東海自然歩道 8 (笠置〜奈良)

 

★ひとこと   「笠置から歴史と石仏の柳生街道を経て奈良へ」

圓成寺(忍辱山)庭園

★行った日   2009年2月2日(月)  晴   単独
 
★コース

JR高槻駅6:27(JR)=新今宮=8:25JR笠置駅8:28→笠置寺山門前8:56→京都・奈良県境9:23→柳生9:40→芳徳寺9:49→疱瘡地蔵10:06→10:21峠10:29→おふじの井戸10:45→南明寺10:50→夜支布山口神社11:28→11:57休憩12:07→12:17圓成寺12:30→峠12:57→峠の茶屋13:27→石切峠13:31→13:56地獄谷石窟仏14:03→首切地蔵14:18→朝日観音14:30→夕日観音14:34→寝仏観音14:35→奈良公園分岐14:48→高円山登山口15:01→八坂神社15:16→祟道天皇陵15:53→16:00円照寺バス停16:12(奈良交通バス)=16:37JR奈良駅16:48(JR)=新今宮=JR高槻18:15

 日帰り圏の東海自然歩道8回目は笠置から柳生街道で奈良へ向う計画だ。大和路の柳生街道から山の辺の道にかけて、著名な歴史的遺跡や社寺などが点在する美しいルートだ。加茂まで電化されているので大阪から快速で直結、加茂からは非電化ながら高槻から笠置まで丁度2時間だ。2、3人の乗客とともに淋しい笠置駅に降りたった。
 人の姿を殆ど見ない街中を通り、笠置山登山口から遊歩道に入り、意外にきつい坂道を登ると笠置駅から約30分で笠置寺山門の石段下だ。ここで柳生方面に分岐して殆ど水平な山道を進む。すぐに笠置寺へ向う林道と合流し、林道を南下するとゴルフ場の西側に沿って伸びる道に合流して、ほどなく京都府から奈良県へ入る。柳生へ向って打滝川を南下、田園地帯を通って柳生の町並みに入る。十字路を直進し、芳徳寺の標識に従ってもみじ橋を渡り、急な石畳の道を上る。右下に砦跡のような公園を見ながら登り切ると柳生家菩提寺の芳徳寺だ。白塀の武家屋敷風の建物で、柳生家の居城だった所だ。桜並木の参道を下り、少し南下してから車道を横断して民家の横から山道に入る。道端の大きな花崗岩に刻まれた疱瘡地蔵を過ぎて峠を越えると南出の里だ。田圃道を下ると集落に入り、おふじの井戸と南明寺のそばを通る。前者は柳生宗矩と里の娘おふじとのロマンスが語り継がれ、後者には鎌倉時代の力強い寄棟造りの本堂がある。田園地帯を横切り、青少年の森のある雑木林を過ぎてしばらく進むと大柳生の氏神の夜支布山口(やぎうやまぐち)神社だ。ここからしばらく山中の上り坂が続き人家が現われると忍辱山(にんにくせん)町だ。すぐ先の圓成寺(えんじょうじ)は(拝観料400円)、全国でも屈指の庭園、流麗な本堂、国宝の鎮守社などを持つ名刹だ。

    (笠置山登山口)       (笠置寺下で柳生へ分岐)    (杉林の尾根道を行く)

  (ゴルフ場横の車道を下る)     (柳生市街を通る)       (芳徳寺へもみじ橋を渡る)

    (石畳の参道を上る)     (右下に見えるのは砦跡?)     (柳生家菩提寺の芳徳寺)


 (民家の横から山道に入る)       (疱瘡地蔵)         (峠越えの道を上る)

   (南出集落へ田園を下る)       (おふじの井戸)             (南明寺)

 (大柳生周辺の雑木林を行く)    (大柳生の田園を行く)       (夜支布山口神社)

  (忍辱山町へ坂道を上る)  (忍辱山町で車道に出合う)       (圓成寺本堂)


 忍辱山町からは、しばらく誓多林(せたりん)のなだらかな山の道だ。間伐の手入れのいきとどいた杉林を進み大慈仙(だいじせん)町からの車道と合流して、更に進むと上誓多林の集落だ。集落の少し先に古くからある今も現役の峠の茶屋がある。すぐ先の石切峠から地獄谷石窟仏へ向うべく左の山道に入る。急下降して険しい地獄谷を渡り、しばらく山腹を進むと道端に石窟がある。今も彩色が残る奈良時代後期の線刻された磨崖佛だ。奈良奥山ドライブウエーを横切って、すぐ先の新池で石切峠からの道と合流し、少し下ると赤いよだれかけをした端正な首切地蔵が建っている。ここから小滝が散在する渓流沿いの石畳の滝坂道だ。かつて奈良と柳生方面を結ぶ重要な古道だったそうだ。大木が茂る石畳道を下ると、道の右上方に朝日に輝く朝日観音、夕日に輝く夕日観音が岩壁に刻まれている。道端には剥がれ落ちた岩塊の寝仏がある。滝坂道は住宅地に入ってなおも下り、次の交差点で直進すると奈良公園だが左の天理方面へ向う。白毫寺(びゃくごうじ)を右に分け、雑木林を抜けたり、田圃を横切ったり、住宅地を抜けたりして標識通りに進むと鹿野園(ろくやおん)町だ。きょう通過してきた難読の忍辱山、誓多林、大慈仙、鹿野園は菩提山町とともにインドの五大仏教聖地からきた地名だそうだ。鹿野園の竹薮で標識を見間違えて少し迷ったが、新興住宅地を抜け田園地帯を通って祟道天皇陵を過ぎると間もなく円照寺バス停だ。JR帯解(おびとけ)駅へ向うつもりだったが、バスがすぐに来たのでで奈良へ戻り、JR奈良駅から帰阪した。
 真冬の柳生街道は、大河ドラマ「春の坂道」の喧騒も終わり静けさを取り戻した柳生界隈、名刹、圓成寺のたたずまい、静寂の石畳の続く滝坂道など、ハイキングシーズンにはない歴史を感じさせる落ち着いた道だった。

  (圓成寺の鎮守社(国宝))  (誓多林町の長い山道を歩く)   (今も営業中の峠の茶屋)

       (石切峠)         (急な丸太階段を下る)        (地獄谷を渡る)

      (地獄谷石窟仏)    (彩色が残る線刻された仏画)(新池で石切峠からの道と合流)

  (首切地蔵前の休憩所)       (首切地蔵)       (柳生と奈良を結ぶ古道、滝坂道)

   (沿道上の朝日観音)     (遥か上部の夕日観音)       (沿道そばの寝仏)

   (原生林の滝坂道)    (住宅街に入ると奈良分岐も近い) (鹿野園町の山裾を歩く)

  (竹薮も多い山の辺の道)   (あぜ道を行く山の辺の道)      (祟道天皇陵)

 
★道で出会った花

★ルート断面図

★地  図
(1)笠置〜南出(南明寺)     (2)南出(南明寺)〜中誓多林(府道出合)

(3)中誓多林(府道出合)〜奈良(円照寺)

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・2万5千分の1地形図  笠置山、柳生、奈良、大和郡山

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