音波山(872.6m)

 

★ひとこと   「栃ノ木峠から湿雪のため巡視路登れずベルク余呉経由音波山」

静寂(休業中のベルク余呉スキー場)


★行った日   2021年2月14日(日) 晴後曇 単独

★コース

高槻5:39(名神、北陸道)=木之本IC(R365)=7:44栃ノ木峠P2(1℃)(SS履く)8:07→ベルク余呉建物9:41→登山道出合10:01→10:50△栃ノ木(昼食)11:19→展望鉄塔11:37→風力計鉄塔12:06→12:33(872.6m)音波山12:39→風力計鉄塔12:56→13:05休憩13:13→展望鉄塔13:30→△栃ノ木13:40→登山道出合14:14→ベルク余呉建物14:30→15:20栃ノ木峠P2(SS脱)15:32(R365、R303、R161、湖西道路)=京都東IC(名神)=高槻18:38

 きょうは大阪で最高気温20℃、今週も寒中らしくない暖かい日が続き、雪に出会うため前回に続いて余呉の山だ。栃ノ木峠を起点に音波山を経て下谷山ピストンの計画だったが、ベルク余呉スキー場跡経由音波山までだ。細い三日月のかかるあまり寒くない6℃の高槻を出発、山の端が朝焼けに染まる鈴鹿山脈を眺めながら名神を北上、山頂に雲をいただいた伊吹山を横目に北陸道を経て北国街道に入る。余呉高原スキー場に向かう車と相前後して北上、椿坂峠のトンネルを過ぎて雪壁が積みあがった道をしばらく進むと、赤、白、青の円柱の立つベルクスキー場分岐点の除雪されたP2到着だ。スキー場入口の雪壁に上ってみると、見た目は固そうな雪面だが歩くと膝までズボッだ。軟弱な我が身の難渋を予想しながらスノーシュー(SS)を履いて出発だ。
 左の山裾からいつも登る巡視路に入ろうとしたが、一帯は積雪のため巡視路のありかが分からず、湿雪の急坂にSSが空滑りするばかりで取り付くこともできず、未踏のベルク余呉スキー場経由に変更だ。10cmほど沈む重いSSに体力が急激に奪われ、どこで引き返そうかと考えながら林道を登る。左上の巡視路尾根を見上げながら休み休み歩を進めるがモチは上らず、山肌をぬう林道をボチボチ歩く。Ca630まで上ると、朝日に輝く余呉高原スキー場が東北に見え、沈み込みも幾分軽くなって少しずつ元気回復だ。ベルク余呉スキー場入口近くのCa700付近から振り返ると、白い林道の彼方に見える大黒山など余呉の山並みが美しく、左には余呉高原スキー場のゲレンデが間近だ。ベルク余呉スキー場に入り、半分雪に埋まった建物を横目に静かな無人のゲレンデを進むが、障害物のない真っ白な平原では方向感覚が麻痺しそうだ。スキー場北端から孤独ブナの稜線に上り、ゲレンデを振り返ると2000年頃?にファミリー向けにオープンした当時の賑わいが偲ばれる。稜線を少し進むと巡視路の登山道出合だ。高木のあまりない灌木帯の稜線を、鉄塔を過ぎてしばらく尾根なりに進むとパラボラアンテナ鉄塔の△栃ノ木だ。ここまでで疲れ切ってしまい塔の下で座り込みエネルギー補給だ。ここから引き返すつもりだったが、昼食を摂るとやる気を回復して音波山へ出発だ。

  ( 雪壁を上ってSSを履く)   (湿雪の急坂で巡視路登れず) (ベルクへ林道を歩き始める)

  (足取り重く歩を運ぶ)   (姿を見せる余呉高原ゲレンデ) (大国山を背景に登り続くる)

  (ベルク余呉スキー場到着)      (雪原を振り返る)         (雪原を進む)

(ベルク余呉スキー場を振り返る)  (孤独ブナから稜線へ)       (稜線を進む)

    (登山道に合流)        (P741付近を行く)    (左に見える余呉高原スキー場)

 (気持ちの良い展望尾根を行く) (パラボラアンテナ鉄塔へ)   (パラボラ鉄塔下が△栃ノ木)

 細いが密生して生え揃った急なブナ尾根を下って、丸い丘を登り返すと展望鉄塔だ。滋賀・福井県境付近の山々が連なり、右から今庄365、余呉高原、ベルク余呉(休業中)の3スキー場が至近距離に並んでいるのが壮観だ。奥越方面の見える鉄塔で高圧線の切り開きと別れて立派なブナ林の幅広尾根の県境を進む。尾根の方向が東南から東へ変わる小広場に風力観測鉄塔が新設され、地上高ごとの風向や風速を送信しているようだ。今は豪雪に埋もれて見分けがつかないが、3年前に訪れた時に掘削されていた林道はこの小広場が終点、風力観測施設の建設やメンテがこの林道の目的と思われる。帰宅後ネットで調べると「余呉南越前ウインドファーム事業」の環境アセス中だそうだ。もし事業化されれば数十基の風車が県境付近に並ぶらしく、エネルギー問題と環境破壊問題は悩ましい課題だ。鉄塔を後にして、ヒョロヒョロの細いブナやかなり成長したブナもあるブナ林尾根を抜け、雪に埋もれた灌木帯の丸い尾根をなだらかに登りつめると音波山だ。ピーク横の門番は生命力あふれる大ブナだ。

    ( 三角点は雪の下)        (ブナ尾根を下る)      (展望鉄塔へ登り返す)

               (展望鉄塔から余呉・湖北の山々を望む)

   (奥越の見える鉄塔へ)      (立派なブナ林へ)       (新設の風力観測鉄塔)

    (風力観測鉄塔施設)   (風速計と風向計のある鉄塔)      (ブナ林を東進)

 (先方の丸い丘が音波山)    (音波山門番の大ブナ)     (生命力あふれる大ブナ)

 三角点の埋もれた雪面から東南の展望が開け、左に県境稜線の下谷山、右に湖北の乗鞍岳、中央に大黒山や妙理山などが望めた。音波山から下谷山へは、多少のアップダウンはあるが標高差100のブッシュも隠れたなだらかなブナ林の続く尾根だ。誘惑にかられたが往復5キロの雪道は体力的に厳しいのでここからUターンだ。往路を戻って奥越の望める鉄塔近くの腰掛ブナで小休止だ。鉄塔から、部子山越しに白山、笹ヶ峰など越美国境の山々などが望める。△栃ノ木を過ぎて、急坂の巡視路下りは遠慮してベルク余呉を経て林道を下る始める。下るに従ってだんだん沈み込みが深くなり、疲れ切って雪壁上でSSを脱ぎ、なんとか駐車場へたどり着いた。
 余呉の雪に覆われた展望の尾根歩きやブナ林歩きは魅力的だ。ただし、標高差が小さくとも往復10キロの湿雪SS歩きは僕の限界オーバーだ。栃ノ木峠から体力弱者にとって深雪の巡視路登りは絶望的だが、ベルク余呉まわりのなだらかなルートで音波山や下谷山にアプローチ可能だ。

                 (音波山から余呉の峰々を望む)

 (音波山から下谷山を望む)    (音波山を下り始める)     (奥越展望鉄塔の腰掛ブナ)

            (奥越展望鉄塔から東北方面を望む(山名は不確実))

    (展望鉄塔を下る)     (ベルク余呉スキー場を望む)      (△栃ノ木へ戻る)

  (鉢伏山と木の芽峠を望む) (ベルクから林道を下り始める)   (よたよたと帰り着く)

★道で出会った花(花はなし)

★ルート断面図

★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・2万5千分の1地形図  板取

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