(第4日目)
金浦を朝でて秋田道、東北道を通り弘前に入る。快晴の津軽平野から望む岩木山はまさに名山にふさわしい山容を呈している。りんご畑の散在する立派なハイウエーを通り津軽岩木スカイラインに入る。紅葉真っ盛りの九十九折道路は岩木山八合目が終点だ。ここからリフトに乗り、鳥の海噴火口駅で降りる。快晴のリフトからは麓の紅葉、足下に陸奥湾、近景に白神山地、遠景に鳥海山などを望むことが出来た。
お手軽登山ではリフトを降りてから、噴火口跡の縁を通り約30分で岩木山神社のある1624.7mの山頂に着く。山頂はゴツゴツした岩場であり、登山道も急な岩場のため登るには登山靴が安全だ。快晴の山頂から陸奥湾をはじめ昨日登った鳥海山が薄く見え、あす予定している八甲田山もよく見えている。時間が許すならば麓から足で登りたい山だ。次は太宰治「津軽」の、岩木山の東北に位置する金木町から見た山を描写した一節です・・・
富士ではなかった。津軽富士と呼ばれている1千六百二十五メートルの岩木山が、満目の水田の尽きるところに、ふわりと浮かんでいる。実際、軽く浮かんでいる感じなのである。したたるほど真蒼で、富士山よりもっと女らしく、十二単の裾を、銀杏の葉をさかさに立てたようにぱらりとひらいて左右の均斉も正しく、静かに青空に浮かんでいる。決して高い山ではないが、けれども、なかなか、透きとおるくらいに嬋娟たる美女ではある。
★ルート断面図
カシミール3Dにより作成
★地 図
昭文社刊山と高原地図から転載
(参考地図)
・山と高原地図 八甲田・岩木山
・2万5千分の1地形図 岩木山
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