釣瓶岳(1098m)

 

★ひとこと   「栃生からコメカイ道で新雪の絶景雪庇尾根の釣瓶岳へ」

釣瓶岳山頂直下の雪庇尾根


★行った日   2019年2月2日(土) 晴  単独

★コース

 高槻5:35(名神)=京都東IC(湖西道路、県道311、R477、R367)=7:05栃生橋西詰P7:21→釣瓶岳登山口(栃生)7:27→地蔵峠分岐8:34→8:43倒木迂回路(SS着)8:55→ササ峠分岐9:32→10:36イクワタ峠北峰10:43→12:00(1098m)釣瓶岳(昼食)12:41→イクワタ峠北峰13:20→13:42ササ峠分岐13:50→地蔵峠分岐14:15→釣瓶岳登山口(SS脱)14:49→14:53栃生橋西詰P15:16(R367、R477、湖西道路)=京都東IC(名神)=高槻16:55

 きょうはつかの間の晴れの予報、数日前から近畿北部に降雪があってスノーシュー(SS)歩きには不安が残るが雪庇の近場の名所、釣瓶岳だ。細川、栃生から釣瓶岳へ4本のルート(北からコメカイ道、アラ谷右尾根、八幡谷右尾根、細川尾根)があるが、距離は長いが勾配の最も緩いSS向きのコメカイ道で釣瓶岳を経て出来れば武奈ヶ岳(結果的に新雪のため疲労困憊して挫折)へ登る計画だ。少し夜明けも早くなり、湖西道路から黎明に浮かぶ三上山を眺めながら北上、路面にはないが路端の積雪にひやひやしながら−3℃の途中峠を越え、路面以外真っ白の栃生到着だ。駐車場所を探してウロウロ、安曇川の栃生橋西詰の空地に路駐だ。
 栃生の水場(水地蔵)の先にある釣瓶岳登山口から路面の轍に薄雪の残る林道に入り、Uターンした所から道標通りに進むと植林帯の山道になる。植林帯をジグザグに高度を上げ、P449の尾根端から自然林になり、赤松の多い尾根をなだらかに登ると地蔵峠分岐だ。地蔵峠道は崩落箇所があるためトラロープで閉鎖されている。しばらく自然林の道を進むと倒木帯迂回路だ。ここまで昨日のSSトレースをツボ足できたが、踏み抜きだしたのでSS装着だ。履いている間にワカンを携えたツボ足の単独行が元気よく登っていかれた。倒木帯を過ぎ、だんだん深くなる雪道を木漏れ日を浴びながら進むとササ峠分岐だ。殆んど沈まないつぼ足歩きは雪道でも楽だが、SSを履いた途端に重量物を引きずっているので息があがるのが早くなる。昨日のSSトレースはここまで、先行者はここからワカンを付けたようだ。ブナ疎林帯のたおやかな稜線を登り始めるが、重い新雪に20センチ位沈み込み、雪面に伸びる木影の縞模様を眺めながらゆっくり歩を運ぶ。先行者のワカン足跡はSSにとってはあまりラッセルの足しにならないので気持ちのよいノントレを歩く。右に武奈ヶ岳や釣瓶岳、左に蛇谷ヶ峰を樹間から眺めながら曲線美の雪稜を休み休み頑張ると縦走路出合のイクワタ峠北峰だ。

 (釣瓶岳登山口を振り返る)   (人家の手前から山道へ)    (植林帯をジグザグに登る)

  (赤松に自然林をたどる)     (通行止の地蔵峠道分岐)   (倒木迂回路からSS着)

  (山腹をなだらかに辿る)    (ササ峠分岐を尾根筋へ)      (ブナ林尾根を進む)

(釣瓶岳を道連れに斜面を登る)  (曲線美の雪稜を進む)    (右手の武奈ヶ岳と釣瓶岳)

  (左に見える蛇谷ヶ峰)        (イクワタ峠北峰)     (釣瓶岳へ北尾根を登り始める)

 イクワタ峠北峰で一気に展望が開け、蛇谷ヶ峰に続く雪稜と共に釣瓶岳北尾根の発達した雪庇が素晴らしい。いよいよ美しい雪稜の登り開始、シュカブラとまではいかない波打つ風紋を殆んど沈み込みのない歩みで登るが、吹き溜まりでは新雪にはまり込みながら頑張る。標高1000メートルを越えると木々に霧氷の華が咲き、アラ谷右尾根ルートとの合流点を過ぎて振り返ると湖北から丹波高地の山々が雄大だ。樹林帯の急坂を何とか登りきると釣瓶岳山頂だ。ワカンの先行者は武奈ヶ岳方向へ下っているが、新雪の過負荷にバテてしまい釣瓶岳でUターンだ。

           (イクワタ峠北峰から蛇谷ヶ峰(北)〜東〜釣瓶岳(南)を望む)

(雪庇の発達した北尾根を登る)  (雪庇の上から振り返る)      (シュカブラの子供)

        (標高1000メートル付近から釣瓶岳(南)〜西〜蛇谷ヶ峰(北)を望む)

   (山頂の樹林帯を登る)      (陽光に映える霧氷)      (山頂直下の雪庇を登る)

 山頂でリトル比良や琵琶湖を眺めながら昼食後往路と同じ道を下り始める。午後から気温も高くなって手袋もいらないくらいだが重い雪でも下りは楽だ。山頂直下の大ブナノキに挨拶して、前方に蛇谷ヶ峰を眺めながら絶景尾根を下るが、ここは大好きな大御影山の野呂尾の下り尾根とそっくりだ。途中で膝まで踏み抜きながらツボ足で登ってくる青年と出合い、若者の力強さに脱帽だ。イクワタ峠北峰からブナ疎林帯尾根をルンルン気分で下り、ササ峠分岐からザラメ状に融けた雪をSSで蹴散らしながら順調に下山した。
 二人の登山者に会っただけの静かな美しい釣瓶岳だ。この所、体力が弱体化してSS歩きには厳しい新雪だったが、それをカバーして余りあるこのコース特有の美しいブナ尾根や雪庇尾根を楽しむことができた。

   (青息吐息でやっと山頂)        (釣瓶岳山頂)      (足跡のないナガオの稜線)

    (楽チン尾根下り開始)      (山頂直下の大ブナノキ)     (快適な稜線を下る)

   (イクワタ峠北峰)      (気持ちの良いブナ尾根下り)    (ササ峠分岐で小休止)

     (赤松林を下る)           (栃生登山口)        (安曇川の栃生橋へ向う)

★道で出会った花(なし)

★ルート断面図

★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       比良山系・武奈ヶ岳
・2万5千分の1地形図  北小松

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