大御影山(950.1m)

 

★ひとこと   「松屋からモナカの急坂を経て展望の野呂尾で大御影山へ」

大展望野呂尾の快適なSS下り


★行った日   2018年2月23日(金) 晴後曇    単独

★コース
高槻5:26(名神)=京都東IC(湖西道路、R161、R303、R27、県道213)=7:58松屋登山口P(SS着)8:30→10:24松屋地蔵大権現岳(P597)10:32→ブナ大木11:06→P812 11:55→野呂尾の頭12:30→(950.1m)大御影山(反射板)12:46→野呂尾の頭12:59→13:03大休止(昼食)13:29→P812 13:45→ブナ大木14:03→14:39P597 14:49→15:36松屋登山口P(SS脱)15:48(県道213、R27、R303、R161、湖西道路)=京都東IC(名神)=高槻18:42

 極寒の季節は過ぎ去り移動性高気圧が次々現れる早春の候となり、待ちに待った春山だ。きょうはブナ林の発達した山域の江若国境の山、大御影(おおみかげ)山へ若狭側からアプローチだ。家々の屋根には雪が残るが無雪の道を美浜町から耳川に沿って南下、周りが雪深くなってくると折戸谷と能登又谷出合の松屋だ。除雪はここまで、橋を渡り能登又林道起点を左折すると10台位とめられる駐車場だ。昨年は気付かなかったが松屋地蔵大権現岳の登山口駐車場だ。P597がこのようないかめしい山名になっているようだ。
 ツボ足では膝まで沈むグサグサの雪なので初めからSS(スノーシュー)を履き、10本刃アイゼンをザックに忍ばせて松屋地蔵大権現岳登山口から急坂に取り付く。SSでも急坂で沈み込み、次の一歩がだせず、ずるずると滑りながら、斜面を斜めに進む、悪戦苦闘だ。トレースのない厚手のモナカ雪の急坂ラッセルはよほどの馬力が必要だ。標高250メートルの美浜トレイル標識辺りから沈み込みが少なくモナカの皮が硬くなり、退却もチラチラしていたが、気を取り直して登り続ける。標高300メートルのホウノキから殆んど踏み抜きはなくなり、昨年には缶ビールの空缶が吊るされていた青ロープの傍を杉林に沿って登る。なだらかになってきた広葉樹の尾根をしばらく進むと、腰掛けブナのあるP597だ。ここが松屋地蔵大権現岳の山頂らしいが銘板は見当たらず単なる雪原だ。登山口の表示では山頂まで1時間、雪の昨年は1時間半、今年は2時間、雪質のせいか体力低下のせいか問題だ。腰掛けていると体力も回復し、折から日もさし始め、なだらかな下り坂の樹林帯をルンルン気分で進み、芦生杉の傍らを通ると鞍部だ。やせ尾根を過ぎて目の前の尾根へ急坂を登ると大ブナノキだ。ここでP812へ向う稜線に乗り、立派なブナの林立する尾根を登り続ける。固い雪原に数センチの新雪が乗り、時たま兎の足跡が横切るSS向きのブナ林を木漏れ日を浴びて登る。やがてCa750付近で樹林帯を抜け、勾配の緩くなった見晴しのよい雪原を進むと広い丸い丘のP812だ。

    (除雪は松屋まで)      (神社横の登山口駐車場)  (松屋地蔵大権現岳の登山口)

(急坂をモナカ雪と格闘して登る)  (美浜トレイルの標識)       (モナカとの格闘が続く)

 (ホウノキから沈まなくなる)   (生命力溢れるホウノキ)       (広葉樹の尾根が続く)

(昨年は缶がついていた青ロープ) (なだらかな雪原を行く)   (P597の腰掛けブナで休憩)

 (広葉樹林の幅広尾根を下る)    (点在する芦生スギ)     (Ca550やせ尾根を行く)

   (稜線へ急坂を上る)          (大ブナノキ)       (立派なブナ尾根を登る)

      (ブナ林が続く)     (樹林帯を抜けなだらかに登る)  (P812から野呂尾を望む)

 P812から西南へ伸びる野呂尾の稜線が見渡せ、無雪期には小灌木が小うるさい尾根筋も積雪期にはなだらかな雪庇の連なりとなり、美しい姿だ。稜線から振り返ると、北に鈍角二等辺三角形の雲谷山の右に若狭湾がのぞき、右回りに野坂岳の山塊の隣に三国山から大谷山へ連なる山並や琵琶湖が望め、更にその遠景に伊吹山や越美国境の白い峰々が霞んでいる。白い高台のピークが疎林帯の野呂尾の頭だ。今は白銀の高原地帯だが、春には幹の曲がりくねったダケカンバやムシカリなどの灌木が茂り、カタクリやイワカガミなどの咲く山稜だ。心地よいトレースを残して野呂尾の頭から大御影山の反射板を目印に幅の広い尾根を進み、近江坂の主稜線に上がると反射板の建つ大御影山だ。三角点は反射板の東寄りの高みにある筈だがどうせ雪の下なので省略だ。山頂付近から西には武奈ヶ嶽から三重嶽を経て大日岳に至る稜線が横たわり、東には赤坂山から大谷山へ続く山並、北には雲谷山や野坂岳の畔に若狭湾、南には武奈ヶ岳の畔に琵琶湖が望め、文字通り江若国境の山だ。

     (野呂尾を進む)        (野呂尾から振り返る)    (野呂尾から若狭湾を望む)

                   (野呂尾から北方の展望)

  (もうすぐ野呂尾の頭)    (快適なSSトレースを振り返る)   (ダケカンバの森)

      (野呂尾の頭)       (野呂尾の頭から山頂へ)   (もうすぐ大御影山頂上)

             (大御影山頂上(反射板)から西方を望む)

               (大御影山頂上付近から東方を望む)

 好天だが微風があり山頂は寒いので、野呂尾の頭の窪みで大展望を肴に定番の昼食だ。熱いコーヒーで体力回復、野呂尾の快適な下りだ。P812を過ぎてブナ林に入り、大ブナノキの力強い姿を見上げて元気をもらい、尾根直進はP598を経て能登又谷白谷出合なのでP597に向うべく稜線の急な斜面を右へ下る。鞍部付近の鈴なりの杉の花粉を見て早春の息吹を感じながらながら、しんどい樹林帯の斜面をなだらかに登るとP597の雪原だ。往路でも休憩した止り木で小休止、尾根を下り始める。午後になると気温が上がり、モナカの皮がなくなって腐ったモナカになり、重量級の雪面を蹴立てて下る。僕にとってはこんな雪面の上りラッセルは到底無理だ。登山口間近の急斜面では、不精せずにツボ足にすべきだったが、フレームの歯止めが利かず数回転倒しながらやっと登山口帰着だ。帰りは湖西道路の毎度の渋滞に遭遇、往路の2時間半に比べて3時間かかって帰阪した。
 ブナ林尾根も良かったが何といっても野呂尾の下りだ。季節や天候にもよるが稜線の大展望や雪質は今まで訪れた近畿圏の春山SSツーリングのなかでは最高だ。きょうは終始バージン雪面を楽しめたが、しんどかったのは登山口付近の急なモナカラッセルだ。

  (大御影山山頂の反射板)   (野呂尾の頭へ雪原を戻る)   (野呂尾の頭で大休止)

  (野呂尾途中から振り返る)    (野呂尾を快適に下る)      (P812を下る)

    (樹林帯に入る)        (ブナの森を下る)         (大ブナノキを見上げる)

 (尾根から右へ急坂を下る)    (スギの花粉は大繁盛)    (P597へなだらかに登る)

 (P597の腰掛けブナで一服) (腐ったモナカに大苦戦して下る)   (松屋登山口帰着)

★道で出会った花(花はなし)

★ルート断面図

★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       比良山系・武奈ヶ岳
・2万5千分の1地形図  三方

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