から河原へ下る)

 (水滴の凍った飛び石渡り)   (右岸の踏み跡を上流へ)    (P891東谷の小沢を渡渉)

(小沢を渡って炭焼窯跡を通過) (タイジョウへ向う尾根を登る)   (尾根東側の沢筋へ下る)

    (小さな沢筋を渡る)   (北谷の上流側にかかる小滝)    (下流側で北谷を渡渉)

(渡渉先の建物跡のような平地) (疎林帯の尾根を登り始める)  (小木を掴んで急坂を登る)

 尾根は徐々に急勾配となり、初めは雰囲気のよい自然林だが、小木をまじえた急坂を木の幹を掴みながら休み休み頑張る。枝の硬いアセビもあり、背中のSSを引っ掛けながら登る所もあるが、概して疎林帯の多い登りやすい尾根だ。Ca1000付近で東隣の尾根と合流、やっと北側斜面に残雪が出現、ここまで雪がなかったので登れたが、ラッセルが必要となれば僕の体力では到底無理だ。なだらかなブナ林尾根を東へ進むと雪原ブナ林のアゲンギョだ。ここから現れたつぼ足のトレースを追って佐目峠へなだらかに下り、鞍部の佐目峠の割れ石から雪解けの滑りやすい稜線を登り返す。山頂台地のイブネは殺風景な枯れ草の草原だ。風を避けてすぐ下の稜線横の窪地で大休止の昼食だ。ここで失敗、折角入れたコーヒー粉を風で吹き飛ばされて欲求不満のまま出発だ。新芽をつけたシロヤシオの林を通り抜け、佐目峠から登り返し、アゲンギョから雪原を南下、杉峠ノ頭を過ぎて稜線を下り、雨乞岳の登り道を目の前に見ながら南下すると杉峠だ。

 (Ca850付近を登り続ける)  (Ca1000で東隣尾根と合流) (なだらかなブナ尾根を行く)

  (アゲンギョから佐目峠へ)  (佐目峠の割れ石と東雨乞岳)   (無雪の斜面をイブネへ)

              (佐目峠付近の稜線から雨乞岳を望む)

  (雪のないイブネの台地)  (イブネからシロヤシオの林を下る) (杉峠ノ頭の稜線を行く)

(杉峠手前の稜線から雨乞岳)        (杉峠)       (アイゼン前爪で雪の斜面を登る)

 初めは横着して冬靴の先端を雪面に叩き込んで雪の斜面を上りだしたが、雪面が半分凍っているため途中でギブアップして緩斜面の笹原に避難してアイゼン装着だ。峠の平地でつければ良かったものをと反省しながら苦労して履き終え、登坂再開だ。やはり前爪を利かして登るのは楽だが、体力のなさは如何ともし難く、しばしば息を整えながらやっと急坂をしのぎ、緩斜面の稜線を雨乞岳へ向う。笹原は露出しているが尾根道は残雪に覆われ、沈み込みもなくて歩き易い。特に山頂直下の薮コギが強制される笹薮は残雪で覆われ大助かりだ。午後になって天候は悪化、時折吹雪状態、雪のない雨乞岳三角点からの展望もままならずすぐ下山だ。時間があれば初経験の奥の畑経由で下りたかったが、稜線のルートを俯瞰すると所々で残雪が途切れて笹原が顔を出し、未知のルートの上、時間も1時半を過ぎているので杉峠からフジキリ谷を下ることに決定だ。時々にわか雪の吹きつけるなか、稜線を下り、杉峠を経て積雪時は滑り台になりそうなトラバース道を過ぎると三角屋根の避難小屋だ。ここでアイゼンを外し、いきいきとした大杉の横から枯れたような一反ボウソウを過ぎ、向山鉱山跡、シデ並木などを通ると往路出合の蓮如上人旧跡だ。ここから1時間強で鳴野橋駐車地点、きょうは誰にも会わない孤独な山歩きだった。
 今回もアイゼンは役立ったがSSは無用の長物だ。今年は雪が少なく、例年の約半月から1ヵ月先の雪の状態だ。お陰で蓮如上人旧跡からアゲンギョへ直登ができ、杉峠から雨乞岳への雪の急斜面のアイゼン上りが経験できた。

 (やっと雪の急斜面をクリア)   (笹原稜線を雨乞岳へ)      (無雪の雨乞岳三角点)

                (稜線の展望岩からイブネ方面を望む)

(笹原稜線の残雪の道を下る)      (杉峠へ下る)      (積雪時は怖ろしい斜面を下る)

(三角屋根避難小屋で脱アイゼン) (青々とした大杉横を下る)  (枯れかけた一反ボウソウ)

    (シデ並木を下る)    (かつて斜めになっていた橋を渡る)(蓮如旧跡の大シデまで帰着)

★道で出会った花(なし)

★ルート断面図

★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       御在所・霊仙・伊吹
・2万5千分の1地形図  日野東部、御在所山

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