天筒山(171.3m)中池見湿原(44m)山門湿原(280m)

 

★ひとこと   「中池見湿原から敦賀展望の天筒山を経て山門水源の森へ」

天筒山から敦賀港


★行った日   2023年5月16日(火) 晴 単独

★コース

高槻5:14(名神)=京都東IC(湖西道路、R161、R8、R476)=7:35樫曲P7:45→江尻口7:56→敦賀セメント線No.3標識8:24→8:53(171.3m)天筒山9:10→9:37金ヶ崎城址月見展望台9:45→鴎ヶ崎展望台9:54→金ヶ崎宮10:00→天筒山登り口10:24→10:46中池見湿原分岐9:45→ビジターセンター11:14→江尻口11:22→樫曲P11:31(R476、R8、県道286)=山門湿原P11:55→森の楽舎12:08→12:27南部湿田展望台上(昼食)12:52→南分岐13:03→(520m)守護岩13:33→北分岐13:53→森の楽舎14:24→14:29山門湿原P14:33(県道286、R303、R367、R477、湖西道路)=京都東IC(名神)=高槻17:20

 花の端境期になってしまったが中池見湿原と山門湿原のハシゴだ。ついでに草川著「海をながめる山歩き」で紹介されていた天筒(てづつ)山界隈をぶらつくつもりだ。中池見湿原から天筒山を経て金ヶ崎城址を経た後、山門水源の森に立ち寄る計画だ。間もなく夏至、早朝から眩しい朝日を真正面から浴びて走り、びわ湖西岸の一般道で敦賀へ向かうと東岸の高速に比べてほぼ30分遅れで目的地だ。敦賀から今庄へ向かうR476を少し走ると、北陸道と新幹線の高架橋交差地点が樫曲(かしまがり)Pだ。ほぼ完成した巨大な構造物の北陸新幹線高架橋を見上げながら遊歩道を中池見湿原へ出発だ。
 車止めはないが一般車は通れない地道林道を西進、山裾に咲くコアジサイや水路に咲くカキツバタ等をひやかしながら進むと江尻口で周回路に合流、湿地帯を右周りに進む。数本の大木が茂る所を抜けると明るい遊歩道となり、岩籠山を遠景に周りを低山で囲まれた湿原の縁を道端のサワオグルマやノアザミを眺めながら歩く。1`ほど行くと右手に閉ざされた門扉があり、当初は少し行き過ぎたが、門扉横の踏み跡をたどってR8をくぐる。T字路の先の「敦賀セメント線No.3」標識の藪っぽい急坂に取り付く。巡視路と思しき杣道を鉄塔めがけて頑張り、鉄塔から振り返ると緑に映える中池見湿原全体が望め、更に尾根上の鉄塔からは少し霞んだ敦賀湾が広がっている。稜線を南下すると金ヶ崎から来た遊歩道に出合い、ちょっと先が天筒山展望塔だ。


    (中池見湿原案内図)     (樫曲Pから中池見湿原へ)    (道端に咲くコアジサイ)

  (湿地に咲くカキツバタ)    (樹林帯もある湿原周回路)  (周回路から遠景に岩籠山)

  (湿地に咲くサワオグルマ)    (ノアザミの多い周回路)   (門扉横を抜けてR8をくぐる)

  (敦賀セメント線No.3登り口)    (藪っぽい急坂を登る)   (尾根の鉄塔めがけて登る)

 (鉄塔から湿原を振り返る)  (次の鉄塔から敦賀湾を望む)     (天筒山展望塔)

 螺旋階段で最上階へ上ると360℃の展望だ。東には足下に中池見湿原が山間に佇み、その向こうに大黒山が望めるが、さらにその彼方に越美国境の峰々が並んでいるはずだ。南の敦賀市内には来春開業予定の北陸新幹線敦賀駅が見え、その先は途切れているが大阪方面へは25年先だそうだ。さらに南には、午後に訪れる予定の山門湿原近くの東ヶ谷山が山間に見え、岩籠山や野坂岳の彼方に江越国境の山々が連なっているはずだ。西から北にかけて敦賀港が眼下に広がり、その彼方に西方ヶ岳や蠑螺ヶ岳の敦賀半島が伸びている。展望塔下の天筒山三角点におさらばして、旧見張台跡から下り始める。右下方の敦賀セメント工場の大きな騒音を聞きながら、照葉樹林帯の長い石段を下る。今まで登山道で遭遇した関西の石灰岩採掘現場の三大騒音は、個人的には藤原岳の孫太尾根、伊吹山の弥高登山口とここだ。石灰岩は日本の数少ない資源なので仕方ない気がする。樹林帯の尾根道の三つの城(木)戸跡を通り抜けると金ヶ崎古戦場趾石碑だ。ここは天然の要害の地、南北朝時代と戦国時代の2度歴史の表舞台に現れている。先端の標高86mの月見御殿跡の展望台から望む敦賀湾はなかなかの絶景だ。足下に北陸電力火力発電所の石炭荷揚ヤードとその先に北海道フェリー埠頭が伸び、敦賀湾の彼方には越前岬が霞んでいる。西方の敦賀市側に突き出た鴎ヶ崎展望台にも立ち寄ってみるが、標高が低いうえに周りの草木が成長して眺望はいまいち、金ヶ崎宮へ向かう。

                 (展望塔から北〜東(大国山)〜南を望む)

                 (展望塔から南〜西(敦賀港)〜北を望む)

  (展望塔下の天筒山三角点)  (旧見張台跡から下り始める) (照葉樹林帯の長い石段下り)

 (騒音源の敦賀セメント工場)  (樹林帯尾根の1〜3木戸跡)  (金ヶ崎古戦場趾石碑)

      (月見御殿趾)     (展望台からフェリー埠頭を遠望)(鴎ヶ崎は展望はいまいち)

 金ヶ崎宮に手を合わせ、参道の石段を下ってJR敦賀港線の廃線跡をなぞるように1`ほど進むと天筒山登山口だ。標高差150mの九十九折れの道を、ここまでの歩き疲れと暑さにヘロヘロになって休み休み登ると中池見湿原分岐だ。トイレもある休憩広場で息を整えてから、天筒山頂上を左に見て緑の稜線をなだらかに下る。左の樹間からR8と新幹線高架橋を見下したりして爽やかな雑木林の尾根を下ると湿原の縁に立つ古民家だ。ここから木道でビジターセンターへ向かうが、目につくのはサワオグルマだけだ。2日前の雨のため湿地の水位が上がり、歩道歩きはビジターセンターで長靴を借りる必要がある(無料)。水生動植物を観察するには湿地帯を歩く必要があるが今回は割愛、周回路を江尻口に向かう。江尻口から往路通りに樫曲へ向かい、北陸新幹線の巨大な高架橋が近づくと樫曲Pだ。まだ昼前なのですぐ山門湿原に向かう。R8で大津方向へ向かい、福井・滋賀県境の峠を過ぎた辺りから県道へ右折すると、樫曲から30分かからずに山門水源の森Pだ。

       (金ヶ崎宮)        (参道を下って天筒山登り口へ)   (天筒山登り口)

     (金ヶ崎案内図)     (九十九折れの遊歩道を登る)    (中池見湿原分岐)

(尾根道からR8と新幹線高架橋) (古民家横から湿原へ)    (木道でビジターセンターへ)

 (ノアザミ咲く周回路を戻る)   (江尻口で往路と合流)  (Pは新幹線とR8高架橋交差点)

 森の楽舎(まなびや)で保護協力金200円を納めブナの森コースへ出発だ。ミツガシワなどの春の花は終わり、トキソウやサギソウなど夏の花はこれから、いまは丁度端境期で目立った草花を目にすることはなかった。沢道で湿原へ出て、湿原を右回りに山裾の道を進む。陽光に映える緑の湿原には咲く花はなく、ミツガシワの時期には開かれている湿原へ入る道も閉鎖されている。来訪者の姿も見ないので南部展望所上の倒木に腰かけて涼風に吹かれて名も知らぬ小鳥のさえずりを聞きながら定番の昼食だ。多少元気を回復して出発、ヒノキの森はかつて植林されたが需要が減ってあまり手入れがされていない森だ。次に現れるのはブナとしては低標高にあり、アカガシと共生するブナの林だ。最高点の守護岩からそのまま県境方向に進むと東ヶ谷山だが、今回は稜線を東へ下る。すぐ先の大窓展望所の樹間から山並み越しに伊吹山が望める。次に現れるのはアカガシの森、かつて薪炭林として活用された痕跡が株立ちの姿となっている。ツバキの森を経て爽やかな雑木林をなだらかに過ぎて尾根道を下ると森の楽舎だ。舗装された遊歩道を少し下ると山門水源の森Pだ。
 湿地帯のハシゴだったが、両湿地帯とも春季と夏季の端境期にあたり、顕著な花を見かけなかったが緑に映える湿原が美しい。天筒山や金ヶ崎界隈からの敦賀湾の展望も秀逸だ。こんな美しい山野を歩き回ることができて感謝!

  (山門水源の森Pを出発)    (山門水源の森案内図)       (沢道で湿原へ)

  (陽光に映える緑の湿原)       (ヒノキの森)            (ブナの森)

    (ピークの守護岩)      (大窓展望所から伊吹山)      (アカガシの森)

 (爽やかな広葉樹林を行く)      (森の楽舎へ戻る)     (新しい舗装路をPへ)

★道で出会った花

     ミズタビラコ             コアジサイ            カキツバタ

     マムシグサ            ヘビイチゴ?               ?

      カキドウシ             ノアザミ             ヤマツツジ

      コバンソウ             ニワゼキショウ        ニワゼキショウ

      イタチハギ             ハルジオン            キランソウ

      コナスビ             オオジシバリ           ハナニガナ

      キショウブ              ウツギ                ?

      ノゲシ               サワオグルマ           タニウツギ

      ヤブテマリ                 ?              イワナシ


★ルート断面図
(1)天筒山-中池見湿原

(2)山門湿原


★地  図
(1)天筒山-中池見湿原

(2)山門湿原


(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・2万5千分の1地形図   敦賀、駄口

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