七々頭ヶ岳(693.1m)

 

★ひとこと   「菅並から時雨模様の山頂を経てブナ稜線で上丹生へ」

七々頭ヶ岳山頂の観音堂と祠


★行った日   2021年2月7日(日) 曇一時時雨    単独

★コース
高槻5:48(名神、北陸道)=木之本IC(R365、県道284、県道285)=7:44菅並東BS前P(1℃)8:00→8:11菅並登山口(SS履く)8:17→9:53P474 10:03→11:23(693.1m)七々頭ヶ岳12:02→12:58Ca379 13:06→稜線別れ13:13→13:46上丹生登山口(SS脱)13:52→14:25菅並東BS前P14:37(県道285、県道284、R365、R303、R161、湖西道路)=京都東IC(名神)=高槻17:24

 このところ暖かい日が続き、積雪情報を見ても比良山系や鈴鹿山系は望み薄、まとまった積雪は余呉や奥美濃まで足を伸ばさないと駄目だ。きょうは日本海側に近づくと天気予報は望ましくないが、低山でまとまった雪の期待できる8年ぶりの七々頭ヶ岳だ。三日月の輝く晴天に気をよくして出発、名神を北上して八日市辺りの日の出時刻にはだんだん怪しくなり、北陸道に入ると伊吹山もまったく姿を見せず、徐々にモチ低下だ。木之本から北国街道を北上、中之郷から峠を経て両側に雪が積み上がっている道を、上丹生からかすかに見える七々頭ヶ岳を正面にしばらく進み、菅並東BS前の除雪された空き地に駐車だ。1℃と気温は高く、いまにも降り出しそうな霞たなびく中を、降るなら雪になることを願いながらスノーシュー(SS)をザックにくくり付けて出発だ。
 霞んでなければ妙理山が正面に見える橋で高時川を渡り、雪の壁の続く旧道に入るとすぐに道の左に七々頭ヶ岳登山口がある。標識の立つ溝の両側に約1mの雪壁があって登山道は雪の下、仕方なく右の墓地に連なる雪面によじ登ってSSを履く。先程の溝を渡って登山道に合流し、杉林を登り始める。山日和の昨日のトレースを期待したが誰も登った形跡はなく、沈み込みは少ないが、湿雪を一歩一歩踏みしめて登る。雪の塀を継ぎ足したような堰堤を右に見て斜面を進み、標高250付近の等高線の混だ所をトラバース気味によじ登る。登山道の目印も多分雪の下、登り易い所を探して登るが、非力なSSの足の力だけではいくらあがいても身体を支えきれず、両手を使って締まった雪面を掻いてどうにかクリアだ。ここがきょうの最大の難所だ。Ca300付近の右の谷筋の記念碑のような大ブナを横目に、SSを雪面にかち込んだり、八の字にしたりして急坂を頑張るとCa320から勾配が緩くなる。Ca400の等高線のまばらな東南の緩斜面では、春山のような融雪穴のできたブナ林だ。尾根を横断する直径10cmほどの足跡があり、帰ってからネットで調べると、確かではないがテンかハクビシンのようだ。ここまでで疲れ切ってしまい、P474でダウン気味だ。ウサギの足跡もあるP474尾根筋にはコブシかタムシバが散在、銀白色の毛で覆われた花芽が春の訪れを感じさせてくれた。Ca520にSSがぎりぎり通れる尖った細尾根があり、上りは良いが手がかりがないので下りはいやな所だ。ブナ尾根をしばらく登るとCa600で山頂稜線出合だ。8年前にこの尾根を下ったときに間違って直進したのがいい思い出だ。

(妙理山を正面に高時川を渡る) (菅並登山口の雪面に上る)  (墓地でSSを履き登山道へ)

  (杉林の斜面に取り付く)  (堰堤を右に見て右岸を登る)(倒木を避け急坂を必死に登る)

   (右の沢筋の大ブナ?)   (雪のつながった所をトラバース) (Ca320で勾配が緩む)

 (Ca340ブナ大木林を登る) (Ca400春山のような緩斜面) (テンかハクビシン?の足跡)

    (P474で小休止)    (銀白色の毛が覆うコブシ花芽)    (ウサギの足跡)

(怖ろしい尖った細尾根を登る)    (ブナ尾根が続く)        (Ca600尾根合流)

 なだらかなブナの斜面をしばらく登ると林間に観音堂と祠が祀られた七々頭ヶ岳山頂だ。小広い疎林帯の山頂だが折れた木々が目立ち、折から霧雨模様となってきたので観音堂の軒先で雨宿りの店開きだ。目線の雪原から山頂大ブナを見上げながら昼食後、山頂下の瑠璃池探訪もやめて、やみかけの霧雨のなか下山開始だ。見事な大ブナが点在する急な尾根下りだ。しばらくブナ林尾根を下り、Ca500付近で視界が明るくなり、正面眼下に川霧?に覆われた摺墨の山峡が望めた。Ca370稜線別れから東へ急坂を道なりに30分ほど下ると高時川上縁を経て上丹生登山口だ。菅並からの急坂ではルートファインディングを要したが、上丹生ルートでは道形がはっきりしているので目印が埋もれていても迷うことはない。八田部橋で高時川を渡ると県道出合の除雪地点だ。ここからSSを脱いで県道を菅並へ戻るが、重い冬靴にもかかわらず急に足が軽くなり羽が生えたようだ。殆んど車の通らない県道を増水した高時川を見たり、霞んだ横山岳を眺めたりしながら30分の県道歩きで菅並東BS前の駐車場所だ。また降り出した驟雨のなか出発、渋滞の湖西回りで3時間かけてゆっくり帰阪した。
 七々頭ヶ岳は低標高にもかかわらず山頂付近に存在するブナ林が素晴らしく、天気がよければ余呉の山々も望めるはずだ。きょうはあてにしたトレースもなく、うろうろしながら深雪の急坂登りに難渋したが、雪面の締まりがよかったので何とか周回できた。標高や歩く距離から無雪期にはお手軽登山が楽しめるが、厳冬期には多量の積雪があり、上丹生、菅並どちらからも急坂があって、それなりの装備が必要だ。

  (山頂近くのブナ林を行く)  (七々頭ヶ岳山頂の観音堂と祠)  (七々頭ヶ岳山頂広場)

    (山頂の大ブナ)        (大ブナの尾根を下る)      (尾根に続くブナ林)

    (タヌキ?の足跡)   (賎ヶ岳を正面に眼下の摺墨集落)(稜線別れから急坂を下る)

     (急坂を下る)       (高時川上縁の杉林を下る)    (高時川の八田部橋へ)

    (上丹生登山口)        (県道出合でSSを脱ぐ)      (県道を菅並へ)

    (七々頭トンネル)       (雪融け増水の高時川)    (横山岳を正面に菅並へ)

★道で出会った花(花はなし)

★ルート断面図

★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・2万5千分の1地形図  中河内、木之本

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