東海自然歩道 22(信楽〜柘植)岩尾山(471.1m)


★ひとこと   「信楽から岩尾山を経て滋賀、三重県境をぬうように柘植へ」

岩尾池に映る岩尾山

★行った日   2010年2月13日(土)  曇時々晴   単独
 
★コース

JR高槻駅6:38(JR)=8:05JR貴生川8:08(信楽高原鉄道)=8:22紫香楽宮跡駅8:25→水準点ピーク8:42→峠9:30→10:04休憩所(新田)10:11→岩尾山分岐10:36→息障寺11:03→(471.1m)岩尾山11:23→11:35展望台11:42→岩尾山分岐12:06→展望休憩所12:24→昭和池12:36→明王寺13:13→14:03伊勢廻寺14:12→天満宮15:20→15:49休憩15:57→余野公園16:32→東海自然歩道分岐16:45→17:11JR柘植駅17:14=JR高槻18:41

 日帰り東海自然歩道22回目は、前回に続き北回り未踏部分の信楽から柘植まで歩く予定だ。信楽の黄瀬(きのせ)を出発点に、岩尾山から忍者の里、甲賀を経て滋賀、三重県境をぬうように丘陵地帯を通って伊賀の余野公園に至るルートだ。JR貴生川駅から本数の少ない信楽高原鉄道に乗り、曇り空の肌寒い紫香楽宮跡駅に降り立った。降りたのは2人だけの何もない寂しい駅だ。
 踏み切りを渡って山側へ入り、道標に従って雑木林の尾根道を登ると視界が開け、振り返ると黄瀬の集落が広がり新名神が山裾に伸びている。水準点のある峠からの展望もよく、美しい疎林帯の尾根道が続いている。坂を下って、巨大な新名神の橋脚をくぐると、隼人(はやと)川とともに新たに付け替えられた遊歩道を進む。表示によれば、新名神掘削時にでた自然石で隼人川の護岸を作り、遊歩道に沿って穴太(あのう)積みの伝統技法で作られた石垣が伸びている。新名神から離れるとしばらく林道が続く。度々、分岐が現れるが都度道標があるので迷うことはない。新田の集落に入るとバス停前に休憩所があり、そのまま直進すると逆さ岩尾山を映す岩尾池だ。この先の大沢池とともに灌漑用の堰き止め池だ。車道を離れて右岸沿いの遊歩道を進み、トンネルを過ぎると大沢池だ。ここで東海自然歩道と別れて岩尾山へ向かうべく直進し、岩尾山案内図の立つ息障寺(そくしょうじ)入口から車道を進む。しばらく上り、山茶花の並木の芭蕉翁旧跡碑の所から自然石の連なる参道に入ると息障寺本堂はすぐだ。岩尾山は巨岩が多く、急な石段を上ると磨崖佛を目にすることができる。室町時代初期に彫られたものらしく岩尾不動とも呼ばれている。巨石の崩落を防ぐため表面に金網が取り付けられているのが惜しい限りだ。雪雲がかかって展望はいまいちだったが、石段の上の展望台から伊賀の里、遠くに笠取山や霊山がかすかに望めた。ここから尾根伝いに山道を10分位たどると視界のない岩尾山三角点だ。松茸山なのでシーズン中は入れないそうだ。大沢池まで戻り、順路をしばらく進むと峠の展望休憩所だ。甲賀の里とその彼方に山頂は雲に隠れているが白い山肌をした南鈴鹿の峰々が雄大に連なっていた。

  (何もない紫香楽宮跡駅)  (見晴しのよい雑木尾根を登る) (信楽の黄瀬を振り返る)

    (新名神に沿って進む)      (穴太積みの石垣もある)    (典型的な林道を行く)

  (新田バス停前の休憩所)      (大沢池に映る岩尾山)   (池畔の遊歩道を行く)

 
   (大沢池横の休憩所)         (岩尾山入口)            (息障寺)

  (急な長い石段を上る)       (南鈴鹿の展望台)         (岩尾山三角点)

   (峠の展望休憩所)        (甲賀と南鈴鹿が一望)        (丸太階段を下る)

 丸太階段の尾根道を下ると静かなたたずまいの昭和池だ。この辺りは灌漑用のため池が散在している。次のため池の堤防から眺める上磯尾の山里の風景が美しい。伊賀牛が牧草を食むのを眺めつつ上磯尾の集落を道標通りに通り抜けると庭園の綺麗な明王寺だ。明王寺の裏山を抜けて、しばらくい行くと滋賀、三重県境で県道を横断するが三重県には入らない。少し先の丘陵地帯には草地が広がって休憩所もあり、その向こうには工業団地?が見えている。打ち捨てられた竹薮もある自然林の道を進み、県道を横切って回り道をした後、再び県道に戻ると休憩ベンチもある伊勢廻(いせば)寺だ。しばらく下馬杉の山村をぬう道だが、すぐ県道に出て約1キロの歩道のない交通量の多い最悪の県道歩きだ。やっと三重県側の丘陵の山道に入り、猪除けの金網に沿った道を県境に沿って進む。表示によればその昔、伊賀忍者が駆け抜けた道らしい。稜線から前方にだいぶ大きくなった霊山、右には遠くに尼ヶ岳やごつごつした倶留尊山、更には台地状に見える山塊の右端に笹ヶ岳が見えていた。金網を出たり入ったりしながら自然林の丘陵の稜線を進み、小さな天満宮のお社前へ下って東湯舟の集落に入る。天満宮には20、30匹の野猿が走り回っていた。ガードレールを叩いて猿を追っ払っていた小母さんが、畑の作物を荒らすのをしきり嘆いていたが、増えすぎた野生動物問題を実感!。県道から再び県境沿いの山道に入り、ゴルフコースに沿った山道を進む。芝生越しに油日岳や真っ白な雨乞岳を眺めながら先を急ぎ、JR草津線の向こう側がやっと目的地の余野公園だ。ここから柘植駅まで直線的な道はなく、東側か、西側を迂回して、線路の倍の距離だ。南回りの東海自然歩道と合流する経路を急ぎ、柘植駅に計画通りに到着した。
 時には小雪のちらつく寒い日で、南鈴鹿の山々は終日雪雲に閉ざされている一日だった。信楽から歩き始めに通る尾根道、岩尾不動の息障寺の巨石群、甲賀の里が一望できる展望所、忍者が駆け抜けた県境尾根道など興味の尽きないルートだ。全経路にわたって道標が完備し高低差の少ない歩き易い道だ。

               (昭和池、この辺りは灌漑用のため池が多い)


    (散在するため池)      (池堤防から上磯尾の山里)       (明王寺)

     (県境を横断)        (広々とした丘陵を進む)    (荒れ果てた竹薮も多い)

   (ベンチもある伊勢廻寺)       (近づく霊山)        (尼ヶ岳(左)倶留尊山(右))

  (伊賀忍者が駆けた道)          (笹ヶ岳(右))       (数十匹の猿がうろつく天満宮)

  (このような道標を見て歩く)   (何度も県境を横断する)    (ゴルフ場に沿って進む)

 (ゴルフ場越に真っ白な雨乞岳)    (余野公園)         (東海自然歩道分岐)

★道で出会った花(花はなし)

★ルート断面図

★地  図
(1)南郷〜泣不動

(2)泣不動〜田代                  

(3)田代〜紫香楽宮跡

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)


(参考地図)
・2万5千分の1地形図  三雲、信楽、甲賀、鈴鹿峠

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