三嶺(1893.4m)西熊山(1815.9m)天狗塚(1812m)

 

★ひとこと   「西山林道からコメツツジを期待して天狗峠を経て三嶺へ」

西熊山から三嶺を望む


★行った日   2017年7月2日(日) 晴後曇にわか雨    単独
          2017年7月3日(月) 晴後曇にわか雨    単独

★コース
(7月2日)
高槻4:28(中国道、山陽道、神戸淡路鳴門道、徳島道)=美馬IC(R438、R439、地方道、西山林道)=9:33西山登山口9:53→10:57第1ピーク11:06→12:07Ca1620(大休止)12:26→天狗峠12:42→雨雲接近引き返し12:53→天狗峠13:04→お亀岩避難小屋13:39
(7月3日)
お亀岩避難小屋5:55→(1815.9m)西熊山6:36→大タオ7:01→8:02(1893.4m)三嶺8:19→大タオ9:04→西熊山9:38→10:07お亀岩避難小屋10:33→天狗峠11:28→11:47(1812m)天狗塚11:54→12:18天狗峠12:24→13:07第1ピーク13:15→13:45西山登山口13:59(西山林道)=いやしの温泉郷(R439、R438)=美馬IC(徳島道、神戸淡路鳴門道、山陽道、中国道)=高槻19:19

(7月2日)
 三嶺(みうね)は徳島県南部の山岳地帯にある阿土国境の山だ。東祖谷(ひがしいや)の西山林道登山口から天狗峠を経てお亀岩避難小屋に泊り、たおやかな草原稜線で三嶺をピストンして往路を下る計画だ。美馬ICから貞光川に沿って南下、くねくね道で剣山登山口の見ノ越を過ぎて祖谷川沿いに下り、限界集落を印象付ける人間そっくりの「かかし」を見ながら名頃(なごろ)を通過、久保で左折して旧道を西山集落へ向う。廃屋の目立つ集落を過ぎて4年前に歩いた通りに西山林道に合流、1車線舗装路を上りつめ、西山と阿佐を結ぶ亀尻峠峠へ向う林道(途中から山道?)を右に分け、しばらく進むと西山林道登山口だ。晴れの日曜とあって満車の登山口前のスペースになんとか駐車したが、後で分かったことだがちょっと先へ下った所が登山者駐車場だ。
 杉や桧の植林帯を登り、右からきた林道跡と交差して左植林帯右二次林の尾根道を対面の山肌に点在する東祖谷久保の集落を樹間から垣間見ながらなだらかに登る。やがて自然林が多くなってくると第1ピークの小広場だ。この辺りからブナやミズナラなどの広葉樹の森となり、木漏れ日を浴びながら蒸し暑い坂道を登り続ける。標高1600を超えると笹原林床の疎林帯となり、やがてコメツツジなどの小灌木の点在する見晴しのよいミヤマクマザサの笹原の斜面だ。この辺りで丁度昼時、足下に広がる東祖谷の山里を眺めながら昼食だ。元気を回復、天狗峠を経て笹原尾根を天狗塚へ向うが、雲が低くなり風も出てきて夕立ムードだ。鞍部の大岩付近から引き返し、稜線をお亀岩へ向う。天狗峠道標の先で綱附森(つなつけもり)を右に分け、とうとう降りだした雨を傘だけでしのいで稜線を下り、ロープ場の急坂を過ぎて地蔵の頭の北側山裾をトラバース気味に下るとお亀岩だ。とうとう本降りになったなか、下半身ずぶ濡れでお亀岩避難小屋へ駆け込んだ。立派な小屋を独り占めなので助かる。しばらくして日がさし始め夕方まで濡れたものの乾燥だ。小屋から約50メートル下に豊富な水場があり、早速ロング缶をキンキンに冷やして1人乾杯だ。夕方から雨まじりの強風が吹き荒れたが山陰の立派な小屋は快適、一杯やりながら早くから寝てしまった。

    (西山林道登山口)     (杉や桧の植林帯を登る)   (樹間から東祖谷久保の集落)

 (左植林右二次林尾根を登る)    (第1ピークの平地)       (広葉樹の急坂を登る)

 (標高1600を超すと笹原出現)   (笹原の視界が広がる)          (天狗峠)

(天狗塚途中から荒天引き返し)  (雨中お亀岩へ稜線を下る)     (お亀岩のコル)

  (避難小屋へ逃げ込む)    (ストーブもある立派な小屋)  (住み心地のよい居住空間)

(7月3日)
 夜中に外へ出てみたが異常に暖かい雨まじりの風が吹きつのり、ヘッデンに照らされた空間は真っ白、意気消沈して寝てしまった。山の朝は早く、4時過ぎには薄明るくなり始めたがガスがとれず寝袋でごそごそ、5時過ぎにやっと山肌が見え出したので起床だ。助六とカップラーメン及びコーヒーの僕の定番朝食後、荷物を小屋に置いて出発だ。小屋横の雨に濡れて鮮やかさの増したドウダンツツジや足元のアザミを眺めながら鞍部のお亀岩まで上がる。峰々にはガスが残っているが朝日に輝く濡れた笹原の稜線や薄雲のたなびく真っ青な空が素晴らしい。ただし、膝上まで届く濡れた笹が踏み跡を殆んど覆い尽くしているので、スパッツがあっても水中を歩くのと同様靴の中までベチャベチャだ。順光のお亀岩や左下の小屋の赤い屋根を振り返りながら、逆光に光り輝く笹原をしばらく登ると西熊山だ。ピークを過ぎるとなだらかな牛の背のようなミヤマクマザサの笹原が続き、鞍部の大タオの先の緑の盛り上がりの先に三嶺の三角ピークが頭を覗かせている。点在するコメツツジは裏年か早過ぎなのか蕾も見かけなかった。鞍部の大タオを過ぎて見かけよりなだらかな稜線を登り、晴れわたった緑の稜線の景観を脳裏に刻みながら進む。三嶺手前の台地で木製の橋(外来種洗浄踏み板?)を渡り、光石を右に分け、最後の急坂を登ると三嶺頂上の小広場だ。360度遮るもののない展望台だ。東には縦走路の山脈の先に次郎笈(じろうぎゅう)や剣山、西には石鎚山は判別できなかったがきょうたどってきた稜線の先に天狗塚やその彼方に伊予の山々が望めた。

 (稜線からお亀岩を振り返る) (濡れた笹道で下半身ずぶ濡れ)      (西熊山頂上)

  (三嶺へ向う爽快な稜線)  (膝を没する濡れた笹原を下る)     (最低鞍部の大タオ)

  (三嶺へ笹原稜線を登る) (三嶺を正面に見て稜線を行く)     (間もなく三嶺頂上)

                  (三嶺頂上から天狗塚方面を望む)

                  (三嶺頂上から剣山方面を望む)

 (三嶺から登ってきた尾根を望む) (三嶺から剣山を望む)   (三嶺から剣山縦走尾根を望む)

 三嶺山頂を後にして広大な笹原尾根をルンルン気分で下る。陽光で笹原も乾燥し、白雲のまつわりついた峰々を遠景に緑の絨毯を進むのは最高だ。お亀岩避難小屋で荷物を回収し、お亀岩から地蔵の頭を下り気味に巻き、ロープ場の急坂で稜線に出て少し進むと天狗峠だ。帰り道の西山登山口分岐を通り越して天狗塚に向う。昨日の引き返し点の大岩を過ぎた辺りからコメツツジがちらほら小さな花をつけはじめているが目立たない花だ。天狗塚の急坂で数本のコメツツジが満開だったが全山満開は少し先のようだ。天狗塚山頂からは見晴し抜群のはずだが、昨日と同様に昼を過ぎると雲が湧き出し、牛の背がようよう見える程度だ。すぐに山頂を後にし、雨にあわないように急ぎ足で天狗峠を経て往路通りに下山、登山口到着とともにポツリときたのは幸運だった。西山林道を菅生(すげおい)へ向って下り、途中のいやしの温泉郷で2日間の汗を流し、見ノ越を経て美馬ICから往路通りに順調に帰阪した。
 天狗峠から三嶺に続くミヤマクマザサの稜線は起伏も少なく危険箇所もない展望豊かなトレッキングコースだ。地味なコメツツジは天狗塚付近で咲いた木があったが、満開は数週間先のようだ。お亀岩避難小屋は豊富な水場が近くにあり、薪ストーブやトイレ完備の強風でもびくともしない頑丈な山小屋で快適な一夜が過ごせた。
(蛇足)GPSについて
 2005年12月よりGarmin Legend Cを988回の山行に使用、長期間(11年半)にわたる衝撃や濡れにも耐え、安全登山に貢献してきた。今回、スマホのGPS機能が向上したので試用を計画、Xperia XZ にGeographicaをインストールして使用。2日程度の小屋泊まりでは機内モードにすれば内蔵電池だけで十分、衛星ロストも少なくログがとれ、大きさがちょっと見に不便だが高精度GPSと大画面が魅力なので今後は主役交代のつもりだ。


 (光石を左に分け尾根を下る)  (三嶺肩の笹原平原を下る) (天狗峠を正面に笹原を下る)

                  (三嶺肩から南の高知県方面を望む)

  (大タオへ向って尾根を下る)     (西熊山まで戻る)    (左下に小屋を見て尾根を下る)

 (避難小屋で荷物を回収して出発)(小屋傍のベニドウダン)       (天狗塚へ向う)

      (天狗塚頂上)       (山頂から牛の背を望む)  (山頂から天狗峠へ向って下る)

(一本だけ花をつけたコメツツジ) (天狗峠から往路を下山)     (笹原をなだらかに下る)

      (自然林を下る)         (植林帯を下る)       (西山林道登山口帰着)

★道で出会った花

    コナスビ(第1ピーク)       キンポウゲ(お亀岩)      ベニドウダン(お亀岩)


    ヤブウツギ(お亀岩)       ヒメレンゲ(お亀岩)        ニガナ(お亀岩)


    ノアザミ?(天狗峠)      ツクバネウツギ(天狗塚)     コメツツジ(天狗塚)


★ルート断面図

★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       石鎚・四国剣山
・2万5千分の1地形図  京上(きょうじょう)、久保沼井

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