東海自然歩道 21(南郷〜信楽)笹間ヶ岳(433.0m)太神山(599.7m)


★ひとこと   「南郷洗堰から太神山、田代を経て紫香楽宮跡へ」

紫香楽宮跡

★行った日   2010年1月15日(金)  晴後曇   単独
 
★コース

JR高槻駅6:38(JR)=JR石山駅7:28(京阪バス)=南郷洗堰7:48→新茂智神社8:19→図越池8:30→林道出合9:00→9:18(433.0m)笹間ヶ岳9:26→大谷河原9:52→御仏河原10:04→林道出合10:27→迎不動10:40→林道別れ10:51→泣不動11:23→11:27矢筈ヶ岳分岐11:35→不動寺分岐11:49→(599.7m)太神山11:58→不動寺分岐12:05→林道始点12:11→県道合流12:55→13:07三筋ノ滝13:14→県道別れ13:35→13:56林道出合14:02→林道別れ14:42→黄瀬バス停15:11→15:23紫香楽宮跡15:43→15:55紫香楽宮跡駅16:04(信楽高原鉄道)=JR貴生川16:33=JR高槻17:43

 日帰り東海自然歩道21回目は、昨年に南回りで養老まで行ったが、北回り未踏部分の石山から柘植までを2回に分けて歩く予定だ。一日目のきょうは南郷洗堰を振り出しに、関津(せきのつ)から東海自然歩道の迂回路で笹間ヶ岳を経て、田上から来た東海自然歩道と合流し、太神(たなかみ)山、田代を経て紫香楽宮跡(しがらきぐうし)までたどる計画だ。JR石山駅から大石方面行きの京阪バスで南郷洗堰下車、東海自然歩道5回目(大津〜宇治)の石山から別れる北回りルートに出発した。
 晴れだが肌寒い寒風に吹かれつつ南郷洗堰を渡り、次に大戸川(おおどがわ)を渡って軽四がぎりぎり通れるような農道を道なりに直進する。関津の集落を過ぎると山岳地帯に入り、新茂智(しんもち)神社を過ぎて林道を東海自然歩道の表示に従って進み、図越池から自然林の山道に入る。風化した花崗岩の砂岩のようなV溝を通ったりしながら高度を上げ、展望のよい岩稜帯を瀬田川下流を眺めながら登ると舗装林道に出合う。林道を横切ってさらに登りつめると祠が現れ、その奥の梯子のかかった八畳岩が笹間ヶ岳の見晴のよい山頂だ。瀬田川流域が足下に広がり、彼方にポンポン山や比叡山が霞んでいたが比良山系は雪雲の中だ。岩の下にある三角点を確認してから東尾根をたどると林道広場に出合う。かつて、この山域は樹木が茂っていたが立地条件のよさから社寺建立のために伐採され今の姿になったそうだ。その緑を回復するための植樹記念碑が広場に建っている。表示通りに山道を進むと砂原に樹木がまばらに生えた大谷河原だ。乗っても割れないくらいの厚い氷の張った池の端を通ってしばらく進むと御仏河原の矢筈ヶ岳へ向かう分岐点だ。この辺りの地形は複雑で地形図から現在位置を判断するのは至難の業だ。左の東海自然歩道を下ると明治に作られた石積みの堰堤がある。この地域は昔から治山治水に力を入れてきたようだ。しばらく御仏河原の核心部、凍った水がまとわり付いた岩稜帯が見事な谷間が続く。谷間を下りきると、田上から来た東海自然歩道と合流する。堂山へ登る道を左に見て林道をしばらく進むと、立派な祠に祀られた迎(むかえ)不動だ。

     (新茂智神社)         (竹林の林道を行く)     (自然林をなだらかに登る)

    (砂岩帯のV溝を進む)      (展望のよい岩稜を登る)    (瀬田川下流の大石方面)

     (砂岩帯を登る)      (祠の奥の大岩の上が山頂)   (八畳岩が笹間ヶ岳頂上)


                 (笠間ヶ岳から西南〜西〜北を望む)


   (松林の尾根道を行く)    (大谷河原の湖沼群の一つ)   (明治時代の御仏堰堤)

   (御仏河原を下る)      (東海自然歩道の林道と合流)        (迎不動)

 林道をしばらく道なりに進み、車止めの鎖を過ぎるとすぐに林道と別れて遊歩道に入る。谷を渡ってしばらく水平道を行くが、すぐに砂岩の急坂上りとなり、西には瀬田川の彼方に音羽山が連なり、右には堂山の岩角が見えている。林道と別れてから約30分で泣不動だ。ベンチもある休憩の適所だ。矢筈ヶ岳への道を右に分け、しばらく直進すると不動寺の二尊門だ。大杉の茂る薄暗い参道を上り、田代へ下る順路を左に分けると直ぐに不動寺だ。急な石段を上りつめると本堂と胎内巡りの大岩があって、その直ぐ先が奥の院のある三角点だ。無事を謝して、早々に山頂を辞して田代方向へ下り始めた。約1時間の林道歩きに飽きた頃、やっと県道に合流し、宗教施設を通りこした先にあるのが三筋ノ滝だ。渇水期の今でもなかなか立派な滝で、休憩施設もある休憩の適所だ。滝から左岸に渡ってしばらくさわやかな樹林を流れに沿って下り、次に現れる吊橋で右岸に戻るのが順路だが、間違って県道をそのまま進み、吊橋の所から合流して秀明信楽の里の遊歩道をたどって県道に出た。田代集落から東海自然歩道の標識通りに左折して山道を黄瀬(きのせ)へ向かった。峠を越えると林道に合流し、約3キロの長い舗装林道歩きを経て、リサイクルセンターの手前から黄瀬へ向かうべく左折する。道なりに下ると黄瀬の集落に入り、標識通りに内裏野橋で大戸川を渡り、丘陵地帯へ登る小道を直進する。丘陵地帯を過ぎると東屋の建つ信楽路傍休憩所があり、その直ぐ先が紫香楽宮跡だ。八世紀の寺院の礎石が松林の中に行儀よく並んでいる。ここから信楽高原鉄道の紫香楽宮跡駅はすぐだ。丁度やって来た本数の少ないディーゼルカーで貴生川駅を経て順調に帰阪した。
 晴天だが時々雪のちらつく肌寒い一日だった。林道をたどることの多いルートだが、笹間ヶ岳の岩稜地帯の眺めがすばらしく、御仏河原の氷に覆われた岩肌も興味深かった。三筋ノ滝は何時もよく通る道端にあるが、じっくり見るのは今回初めてでなかなかのものだ。この種の遺跡に個人的にはあまり興味はないのだが、紫香楽宮跡では一人で佇んでいると何か聞こえてくるような気がするのは感傷的過ぎか?

  (林道終点から遊歩道へ)   (南郷の彼方の音羽山を望む)    (丸太階段が続く)

       (泣不動)           (不動寺の二尊門)     (奥の院の建つ太神山頂上)

 (長い長い林道歩きが始まる)  (意外に立派な三筋ノ滝)      (三筋ノ滝休憩所)

    (田代の県道別れ)          (立ち枯れ杉林)       (まだまだ続く林道歩き)

  (黄瀬の内裏野橋を渡る)     (松林の丘陵を進む)       (紫香楽宮跡)

 (栄華を偲ばせる沢山の礎石)    (礎石の復元図)       (何もない紫香楽宮跡駅)

★道で出会った花(花はなし)

★ルート断面図

★地  図
(1)南郷〜泣不動

(2)泣不動〜田代                  

(3)田代〜紫香楽宮跡

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)


(参考地図)
・2万5千分の1地形図  瀬田、朝宮、三雲、信楽

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