藤原岳(1140m)

 

★ひとこと   「早春の花を求めて孫太尾根で藤原岳ピストン」

藤原岳(背景は御池岳)


★行った日   2021年3月15日(月) 晴一時曇 風強し  単独

★コース
高槻5:27(名神)=八日市IC(R421、R306、地方道)=7:18新町墓地駐車場7:28→P387 7:51→8:40(645m)丸山8:52→9:41(834m)草木9:48→10:31(965m)多志田山10:38→11:27(1120m)藤原岳11:35→11:41岩頭大休止(昼食)12:17→多志田山12:44→13:37丸山13:50→P387 14:19→14:32新町墓地駐車場14:39(地方道、R306、R421)=八日市IC(名神)=高槻16:55

 このところ毎年早春の花を求めて定点観測のように孫太尾根から藤原岳を訪れている。八日市ICから八風街道を銚子ヶ口登山口の車を横目に東進、石榑トンネルを抜けて今年はご無沙汰の宇賀渓を素通りして青川峡へ、途中から新町の丘陵地へ向かうと新町墓地Pだ。孫太尾根の人気ぶりを示すように平日にもかかわらず、数十台の車で駐車スペースは殆んど満杯、お墓の裏側の隙間に駐車だ。
 きょうは軽登山靴の筆おろしだ。この山はよく泥んこになるのでスパッツで武装して、足取りも軽く出発だ。関係者のご努力で丸太階段や急坂道が整備されるとともに道標も一新だ。浄水施設から植林帯に入りだらだら坂を登り、神武社殿趾からヤブツバキの生い茂る急斜面をジグザグに登る。杉林に入りヤセ尾根もある尾根道を過ぎて樹林帯を抜け、石灰岩の急坂を登ると見晴らしの良い尾根だ。左谷筋の正面に静ヶ岳や銚子岳が立ちふさがり、振り返ると山間の彼方にいなべ市の田園が霞んでいる。アセビやシキミの小木が点在し、ヤマネコノメソウやスミレが足元を飾る急坂をジグザグに登る。しんどい急坂だが整備された歩き易い道だ。しばらく頑張ると石灰岩がごろごろし、その間にフクジュソウは見かけなかったが咲き疲れたようなセツブンソウが散らばって咲いている丸山だ。山頂は標識も真新しく、大勢の登山者が撮影に一生懸命だ。丸山ピークを過ぎ、所々でミスミソウやセリバオウレンの咲く尾根を進むとモミノキの大木の先で、直進の尾根道と巻道分岐だ。、行きは石灰岩散在の歩き難い尾根道を通り、次の巻道分岐ではP834草木ピークを通る尾根道を選択、あまり特徴のない石灰岩ゴロゴロのピークを経て稜線南寄りを通る巻道と合流だ。その先の鞍部には見事な大ブナが鎮座している。

    (新町墓地を出発)          (植林帯を進む)     (ヤブツバキの斜面を登る)

 (P387付近の杉林を行く)  (Ca450石灰岩の急坂を登る)  (左奥の静ヶ岳と銚子岳)

 (丸山へ整備された道を登る)  (日陰の閉じたままのアマナ)  (新調された丸山の標識)

   (丸山のセツブンソウ)      (丸山のミスミソウ)    (最初の巻道分岐のモミの木)

    (草木の巻道分岐)         (草木ピーク)            (鞍部の大ブナ)

 日差しの優しい葉を落とした広葉樹の尾根道を石灰岩鉱山の作業音を聞きながらしばらく進む。かつての縦走路へのトラバース道分岐を過ぎて、しんどい上り坂をハーハーゼーゼー言いながら頑張ると見晴しのない林間の多志田山だ。山頂でしばらく息を整えてから、藤原岳南面の急坂を正面に見て、きょう唯一の名残りの残雪を越えて、右に伊勢平野を眺めつつ少し下ってからいよいよ劇登りだ。しばらくブナ林の急坂の踏み跡を辿るが、早春の花が点在する斜面には幾筋もの踏み跡が縦横無尽に付けられれ、セツブンソウやフクジュソウを荒らさないように注意して木の幹を手掛かりに登る。雨上がりには泥んこのよく滑る急斜面に苦労する所だがきょうは乾燥していて比較的楽だ。トラロープによる登坂路規制も必要かなと思いながら東側の岩稜帯へ出る。岩稜は見かけは厳しそうだが手掛かりがあって、砂地の斜面より登り易い。岩頭へ上がると一気に右前方視界が開け、カレンフェルトの台地が広がり、左に藤原岳岩峰が望める。数人の登山者が楽しんでいる藤原岳岩峰に上がると、少し霞んでいるが鈴鹿山脈中部の南面を陽光に輝かせた黒々とした山稜が見事だ。台地越しに北方に霞んだ伊吹山や霊仙山も望めたが、これが限界だ。

(多志田山へのしんどい上り坂)      (多志田山)         (唯一の残雪を行く)

   (最後の上り坂へ)       (ブナ林の急坂を登る)      (セツブンソウの群落)

(あっちこっちに咲くフクジュソウ) (陽光に輝くフクジュソウ)     (登り易い岩稜へ)

   (岩稜を頑張って登る)      (やっと藤原岳頂上へ)       (360度大展望の山頂)

                   (藤原岳頂上から西方を望む)

 先程の岩頭まで戻り、伊勢湾を望む明るいいつもの定位置で店開きだ。眼下の広大な伊勢平野を眺めながらぼーっとしているのは至福のひと時だ。眠くなってきたので下山開始だ。岩陰で日の光を浴びて派手に輝くフクジュソウを見ながら注意深く急坂を下る。10数人の団体さんが昼食中の多志田山を通過、草木は巻道で通り抜け、丸山でフルーツゼリー休憩だ。往路では閉じていたアマナも陽光を浴びて満開だ。丸山から急坂下りがしばらく続くので、ひざを痛めないようにソロソロ下るが、特に階段が苦手だ。一段毎に両足を揃えるのがまだらっこしく、交互に足を出すので体重+ザック=80キロの衝撃荷重が関節にかかり、しばらく関節痛に悩まされるのだ。ヤブツバキの道を過ぎて樹林帯を下ると新町墓地だ。登ってくる道路も車で溢れかえり、遭難騒ぎかどうか未確認だがパトカーも来ている騒々しさだ。早々に墓地を出発、青空に尖った鋭鋒を見せる藤原岳南面と、石灰岩の採掘で形を年々変えているが戦後復興を支えてきた姿を眺めながら帰阪の途についた。
 かつて人影の薄い藪コギ覚悟の孫太尾根だったが隔世の感だ。次回から滋賀県側から登ったほうが良さそうだ。尾根にはセツブンソウ、フクジュソウ、アマナ、ミスミソウなどが咲いていたが、その場所や数を減らしている。気候のせいか、登山者のせいか、野生動物のせいか、貴重な植物は伊吹山のように保護地にのみ咲いているようになるのかもしれない。

 (岩頭から下り岩稜を望む)   (岩頭からいなべ市方面を望む)      (岩稜を下る)

                   (岩頭から東の伊勢湾を遠望)

 (団体さん休憩中の多志田山)(石灰岩鉱山を見ながら稜線を行く)   (丸山で小休止)

  (陽光を受けて咲くアマナ)    (ヤブツバキ林を下る) (パトカーも来ている新町へ帰着)

★道で出会った花 

  セツブンソウ(藤原岳南面)   ヤブツバキ(神武社殿)        アセビ(丸山)

      シキミ(丸山)        ヤマネコノメソウ(丸山)     タチツボスミレ(丸山)

    ミヤマハコベ(丸山)       ナニワズ(丸山)        セツブンソウ(丸山)

    ミスミソウ(丸山)       フクジュソウ(藤原岳南面)   フクジュソウ(藤原岳南面)

     アマナ(丸山)         セリバオウレン(丸山)      コショウノキ(丸山)


★ルート断面図

★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       御在所岳・霊仙・伊吹
・2万5千分の1地形図  竜ヶ岳

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