大下りではタカネナデシコがピンクの群落を作り、あまり人間を恐れないホシガラスがハイマツの松かさを盛んについばんでいた。為右衛門吊岩まで下ると眼前に大天井岳が迫ってくる。均整のとれたなかなか優美な山容だ。梯子場でコルまで下って少し登ると西岳をへて槍ヶ岳へ通じている喜作新道を右に分け、山腹を斜めにしんどい上り坂を30分ほど登ると大天荘だ。小屋の裏を10分ほど岩の道を登ると360度大展望の大天井岳山頂だ。今回の山行で最高点の海抜2921.9メートルだ。
(だんだん近づく大天井岳) (為右衛門吊岩) (大天井岳手前コル)
(槍ヶ岳分岐) (稜線を振り返る) (大天井岳の上り坂)
山頂からは遠く鹿島槍も見え、あす下る上高地方面も霞んで見えていた。大天荘からなだらかに下る稜線を常念岳に向かって進む。東天井岳肩の道標から眺めるこれから下る稜線の景観は抜群だ。肩から左のハイマツ帯の中を下り、さらにお花畑や岩角が現れる道を稜線に沿って下る。本当は常念岳が正面にある筈だが10時を過ぎた頃から雲が湧き横通(よこどおし)岳肩まで来た時には完全にガスに閉ざされてしまった。常念乗越までの下り坂では子連れ雷鳥がクーックーッと鳴いていたのが印象的だった。針葉樹林帯を抜けると常念小屋の建つ常念乗越だ。
ここから一の沢ルートで安曇野へ下ることができるが豪雨禍のため車が駐車場の5キロ手前までしか入らず、一に沢からの登山者が少ないようだ。なお、三俣ルートの林道も3ヶ所も崩落して更に長距離を歩く必要があるらしい。
(大天井岳から槍ヶ岳) (大天井岳から鹿島槍(右奥)) (大天井岳から上高地方面)
(大天荘) (大天荘荷揚げヘリ) (常念岳(右奥)へ続く稜線)
(東天井岳肩ピーク) (肩から稜線を望む) (お花畑を下る)
(稜線から東天井岳を振り返る) (常念に向かって稜線を下る) (高山植物をついばむ雷鳥)
(針葉樹林帯に入る) (常念乗越) (ガスった常念小屋)
★道端の花
コマクサ(蛙岩) ヤマハハコ(大下り) ヨツバシオガマ(大下り)
クモマグサ(大下り) ハクサンフウロ(大下り) ウサギギク(大下り)
イワオトギリ(大下り) タカネナデシコ(大下り) ヤマトリカブト(吊岩)
カンチコウゾリナ(吊岩) オオカサモチ(吊岩) マルバダケブキ(吊岩)
アキノキリンソウ(切通岩) ミヤマキンポウゲ(切通岩) ミヤマウイキョウ(切通岩)
ミヤマリンドウ(切通岩) イワツメグサ(切通岩) イタドリ?(大天井岳)
タカネツメクサ(大天井岳) イブキトラノオ(東天井岳) ?(東天井岳)
ミヤマコゴメグサ(東天井岳) トウヤクリンドウ(横通岳) ?(横通岳)
★ルート断面図
★地 図(GPS軌跡)
(1)燕山荘〜大天井岳 (2)大天井岳〜常念小屋
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)