銚子ヶ峰(1810.4m)


★ひとこと   「石徹白から白山美濃禅定道を経て展望の銚子ヶ峰」

銚子ヶ峰から別山方面を望む
   
★行った日   2020年8月2日(日)  晴一時曇   単独
 
★コース

高槻2:40(名神、東海北陸道)=白鳥IC5:21(R158、県道314、県道127、石徹白大杉林道)=6:08石徹白登山口6:21→いとしろ大杉6:34→おたけり坂7:48→8:22神鳩ノ宮避難小屋8:30→母御石9:12→9:39(1810.4m)銚子ヶ峰9:49→10:27一ノ峰南鞍部10:37→11:23銚子ヶ峰(昼食)11:56→母御石12:14→12:39神鳩ノ宮避難小屋12:49→おたけり坂13:15→いとしろ大杉14:02→14:15石徹白登山口14:34(石徹白大杉林道、県道127、県道314、R158)=白鳥IC(東海北陸道、名神)=高槻18:34

 やっと長雨の梅雨が明けたので久しぶりの山歩きだ。コロナ禍もあって40日間のご無沙汰なのでどこまで登れるか心配だ。特に、最近の体力弱体化に加えて、この暑さに耐えられるかが問題だ。また、旧スマホが3年以上経ったので新規に買い替えて、旧スマホはバックアップ用のGPS専用機として活用するので、新旧スマホのGPSの使い勝手も確かめるつもりだ。白山美濃禅定道の石徹白から銚子ヶ峰を経て三ノ峰方向へ行けるところまで辿る。涼しいうちに登りたかったので早朝出発、交通量の少ない高速道をひた走り、関ヶ原付近で明るくなり始め、約2時間半で白鳥ICを出て桧峠へ向かう。朝日のさし始めた石徹白集落の気持ちの良い緑の田園を眺めながら北上、積雪期はここ以遠は通行止めの白山中居神社から石徹白川沿いに細い林道をくねくね6キロほど進むと石徹白登山口だ。登山届け出ボックスのある東屋、水場、トイレ完備の駐車場広場だ。届け出ボックスには登山カードが用意され、火口域2キロ内に立ち入る場合は条例によりカード必携だ。10台位先着していたが大半は車に露がつき、山小屋泊のようだ。
 登山口からすぐに石積みの階段が続き、標高差100をゆっくり上ると小尾根上に出て「いとしろ大杉」が出迎えてくれる。着生植物も寄生し半分枯死しているが貫禄のある巨木だ。ここから尾根沿いの道を登り続けるが、初めは細めのブナ林だが標高1200付近から立派なブナ林となり、ミズナラの巨木も散見される。標高1400付近の樹林の切れ目から右に丸山から初河(はっこ)山に続く山稜が望める。おたけり坂標柱から急坂を喘ぎつつ登り、雨やどりの岩屋からなだらかな尾根道となり、時々樹林の切れ目から左に母御石のピークを眺めながら進むと神鳩(かんばと)ノ宮避難小屋だ。雑木林の中に祠が鎮座している。内部は清潔、トイレは携帯方式、東へ5分下ると水場がある。

   (石徹白登山口広場)         (登山ルート図)     (登山口(手前:水場、奥:WC))

 (標高差100の石段を上る)   (貫禄のあるいとしろ大杉)    (細めのブナ林を登る)

(1200付近の太いブナ林を登る) (沿道のミズナラの大木)    (東の丸山〜初河山の稜線)


  (おたけり坂の急登開始)      (雨やどりの岩屋)      (左前方の母御岩のピーク)

  (なだらかな灌木帯を進む)     (神鳩ノ宮避難小屋)        (神鳩ノ宮の祠)


 小屋前の広場から茂みに入って溝状の道を登り、ブナなどの混成林を抜けると見晴しの良い稜線となり、左に願教寺山から野伏ヶ岳に連なる稜線、右手に別山、正面上方に母御石のピークが望める。足元に草花も多くなり始め、シモツケソウやオオバギボウシなどが沿道を彩っている。急坂を登ると大団子を重ねたような母御石だ。大石の上から、遠くの南に見えるはずの両白山地の山々は雲の彼方だが、北の別山や南白山が望めた。平坦な笹原の切り開きを北へ進み、登山口から5キロの標柱から急坂を少し登ると2、3人の登山者が憩っているだけの銚子ヶ峰山頂だ。山頂から、三ノ峰や別山へ延びる美濃禅定道の稜線、願教寺山から野伏ヶ岳へ延びる越美国境稜線、赤兎山や経ヶ岳など白山前衛の加越の山々、などが望めた。山頂から行けるところまで行ってみようと稜線を北へたどる。大岩の目立つ北のピークから一ノ峰へ向かってニッコウキスゲやオニアザミの咲く稜線を穏やかに下るとP1784手前の笠場湿原下り口の倒れた標柱だ。笠場湿原は願教寺山へ伸びる岐阜福井国境稜線と美濃禅定道との合流点付近の岐阜県側に位置する緑の平原だ。ネットには笠羽谷を遡行して笠場湿原から曲がりくねった老木「つなぎぶしの桧」を訪れた記録があるが、見た限り丈余の笹原に覆われているので、稜線から下るのは残雪期限定だ。国境稜線の急坂を下り、鞍部まで下って一ノ峰を見上げると三ノ峰まで雲底が下ってきたようだ。上り坂を見て足が動かなくなるとともに、折角登っても雲の中ではと意気消沈、鞍部から引き返すことに決定だ。

    (溝状の道を登る)     (4K標柱で樹林帯を抜ける) (展望稜線から丸山を振り返る)

   (右前方に別山初見参)     (足元に花が増えてくる)       (母御石)


 (母御石から稜線を振り返る)  (銚子ヶ峰山頂へ笹原を行く)     (銚子ヶ峰三角点)

                    (銚子ヶ峰から西北を望む)

     (稜線を北へ)          (展望稜線を辿る)       (アサギマダラとアザミ)


   (笠場湿原下り口標柱)     (左下に広がる笠場湿原)     (鞍部へ展望稜線を下る)

 ますます重くなった足を引きずって銚子ヶ峰へ上り返し、登山者で混雑している山頂手前で大休止の昼食だ。相変わらず薄雲に覆われて御嶽山も乗鞍岳も見えない東方を眺めながら山頂を後にした。続々と登ってくる登山者と挨拶を交わしながら、母御石から稜線の赤屋根の避難小屋を眺めたりしながら尾根道を下り、樹林帯に入ってしばらく下ると神鳩ノ宮避難小屋だ。小休止後、往路と違って順光に気を良くしながら自然を撮りつつ下り、いとしろ大杉にお別れして、駐車場はほぼ満車で縦列駐車もある登山口帰着だ。
 銚子ヶ峰は九頭竜川水系の石徹白川源流部にあって白山国立公園内にある。今回は銚子ヶ峰までしか行けなかったが、いとしろ大杉や神鳩ノ宮の祠、母御石など白山信仰の歴史を感じさせる道で、花は少なかったが山頂や稜線からの大展望は期待通りだ。7年前には別山まで登れたが体力の衰えを痛感した山行だった。また、旧スマホ(SIMカードなし)GPS専用機は機中モードでザックに収納したままなので電池の消耗も少なく、バックアップ用として実用性大だ。

  (ニッコウキスゲが現れる)   (雲に覆われ始めた三ノ峰)   (鞍部で引き返し銚子ヶ峰へ)

(雲に覆われた別山を振り返る)   (銚子ヶ峰で大休止)       (山頂から下山開始)

                    (銚子ヶ峰から東南を望む)

   (母御石付近を下る)        (樹林帯を下る)        (1300付近の大木)

    (いとしろ大杉)          (石徹白登山口帰着)   (赤色では必携の携帯用カード)

★道で出会った花

   ヤマアジサイ(大杉)        ムシカリ(おたけり坂)        ?(神鳩ノ宮)

   タカネニガナ(母御石)       オニアザミ(母御石)      ヒヨドリバナ(母御石)

  オオバギボウシ(母御石)     シモツケソウ(母御石)    ヤマブキショウマ(母御石)

   ミヤマキンポウゲ(山頂)    ミヤマコウゾリナ(山頂)      クルマユリ(山頂)

  ニッコウキスゲ(稜線)       ヤマゼリ(稜線)         トリアシショウマ(稜線)

       ウド(稜線)         オオヨモギ(稜線)          ホツツジ(稜線) 

   イワオトギリ(母御石)       コケモモ(母御石)      ノリウツギ(おたけり坂)

★ルート断面図


★地  図
 
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       白山・荒島岳
・2万5千分の1地形図  願教寺山、二ノ峰

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