★ひとこと 「高下から和賀川を渡渉して錦秋のこけ平を経て和賀岳へ」
錦秋のこけ平から和賀岳を望む
★行った日 2017年9月30日(土) 晴 単独
2017年10月1日(日) 晴時々曇 単独
★コース
(9/30)
高槻6:10(名神、北陸道、日本海東北道)=朝日まほろばIC(R7、R345、R47、R13)=雄勝こまちIC(湯沢横手道)=横手IC15:16(R107)=(道の駅)さんない
15:44(車中泊)
(10/1)
(道の駅)さんない(9℃)5:18(R107、県道1、林道)=6:17高下登山口6:32→赤沢分岐7:05→高下分岐7:33→8:08和賀川渡渉8:18→9:39休憩9:47→こけ平10:10→10:45(1440.0m)和賀岳11:00→11:31こけ平(昼食)12:00→12:57和賀川渡渉13:11→高下分岐13:51→赤沢分岐14:08→14:31高下登山口14:41(林道、県道1、R107)=湯田IC15:30(秋田道)=昭和男鹿半島IC16:35(R101)=(道の駅)てんのう16:47(車中泊):天王温泉くらら
(9/30)
今年は連続した晴天の山日和は殆んどなく、あやしげな天気が続いているが懸案の東北地方北部、秋田、青森、岩手3県のトレッキングだ。日本海側を北上、きれぎれながら秋田まで高速道が伸び、念珠関付近で豪雨に遭遇してあつみ温泉ICから高速に入れなかったが、新庄経由横手へ意外に早く到着だ。横手市のコンビニで食料を調達、錦秋湖に向うR107沿いの(道の駅)さんないで車中泊だ。
(10/1)
東北シリーズ第1座目は秋田・岩手県境をなす奥羽山脈にある真昼山地の主峰、和賀岳だ。秋田県側から登りたかったが、豪雨災害で真木渓谷の林道が不通のため岩手県側からのアプローチだ。朝起きると一桁まで気温が下がって一面の濃霧だ。慣れない道をナビ任せにそろそろ走り、県道1を盛岡方面へ向かい、和賀岳登山道入口標識から林道に入る。濃霧は晴れてきたが林道の最後の4キロが少々悪路の地道、ロープで通行止の拡幅部が5、6台駐車できる登山口駐車場だ、トイレはない。すでに3台の車が出発した後だ。
ブルーの三角屋根の登山届けボックスで記帳、薄い濃霧の樹林に入るが、すぐに車のロックが心配になり引き返す。出発時にもの忘れの不安がつきまとうのは老化現象だ。杉林のなかを登り、ブナ林に変わると赤沢分岐で稜線に乗る。地形図の赤沢へ下る稜線の道は踏み跡もなく廃道に近いようだ。見事なブナ原生林の稜線をしばらく登り、直進の高下岳を右に見てトラバース道を進む。ブナ林に立てられた和賀岳自然環境保全地域の説明板を過ぎ、水場表示を見ながらなだらかに下り、最後に和賀川の瀬音を聞きながら急坂を下ると河原だ。付近の浅瀬を探したが適当な飛び石はなく、川縁に吊るされた米袋を拝借だ。対岸に着きそうな所まできて紐で口をくくらなかったため片方を流失、スパッツのお陰でたいして濡れることもなく、申し訳なく思いながらもう一方を岸辺に置いて出発だ。ここからこけ平まで標高差600メートルの急登だ。延々とブナ林が続くが、標高1000メートル位から薄く色づき始め、1200メートルの樹林の切れ目からは山頂付近が赤く染まった高下岳が望めた。この辺りから大型の樹木はなくなり矮小化したダケカンバやブナが増え、V溝に掘れた灌木帯の急坂を過ぎると笹原だ。勾配の緩くなった明るい小灌木帯の笹原をしばらく進むと風衝地のこけ平だ。
(県道1の登山道入口標識) (和賀岳・高下岳登山口) (杉林を登る)
(朝日を浴びて広葉樹林を登る) (赤沢分岐)
(ブナ林をなだらかに登る)
(高下岳分岐) (ブナのトラバース道を行く) (米袋で和賀川を渡渉)
(ブナ原生林を登る) (だんだん色づくブナ林) (Ca1200で色づく高下岳を望む)
(V溝に掘れた山道を登る) (小灌木帯の笹原の道を行く) (風衝地のこけ平)
こけ平から、西南には真木渓谷から登る秋田県側ルートの薬師岳から和賀岳へ続く魅力的な山稜、この山塊の名前の元となっている真昼岳などが望める。ハイマツのなかにカエデやナナカマドなどの赤く染まった小灌木が点在するチシマザサが茂る平原の道を、左前方に和賀岳山頂を眺めながら進む。最後になだらかな草地の稜線を登ると平らな風衝地の山頂だ。山頂は斑模様に地肌が露出し、小さな祠と一等三角点が鎮座している。遠くは薄雲の彼方だが、山頂から西へ伸びる真木ルートの稜線、南へ伸びるこけ平の登って来た幅広い尾根、踏み跡のない北の朝日岳へ続く稜線、東に立ちふさがる高下岳など、圧巻の山並みだ。
(こけ平から西南の薬師岳方面を望む)
(こけ平を北上) (矮小化した小灌木の間を行く) (薮っぽい笹の道を行く)
(草原を登るとすぐに山頂) (和賀岳山頂) (薬師岳へ続く尾根)
(和賀岳から東北の高下岳方面を望む)
山頂の景観を堪能後、斑状に紅葉した斜面のこけ平へなだらかに下る。所々で地肌の露出したこけ平で昼食後、和賀岳の最後の姿を振り返ってから小灌木帯の笹原を下る。ダケカンバやブナ林を往路通りに順調に下ると和賀川渡渉点だ。米袋は片方しかないので帰りは裸足の渡渉だ。靴を首からぶら下げストックで足元を探りながら無事渡渉、片方の袋を元へ戻して高下分岐へ登り返し、赤沢分岐を経て登山口へ帰着した。あすの太平山に備えて、湯田ICから秋田道で八郎潟へ向い、秋田市北方にあるアミューズメントセンター「天王グリーンランド」にある(道の駅)てんのうで車中泊だ。同所に天王温泉くららや近隣にコンビニもあって快適に過ごすことが可能だ。
山肌を覆うブナ原生林や黄や紅に染め上げられたこけ平から山頂付近は感動ものだ。山頂を中心に幅広のなだらかな稜線に広がるお花畑が素晴らしそうなので機会があれば真木渓谷から薬師岳経由で訪れたいものだ。
(こけ平へなだらかに下る) (こけ平をぶらぶら歩く)
(こけ平から和賀岳を振り返る)
(笹原をなだらかに下る) (ダケカンバの道を下る)
(ブナ原生林を下る)
(裸足で和賀川を渡渉) (木漏れ日の高下分岐) (美しいブナ林を戻る)
(赤沢分岐を通過) (杉林が現れるとすぐ)
(登山口帰着)
★道で出会った花
アキノキリンソウ(赤沢分岐) ムシカリ(赤沢分岐) モチノキ?(和賀川)
ミネウスユキソウ(こけ平) オヤマリンドウ(こけ平) ?(こけ平)
ヤマハハコ(和賀岳) オオヨモギ(こけ平) ウメバチソウ?(こけ平)
★ルート断面図
★地 図
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・2万5千分の1地形図 大神成(おおかんなり)、北川舟(きたかわふね)
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