京都一周トレール(5)
京北コース(細野〜茶呑峠〜常照皇寺〜上黒田)


★ひとこと   「周山を中心として細野から上黒田へ山里を半周」

雪の滝又ノ滝

★行った日   2010年3月30日(火)  晴一時曇   単独
 
★コース(画像タイトルの数字はその場所の標識番号を示す)

阪急高槻駅7:07(阪急)=四条大宮8:00(JRバス)=9:08細野9:15→滝又ノ滝9:49→余野10:25→伏見峠10:38→大森西町10:47→11:06牛ヶ滝分岐11:18→茶呑峠11:40→鳴野堂跡12:04→鳴野堂二石仏12:09→天童山分岐12:38→12:46神社12:53→亀ノ甲橋13:09→常照皇寺前13:47→13:54ベンチ14:02→中野橋14:27→掛尾峠14:48→(桂川沿い)→15:48上黒田バス停16:27→宮坂峠16:33→17:14井戸バス停17:18(京北バス)=周山17:40(JRバス)=四条大宮19:01(阪急)=阪急高槻駅19:19

 今月27日に新開設された京都一周トレール「京北コース」を早速歩くつもりだ。「京北コース」は既存の京都を周回する「東山コース」「北山コース」「西山コース」とは独立し、周山を中心に山里を一周するコースだ。前半のきょうは北山杉の里、細野から天童山麓の茶呑峠、常照皇寺を経て上黒田へ向かう計画だ。昨日は市街地は雨だったが、阪急の車窓から望む西山や愛宕山は珍しい春雪により朝日を浴びて真っ白に輝いていた。雪化粧した沿道の風景に見とれながら約1時間のバスの旅で細野だ。バス停でスパッツを付けて勇躍出発だ。
 一番目の道標に導かれて旧細野小学校を通り抜け、山田谷沿いの林道を進み、すぐに橋を渡って轟谷の山道に入る。ベタ雪のため倒れ掛かる枝を払いのけ、落ちてくる爆弾に辟易しつつ、4、5箇所もある細い橋を慎重に渡って進むと、出発して約半時間で滝又ノ滝だ。谷奥にかかる2段になった可愛らしい滝だ。道標に従って、滝の手前の丸太階段を上って滝を巻き、轟谷をさかのぼると、林道となり道なりに進む。幾つか分岐するが道標があるので迷うことはない。この辺りで本日最初で最後の単独行の男性と会い挨拶を交わす。この山域の隠れた滝を巡っているそうだ。峠を過ぎて北山杉の中を緩やかに下ると雪景色の綺麗な余野の集落が見えてくる。害獣フェンス扉を開閉し、集落の車道と合流して北上、伏見坂の標識通りに右折する。雪がなければここを直進して射撃場方向へ向かい、東俣を経て茶呑峠へ出る計画だったがベタ雪の山道を嫌って本来のコースをたどることにした。伏見峠から時折姿を見せる桟敷ヶ岳を正面に見ながら下ると大森西町だ。

  (雪景色の細野バス停:1)    (京北コースの標識:1)    (旧細野小学校を出発:1)

     (林道に入る:2)     (橋を渡って遊歩道に入る:3)    (雪の遊歩道を行く)

    (4、5回沢を渡る)       (右の奥が滝又ノ滝)       (丸太階段を上る)

      (林道に合流)       (北山杉の林道を行く:6)        (余野の集落:8)

    (伏見坂分岐:10)          (伏見峠:11)      (峠の下りから桟敷ヶ岳:12)


 集落を出て、正面に天童山や反射板の建つ白銀の峰を見ながら北へ進み、林道はやがて杉林に吸い込まれる。牛ヶ滝へ向かう林道を右に分け、雪道を直進すると地蔵祠のある茶呑峠だ。左は東俣、右は天童山、直進は稲荷谷を経て周山、斜め右が順路の鳴野堂(なきのどう)へ向かうトラバース道だ。北山杉の間を行く美しい道だ。木の間から西方に次回に通る黒尾山がちらちら見えている。台地のみ残る鳴野堂を過ぎると、峠で稲荷谷とハングライダー基地を結ぶ林道と交差し、その少し先あるのが鳴野堂二石仏だ。江戸時代中期にここには茶店もあって小浜街道として賑わっていたそうだ。峠から雪で倒れかかった木々をかき分けながら竜ヶ坂の急坂をジグザグに下る。杉林の中をなだらかに下るが、北に長老ヶ岳が樹間から見えたり、あまり大きくない台杉の並ぶ所もあって退屈しない。やがて天童山への道を右に分け、賀茂神社?を右に見ながら下り、フェンス扉を2ヶ所通過すると中江の集落だ。山沿いの残雪の道を通って、亀ノ甲橋で桂川を渡ると比賀江でR477に出合う。天童山を振り返るとハングライダーが気持ち良さそうに上昇気流に浮かんでいるのがうらやましかった。

    (大森西町:13)       (集落はずれから天童山)   (牛ヶ滝分岐付近を行く:14)

   (五差路の茶呑峠:15)  (茶呑峠からトラバース道へ:15)   (北山杉の道を行く)

(木の間から次コースの黒尾山)      (鳴野堂跡:16)      (鳴野堂二石仏:18)

 (木の間から見える長老ヶ岳)    (立ち並ぶ小型台杉)         (天童山分岐)

     (林間の神社)     (幾つもある害獣フェンス扉:22)     (亀ノ甲橋:26)

 しばらくR477を進み、長池から国道と分かれて光厳古道の桂川右岸沿いに進む。河原のような藪っぽい岸辺を通ってフェンスを抜けると山稜橋たもとの山国御陵前バス停だ。周回ルートは常照皇寺の前から井戸峠へ向かうが、ここから上黒田へ向かう道は周回から別れた片道コースだ。御陵橋を渡ってすぐ左折し、トイレもある綺麗な休憩所を過ぎて左岸に沿って進む。やがて江口橋の手前で河川敷に下って橋をくぐり、しばらく左岸に沿った細道を行き、中野橋でR477に合流する。増水時には江口橋を渡って国道を利用するよう注意している。R477の少し先で掛尾峠に上る山道に入る。最初は細い道だがすぐにしっかりした道が現れ、掛尾峠を過ぎると急坂の林道で国道に出合う。国道のショートカットだが急ぐ時は国道の方が早そうだ。左岸に発電所を見ながら右岸沿いに国道を進み、下黒田のトンネル西口から本来のルートを離れて桂川に沿った旧道に入る。午後3時頃にあると思っていたバスが木曜日のみのため、後2時間も余ったため遠回りだ。山里を迂回してもさほど時間がかからずに上黒田到着だ。春日神社の百年桜もまだ硬い蕾だ。掲示によれば突然変異種で、八重の中に一重が混じり、紅色の大輪が手鞠のようにかたまって咲くそうだ。バス停前の茶店で乾杯後、時間が余っているので少し歩いて戻ることにした。正常ルートのトンネル手前から鳥居をくぐって宮坂峠を越え、灰屋へ続くトロー峠への道を左に分けて下るとトンネル西口だ。ここからR477をひたすら戻り、井戸バス停でやっとバスの時刻だ。やってきた中型バスの乗客は周山まで僕1人だけだ。バス便数が少ないのも当然だ。周山から四条大宮を経て順調に帰阪した。
 きょうは思いがけない雪景色に恵まれ、薄化粧した山里が美しかった。常照皇寺や百年桜など桜の名所を通るルートだが、桜の季節以外でも、北山杉が並ぶ山道、歴史を感じさせてくれる古道、静かな山里の風景など、素晴らしい山里周回ルートだ。

 (道なき桂川右岸河原を通る)      (常照皇寺前:34)     (桂川左岸から常照皇寺方面)

 (桂川左岸河川敷を行く:K4)     (桂川左岸の細道を行く)   (R477合流点の中野橋:K8)

    (掛尾峠登り口:K9)       (意外に広い杣道を行く)       (掛尾峠:K11)

   (裸地の急斜面を下る)     (R477に合流:K13)   (コースを通らず桂川左岸を行く)

   (上黒田へ桂川を渡る)      (上黒田100年桜:K19)      (宮坂峠入口:K18)

    (トンネル西口:K15)    (発電所付近のR477を戻る:K13)   (井戸バス停)

★道で出会った花(京都一周トレール(6)にまとめて記載)

★ルート断面図

★地  図
(2)竜ヶ坂〜上黒田

(1)細野〜竜ヶ坂
 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)


(参考地図)
・山と高原地図       京都北山
・2万5千分の1地形図  周山、上弓削

Homeへ