光岳(2591.1m)茶臼岳(2604m)上河内岳(2803.0m)

 

★ひとこと   「易老渡から南ア南端の光岳を経て、尾根を北上して聖平へ」

茶臼山から光岳(右奥)を望む

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★行った日   2006年8月3日(木)  晴一時曇  単独
          2006年8月4日(金)  晴       単独
          
★コース

(第4日)
聖光小屋4:17(林道)=4:30易老渡4:40→5:44ミズナラの大木5:55→面平6:18→7:16休憩7:21→8:38三角点2254 8:43→9:06(2354m)易老岳9:14→9:37展望所(携帯可)9:42→三吉平10:09→11:00静高平(水場)11:19→11:26イザルヶ岳分岐11:31→(2540m)イザルヶ岳11:41→イザルヶ岳分岐11:58→12:12光小屋12:44→寸又峡分岐12:51→(2591.1m)光岳13:03→光石→光小屋14:14
(第5日)
光小屋5:06→イザルヶ岳分岐5:18→イザルヶ岳→イザルヶ岳分岐5:36→静高平(水場)5:45→三吉平6:14→展望所(携帯可)6:38→7:10易老岳7:14→7:52休憩7:58→8:38喜望峰8:51→仁田池9:14→9:35(2604m)茶臼岳9:50→茶臼小屋分岐10:05→10:24亀甲状土の草原10:32→上河内岳分岐11:30→(2803.0m)上河内岳11:43→11:54上河内岳分岐12:10→P2702 12:43→聖平小屋分岐13:47→聖平小屋13:54

(第4日)
 光(てかり)小屋に午後3時までに着かないと夕食にありつけないので、結果的にはゆっくり出発しても十分間に合ったのだが朝食抜きで出発、車で易老渡へ移動した。易老渡(いろうど)の登山口の橋を渡って薄暗い樹林の中をヘッドランプを点けて登りだしたが、帽子を忘れてきたのに気付き再度車へとりに戻って再出発だ。まだ寝ぼけているようだ。易老渡の駐車場で車泊の人はまだ食事中だ。
 易老渡からはひたすら樹林の急斜面を登り続けるしんどいルートだ。ジグザグに急斜面を登るとミズナラの大木がある尾根の尾に着く。ここで朝食のパンをほおばる。更に、急坂をあえぎながら登ると大木の林立する平坦な所に着く、面平だ。ひたすら登り続けると尾根上の小ピークの三角点だ。ここから岩稜尾根や木の根の絡まったやせ尾根を登ると易老岳(いろうだけ)分岐点だ。シラビソの樹林にかこまれているため視界は全然ない。出発して4時間半しか経ってないのでペースを落とすことにした。
 主稜線の樹林をなだらかに下ると携帯可の表示のある北西側の視界が開けた草地へ出る。寝転んでいると風が通って気持ちが良い。緩やかに樹林を下ると湿地帯もある三吉平だ。ここから標高差約300メートルの登りだ。枯沢を登ると草花の咲く緑の谷間が現れ、谷間を登りきると水場もあり花も咲く静高平だ。但し、この水場は不安定で帰りには殆ど渇水状態だった。なだらかなハイマツ帯を進むと緑のセンジガ原だ。15分で往復できるイザルヶ岳へ寄ってみたがガスっていていまいちだった。花が何も咲いていないセンジガ原の木道を進むと光小屋だ。
 チェックイン後、裏山散策の感じで小屋から裏山へハイマツとダケカンバの間を登るとすぐに光岳山頂だ。ハイマツはここが南限らしい。山頂は小さな空間しかなく、樹木に囲まれているため何も見えない。すぐ隣の岩頭(4等三角点?)が展望台で西南方向の見晴らしが良いがきょうはガスのため駄目だった。更に、支尾根を下ると石灰岩が露出した光石(てかりいし)だ。石の周辺には高山植物が咲き乱れていた。きょうは晴だったが午後からはガスが湧いてきて眺望もままならず、近くの草花の撮影に専念した。特筆ものとして、光小屋のトイレは、一般的な山小屋の猛烈なアンモニア臭の全くない快適バイオトイレだったのが有難い限りだった。

 
 (易老渡登山口、帰途撮影)        (面平)          (樹林帯をひたすら登る)

  (尾根上の三角点2254)      (岩稜尾根進む)      (木の根のやせ尾根を行く)

    (易老岳分岐点)      (樹林帯をなだらかに下る)     (明るい世代交代林)

   (携帯可の展望所)           (三吉平)            (お花畑が続く)

 
       (静高平)          (静高平の水場)           (センジガ原)
 
   (イザルヶ岳のダケカンバ)     (イザルヶ岳山頂)           (光小屋)
 
 (コバイケイソウの草原を進む)      (光岳山頂)            (光石)

(第5日)
 快晴に恵まれた朝だ。北方にはこれから向かう聖岳(ひじりだけ)、東方には雲海に浮かぶ富士山、南方には大無間山(だいむげんやま)が影絵のように連なっていた。しっかり朝食を食べて出発、センジガ原からイザルヶ岳へ立ち寄ってから易老岳まで同じ経路を戻った。
 アップダウンを繰り返しながら樹林帯を進み最後に急坂を登りつめると樹林に囲まれた喜望峰だ。喜望峰からの下りから低木帯となって雄大な視界が開け、これから越えるべき茶臼岳、上河内岳などの峰々や聖岳が連なっているのが展望できる。

 
             (光小屋付近から日の出前の北〜東〜南を望む)

 (光小屋から朝焼けの富士山)(光小屋から朝焼けの大無間山)  (イザルヶ岳から光岳)

     (立ち枯れ樹林)        (光岳方向を振り返る)        (易老岳三角点)

     (樹林帯を進む)           (喜望峰)        (喜望峰から見えた富士山)

         (喜望峰からこれから越える茶臼岳、上河内岳方面を望む)

 喜望峰からコルまで下ってから仁田池付近の緑の草原を木道で通り、ハイマツ帯の砂礫を登ると360度展望の茶臼岳だ。振り返ると喜望峰の彼方に光岳がなだらかな稜線を見せている。聖岳の手前の上河内岳めざしてずんぐりした稜線を下り、コルで茶臼小屋方面を右に分けて直進する。尾根中腹をトラバースしダケカンバの樹林を過ぎると草原だ。草原中の亀甲状土(土壌が凍結と融解を繰り返すうちに礫が分離して亀の甲羅状に並ぶ現象?)が天然記念物に指定されている。正面に優美な三角錐の上河内岳を見据えて草原をつめて行く。ダケカンバ帯を越えて砂礫の道を登ると上河内岳の肩に着く。小広場があり休憩の適所だ。ここにリュックを置いて山頂を往復する。山頂は文字通り360度の展望抜群だが、昼近くなるとガスって遠くは見えなかった。しかし、ガスで薄く覆われた聖岳の姿は神秘的でさえあった。
 上河内岳からP2702(南岳)までの雄大な下り道には咲き終わっている筈のチングルマやハクサンイチゲなどが満開だった。きっと残雪が遅くまであったと思われる。ガレ場を通って樹林帯に入ると聖平はすぐだ。きょうは晴天の金曜日とあって聖平小屋は旧館も含めて超満員のようだった。
 

(仁田池付近の草原、正面茶臼岳) (茶臼岳頂上直下)      (茶臼岳頂上、背景は聖岳)
 
(上河内岳めざして尾根を下る)    (茶臼小屋分岐)     (上河内岳めざして草原を行く)
 
    (草原の亀甲状土)      (格好の良い上河内岳)    (上河内岳のザレ場を登る)
 
    (上河内岳分岐)         (上河内岳山頂)      (雄大な上河内岳下り尾根)

  (上河内岳を振り返る)           (聖平)             (聖平小屋)

 
★道端の花(聖岳を含む)
    ?(三吉平)          ゴゼンタチバナ(三吉平)     イワオトギリ(三吉平)
 
  カラマツソウ(三吉平)      タカネビランジ?(静高平)   ミヤマコゴメグサ(静高平)
 
    トリカブト(静高平)          セリ(静高平)      ミヤマコウゾリナ(センジガ原)
 
 ハクサンフウロ(センジガ原)   ニッコウキスゲ(光岳小屋)   イブキトラノオ(光岳小屋)
 
   シナノキンバイ(光岳)      タカネイバラ(光岳)        ハナニガナ(光岳)
 
    トモエシオガマ(光石)     タカネコウリンカ(光石)       イワオウギ(光石)
 
    ダイモンジソウ(光石)        ?(光石)             ?(光石)
 
  ミヤマムラサキ(光岳)      マルバダケブキ(喜望峰)         ?(喜望峰)
 
      ?(茶臼岳)        ミヤマコゴメグサ(上河内岳)   ウサギギク(上河内岳)
 
  ミヤマタンポポ(上河内岳)    カネスミレ(上河内岳)     エゾシオガマ(上河内岳)
 
  タカネツメクサ(上河内岳)    イワギキョウ(上河内岳)    イワツメグサ(上河内岳)
 
    ツマトリソウ(上河内岳)    コイワカガミ(上河内岳)   アオノツガザクラ(上河内岳)
 
  ハクサンイチゲ(上河内岳)   イチリンソウ?(上河内岳)    ナナカマド(上河内岳)
 
 キバナシャクナゲ(上河内岳)  ハクサンチドリ(上河内岳)  ミヤママンネングサ(上河内岳)
 
     ?(上河内岳)      タカネグンナイフウロ(上河内岳)   トリカブト(上河内岳)
 
 ミヤマアズマギク(上河内岳)   タカネナデシコ(上河内岳)  タカネマツムシソウ(上河内岳)
 
     ?(上河内岳)       ヨツバシオガマ(上河内岳)   マイズルソウ(上河内岳)
 
   ウスユキソウ(上河内岳)    シナノキンバイ(聖平)       タカネツメクサ(聖岳)
 
      ?(聖岳)           タカネシオガマ(聖岳)       チングルマ(聖岳)
 
    コケモモ(聖岳)      キバナノヤマオダマキ(西沢渡)     ?(西沢渡)
 
      ?(西沢渡)          ヒメシャジン(西沢渡)    フシグロセンノウ(西沢渡)

★ルート断面図
(1)易老渡〜易老岳〜光岳小屋

(2)光岳小屋〜易老岳〜上河内岳〜聖平小屋

★地  図(GPS軌跡)
(1)易老渡〜易老岳〜光岳〜易老岳〜P2352

(2)P2352〜上河内岳〜聖平小屋

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       塩見・赤石・聖岳
・2万5千分の1地形図  光岳、上河内岳

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