暑寒別岳(1491.4m)南暑寒岳(1296.3m)

 

★ひとこと   「花の宝庫雨竜沼湿原を経て南暑寒岳から暑寒別岳へ」

南暑寒岳から暑寒別岳を望む

★行った日   2007年7月6日(金)  曇後晴朝のうち小雨  単独
          2007年7月7日(土)  晴             単独
        
★コース

(第6日)
えべおつ温泉4:06(道道)=4:46南暑寒荘5:06→第1吊橋5:18→白竜の滝分岐5:30→第2吊橋5:39→靴洗い場6:25→湿原展望台6:41→木道分岐6:48→木道合流7:16→7:32湿原展望台7:37→七合目8:04→八合目8:31→9:00(1296.3m)南暑寒岳9:10→最低コル9:46→ガレ場10:40→11:23(1494.4m)暑寒別岳11:40→ガレ場12:07→最低コル12:47→13:42南暑寒岳13:53→八合目14:12→七合目14:29→湿原展望台14:50→木道分岐15:00→木道合流15:27→湿原展望台15:32→靴洗い場15:39→第2吊橋16:15→白竜の滝上16:20→第1吊橋16:32→16:45南暑寒荘16:52(道道)=えべおつ温泉17:39
(第7日)
えべおつ温泉8:40(R12、R237、道道)=白金温泉11:30(道道、R237)=富良野(R237、道道)=白金温泉17:00

(第6日)
 昨夜半から降りだしたが天気予報では朝のうちにあがるとのご宣託だ。すでに明るくなった朝3時半起床、お握り朝食後天気予報を信じて小雨降る中を出発。南暑寒荘で登山記帳し下山時提出用のコピーを持ち環境美化協力金500円を支払ってそぼ降る雨のなか傘をさしていざ長丁場のスタートだ。トドマツやミズナラの混交林の続く林道を進み、幸いにも林道終点の第1吊橋付近で雨が完全にあがり橋を渡って山道を黙々と登る。白竜の滝を上から見て第2吊橋を渡り更に高度を上げる。10月中旬から6月中旬まで両吊橋の橋桁を撤去するそうだ。川に沿って山道を進みダケカンバが林の主体になる頃、遠くに湿原を見渡せる峠だ。緩やかに両側が笹薮の道を下ると湿原入口だ。ここから木道が始まる。外部の種子などを持ち込まないようにブラシのある靴洗い場があり、そのすぐ前が入口テラスだ。その先には湿原展望台が建ち、西方の湿原の彼方に左に南暑寒岳、右に暑寒別岳がなだらかな姿を見せている。


    (南暑寒荘登山口)     (緑豊かな林道を進む)      (第1吊橋は林道終点)

      (白竜の滝)          (第2吊橋を渡ると急坂)     (谷に沿って急坂を登る)

 (笹が現れると雨竜沼は近い)   (笹原をなだらかに下る)      (雨竜沼が見えてくる)

  (湿地入口の靴洗い場)       (湿地入口のテラス)      (湿地一面のワタスゲ)

 池塘の点在する湿地帯の木道を進むと分岐点があり、ここから時計回りの一方通行だ。この時期、湿地帯はエゾカンゾウの黄色い波頭とワタスゲの白い穂波が圧倒的だ。次に多いのがシナノキンバイ、ヒオウギアヤメ、ハクサンチドリが目についたが、ミズバショウは大きな葉っぱだけになっていた。木道合流点を過ぎて少し進み、湿地帯を抜けて緩やかに登ると左側に雨竜沼全体が見渡せる湿地帯展望台がある。展望台自体は崩落しかかっているので上がれない。登山道へ戻りダケカンバが点在する高原をなだらかに登る。道端湿地のサンカヨウは緑の実をつけている。7合目でやっと海抜1000メートル帯に入り、だんだん遠のく雨竜沼を振り返りながら進む。上から眺めると雨竜沼ほど広くないがあちこちに湿地が点在している。最後にちょっとした急坂を登りきると南暑寒岳だ。西北にはこれから登る暑寒別岳が優美な姿を見せている。

(左は南暑寒岳、右は暑寒別岳)    (点在する池塘)       (花盛りのエゾカンゾウ)

 (木道は時計回りの一方通行) (湿地終端からなだらかに登る) (湿地展望台からの眺め)

 
   (ダケカンバ帯を抜ける)       (笹原の道が続く)      (登山道から湿原を俯瞰)

  (南暑寒岳の稜線に出る)     (身近に迫る暑寒別岳)      (南暑寒別岳三角点)

 山頂からフィックスロープの設置された急坂を下る。南暑寒岳と暑寒別岳間は登り返しは厳しいが花も多く展望も素敵な変化のある稜線だ。コル辺りでは残雪が遅くまで残っていたらしく、サンカヨウは白い花をつけ、薄紫の花をつけたシラネアオイが群落を作り、ミズバショウやザゼンソウさえ咲き残っていた。コルから急坂を登り、支尾根伝いにアップダウンしながら高度を上げ、左が切れ落ちた急坂を登ると山上のお花畑だ。今の時期は白いエゾノハクサンイチゲ、黄色いシナノキンバイの花絨毯だ。小高い岩の上の小空間が暑寒別岳だ。増毛からの登山者に聞くと稜線に出るまでは大量の虫に悩まされたそうだが、雨竜からのコースでは殆ど見かけなかった。南暑寒荘の管理人によれば今年は水不足の傾向があって雨竜沼の水位が低く虫の発生が抑えられているそうだ。お蔭で折角持っていった網付き帽子の出番はなかった。帰りも同じ経路で下山したが南暑寒岳の急坂がきつく、疲れた身体に鞭打って数十メートル毎に休みながらやっと越える事ができた。あとはなだらかな下りばかりなのでルンルン気分で下ったが、好天に恵まれ往路6時間半復路5時間の山旅だった。管理人に入山届のコピーを提出してえべおつ温泉へ向った。
 暑寒別岳は今回の北海道シリーズの目玉の一つだ。湿地の草花が少し淋しかったが期待通りの山域だった。特に、溶岩台地上にそびえる南暑寒から暑寒別に至る稜線歩きがコースの変化、眺望、草花など素晴らしかった。
(第7日)
 きょうは移動日なのでゆっくり宿を出発、旭川経由で午前中に白金温泉に到着した。富良野、美瑛などを散策し明日に備えて体力回復に努めた。

             (南暑寒岳山頂から暑寒別岳周辺の溶岩台地を望む)

   (南暑寒岳から激下り)   (水平道から南暑寒岳を振り返る)(お花畑のある最低コル付近)

    (登ってきた稜線)       (これから登る急坂の稜線)      (ガレ場から見た稜線)

  (シラネアオイと南暑寒岳)       (山頂付近のお花畑)          (暑寒別岳山頂)

             (暑寒別岳から見下ろした溶岩台地の景観)

★道端の花

 
    タニウツギ(第1吊橋)       ?(第2吊橋)        ツマトリソウ(雨竜沼)
 
  ハクサンチドリ(雨竜沼)       ワタスゲ(雨竜沼)      エゾカンゾウ(雨竜沼)
 
     ワタスゲ(雨竜沼)      エゾノシモツケソウ(雨竜沼)      ?(雨竜沼)
 
   オオカサモチ(雨竜沼)     ヒオウギアヤメ(雨竜沼)       ?(雨竜沼)
 
      ?(雨竜沼)         カラマツソウ(雨竜沼)     コバイケイソウ(雨竜沼)
 
    イワイチョウ(雨竜沼)    セリバオウレン?(雨竜沼)    シナノキンバイ(雨竜沼)
 
      ?(雨竜沼)       チシマヒョウタンボク(雨竜沼)  ミヤマキンポウゲ?(雨竜沼)
 
オオバナノエンレイソウ(雨竜沼)  マイズルソウ(七合目)    ウラジロナナカマド(七合目)
 
   ウコンウツギ(七合目)        ?(七合目)           エゾイチゲ(七合目)
 
   ザゼンソウ(七合目)     オオバミゾホウズキ(八合目)     ?(八合目)
 
  ゴゼンタチバナ(八合目)   ハクサンボウフウ?(南暑寒)   ハイオトギリ(南暑寒)
 
     コケモモ(南暑寒)      サンカヨウ(尾根コル)       ツバメオモト(尾根コル)
 
 エゾノリュウキンカ(尾根コル) オオタチツボスミレ(尾根コル)  ミズバショウ(尾根コル)
 
   ザゼンソウ(尾根コル)     チシマアザミ(尾根コル)    ヨツバシオガマ(尾根コル)
 
 キバナノコマノツメ(尾根コル)      ?(稜線)             ?(稜線)
 
      ?(稜線)           チシマフウロ(稜線)      エゾシオガマ(稜線)
 
   ヒメイソツツジ(稜線)      ミツバオウレン?(稜線)     シラネアオイ(稜線)
 
   ショウジョウバカマ(稜線)   ミヤマサワアザミ?(稜線)       シシウド(稜線)
 
   マルバシモツケ(稜線)    ハクサンイチゲ(暑寒別岳)  キバナシャクナゲ(暑寒別岳)
 
  ミヤマオグルマ(暑寒別岳)    エゾツツジ(暑寒別岳)    ヒメイワタデ?(暑寒別岳)
 
       ?(稜線)          ミヤマオダマキ(稜線)      ミヤマクワガタ(稜線)
 
   アマドコロ?(尾根コル)   シロバナニガナ(第2吊橋)    ノリウツギ(第1吊橋)
 
   
 
 
 
 


★ルート断面図

★地  図(GPS軌跡)
(1)南暑寒荘〜湿地展望台        

(2)湿地展望台〜暑寒別岳

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・2万5千分の1地形図  暑寒別岳、国領

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