東海自然歩道 9 (奈良〜桜井)

 

★ひとこと   「帯解から古代史の香り豊かな山の辺の道で桜井へ」

古墳公園の白川溜池

★行った日   2009年2月6日(金)  曇後晴   かみさんと2人
 
★コース

JR高槻駅6:38(JR)=新今宮=8:42JR帯解駅8:28→帯解寺8:45→正暦寺分岐9:23→弘仁寺9:44→10:13和爾小倉谷古墳群10:19→11:25石上神社11:46→永久寺跡11:58→夜都岐神社12:24→竹之内町(環濠集落)12:38→波多子塚古墳12:49→大和神社御旅所13:05→長岳寺13:20→崇神天皇陵13:29→櫛山古墳13:32→景行天皇陵13:56→14:33桧原神社14:39→玄賓庵14:43→狭井神社15:00→大神神社15:10→平等寺15:25→金屋の石仏→海柘榴市跡15:35→馬井手橋15:42→16:07桜井駅16:35(近鉄)=鶴橋=JR高槻駅18:03

 日帰り圏の東海自然歩道9回目は帯解(おびとけ)から山の辺の道で桜井へ向う計画だ。東海自然歩道の中でも最も平坦で歴史ロマンに満ちたハイキングコースなので、上り坂の苦手なかみさんと共に出かけた。高架工事中のJR奈良駅の地上ホームから発着している桜井線の難読駅名、京終(きょうばて)の次が帯解だ。
 帯解駅のすぐ近くの、戌の日に着帯の安産祈願によく詣でられる帯解寺に立ち寄り、子供らが無事成長したことを感謝。街中を抜け左に若草山を眺めながら田園地帯を東進、さらに、生駒山を背にして車道を進む。正暦寺への道を左に分けて誤ってバイパス路を進み、途中で順路に戻るべく集落に入ったがすぐに右へ戻り、バイパスを横切って石段を上ると虚空蔵菩薩を本尊とした弘仁寺だ。そのまま直進して雑木林を下り虚空蔵の集落に出る。三叉路を右へ5分ほど下るとトイレがあるが順路は左だ。道なりに進み、左側に大きなグランドが広がる車道を下ると古墳公園だ。白川ダム建設時に発掘調査された和爾小倉谷(わにおぐらだに)古墳群があり、ダムの白川溜池が美しい公園になっている。池の西側の遊歩道を進み、西名阪国道をくぐって竹林や柿畑の丘を越えると天理教の建物が林立する街中を通る。次の信号を左折して少し進み、標識に従って山裾の遊歩道に入る。教団の建物の裏の山裾の道を進み、車道を横切ってから石畳の道をなだらかに上ると石上(いそのかみ)神宮だ。国宝の建造物や宝剣を有する日本最古の社寺だそうだ。境内には鶏が放し飼いされ、木に群れている鶏の長啼き声が響き渡っていた。社叢を抜けると、かつて石上神宮の神宮寺として栄えた永久寺跡だ。遠く右には金剛山から二上山へと続く山並みを眺めながら柿畑の山麓を進み、夜都伎(やとぎ)神社を過ぎてイチゴ栽培の温室群の畑地を行くと環濠(かんごう)集落の竹之内町だ。戦国時代、動乱期の自衛手段として集落を囲った堀が現在灌漑用溜池として断片的に残っている。

     (JR帯解駅)            (帯解寺)       (左に若草山を眺めつつ東進)

(生駒山を背に正暦寺分岐付近)     (弘仁寺)          (虚空蔵町の山裾を行く)

(和爾小倉谷古墳群の古墳公園) (古墳公園の白川溜池)      (西名阪道をくぐって南下)


 (柿畑を下って天理へ向う)  (天理教建物群の裏道へ入る)  (天理教本部の山裾を行く)

(石畳の道を裏から石上神宮へ)(物部氏の氏神、石上神宮)   (境内にたむろする鶏群)

 (境内の清々しい林を抜ける) (芭蕉の句碑もある山里を行く)   (柿畑の山裾を行く)

     (竹之内町辺りから東方の左から金剛山、大和葛城山、二上山、信貴山、生駒山)

    (夜都伎神社)           (竹之内町界隈)         (環濠集落の名残)


 環濠が散見される次の萱生(かよう)町を過ぎ、竜王山を左に見て古墳の多い丘陵地帯の遊歩道をなだらかに進む。衾田陵(ふすまだのみささぎ)への道を左に分け、大和(おおやまと)神社御旅所を過ぎると赤い岩肌の岩塊に数本の木がしがみついて生えている所が長岳寺前だ。山門を入って桜並木の参道を東進すると本堂だが拝観を省略。霊園の下を下り北別所の集落を過ぎると崇神天皇陵の裏のお堀ばただ。すぐ東の櫛山古墳の山裾からは大和三山の耳成山(みみなしやま)、畝傍山(うねびやま)、天香具山の山裾だけ、が眺められた。景行天皇陵の裏を過ぎてハッサクや干し柿、大根などの無人販売所の多い山の辺の道を進み、車道を横断してなだらかに山裾を上ると桧原(ひばら)神社だ。社叢で一服後、謡曲「三輪」の舞台となった玄賓庵(げんぴあん)を過ぎて緑の石畳の道を行くと狭井(さい)神社だ。拝殿の裏には御神水が湧き、前には三輪山への登山口(要拝観料)があるがきょうは受け付け終了だ。少し下ると立派な社屋の大神(みわ)神社だ。ここから山沿いに小道を南下すると、ふさふさとした猫が番をする平等寺があり、夕日に照らされた庭園と二重の塔が素晴らしい。竹林の小道を下り、竜門岳を正面に見て更に進むと粘板岩に浮彫りにされた金屋の石仏だ。この前を通り、古代の市場跡といわれる海柘榴市(つばいち)跡を経て大和川河畔に出る。馬井手橋を渡って、歴史街道山の辺の道のタイル表示を頼りに約2キロ弱進むと近鉄桜井駅だ。ここから鶴橋経由でJR高槻まで1時間半だ。
 少し寒かったが好天に恵まれ、初めての山の辺の道を楽しむことができた。特に、天理を過ぎると車道歩きが少なくなり、文字通り山の辺のなだらかな遊歩道を古墳や社寺を散策しながら歩く素晴らしい道だった。

 (古墳の多い丘陵地帯を行く) (古墳に築かれた霊園を行く)   (竜王山の山裾を行く)

    (長岳寺の桜並木)         (長岳寺)          (崇神天皇陵裏をたどる)

(耳成山(右)畝傍山(左)と崇神陵)     (櫛山古墳)       (景行天皇陵の裏道を行く)

(無人販売所の多い山の辺の道)(大神神社の摂社、桧原神社) (玄賓僧都が隠棲した玄賓庵)

      (狭井神社)             (大神神社)           (平等寺)

    (平等寺の主)         (竹薮の遊歩道を下る)      (金屋の石仏)

  (古代の市、海柘榴市の跡)    (桜井市の路面表示)        (近鉄、桜井駅)

 
★道で出会った花

★ルート断面図

★地  図
(1)奈良〜竹之内町(環濠集落)          (2)竹之内町(環濠集落)〜桜井

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・2万5千分の1地形図  大和郡山、桜井

Homeへ