不動岳(2595.0m)南沢岳(2625.3m)烏帽子岳(2628m)


★ひとこと   「裏銀・読新第3日:船窪小屋からアップダウンの道で烏帽子小屋へ」

三ッ岳から烏帽子岳(中央)立山(奥)を望む

★行った日   2010年7月21日(水)  晴一時曇   単独
 
★コース

(第3日)
船窪小屋5:12→テント場5:31→水場→テント場5:53→船窪乗越6:32→6:54(船窪岳7:01→8:26(2459m)船窪岳第2ピーク8:40→9:10P2299 9:16→9:56P2341 10:06→11:32(2595.0m)不動岳11:50→12:41南沢乗越12:47→13:48残雪13:53→13:56(2625.3m)南沢岳14:07→四十八池14:36→烏帽子岳分岐15:12→(2628m)烏帽子岳15:38→烏帽子岳分岐15:57→前烏帽子岳16:18→烏帽子小屋16:34

 第3日は船窪小屋から不動沢の崩落崖の縁をなぞるように不動岳を経て、南沢岳、烏帽子岳経由烏帽子小屋に至るルートだ。今回随一のアップダウンある厳しいコースだ。昨晩は10人程度の泊り客だったので熟睡でき、元気を回復し、おかみさんに見送られて鐘の音と共に小屋を後にした。
 船窪小屋を振り返りながら昨日の道を引き返し、烏帽子岳分岐を直進。朝日に照らされた立山を正面に見てダケカンバの道をなだらかに下り、最後の長いハシゴ場を過ぎるとテント場だ。テントのSaさんは出発した後のようだ。ここから読売新道の終わりまで水場がないのでしっかり汲むことにし、水場表示に従って草むらを下り、崩壊壁面をロープを頼りに急下降すると不安定な水場だ。水汲みに下りて来たSuさんと入れ違いにテント場出発だ。一昨日と同じ水満タンの15キロリュックだが、足元が雪渓の様に不安定ではないので何とか歩けそうだ。曲がりくねったダケカンバを避けるように崖の上縁を下るが、樹木の隙間から稜線の左には槍ヶ岳、三ッ岳、不動岳、右には立山が朝日に輝いていた。船窪乗越で針ノ木谷への道を右に分け、不動沢を崩落面で囲むように続く稜線を登る。不動沢の源頭にあたる稜線から南を見ると高瀬ダムの彼方に槍ヶ岳が鮮やかだ。船窪岳を過ぎて両側が切れ落ちた馬の背を渡って、崖上をしばらく登ると船窪岳第2ピークだ。SaさんSuさんとも落ち合ってしばらく談笑だ。稜線はここから不動沢と平行して南下する。丁度、船窪小屋と不動沢を挟んで対岸にあたり、これまで歩んできた針ノ木岳-蓮華岳-北葛岳-七倉岳の稜線がアップダウンを繰り返しながら続いているのが望めた。一旦、鞍部まで下ってから目の前にそそり立つ不動岳への登りだ。

              (船窪小屋裏山から南の朝日に輝く北アの山々)

(小屋を鐘の音に送られて出発)  (烏帽子岳分岐を直進)   (長いハシゴを下るとテント場)

 (テント場から水場へ向かう) (水場は崩落崖の急斜面にある)(崩落額崖の縁をたどって下る)

(稜線から槍ヶ岳(左)不動岳(右))    (稜線から立山)       (船窪乗越の針ノ木谷分岐)

(尾根の小さなピークが船窪岳)  (高瀬ダムの向こうに槍ヶ岳)  (両側が切れ落ちた谷渡り)

    (船窪岳第2ピーク)         (樹林帯を進む)    (不動沢側の崩壊地の縁を行く)

       (稜線から通ってきた針ノ木岳-蓮華岳-北葛岳-七倉岳の尾根を望む)

 樹林帯に入ったり崖上に出たりしながらロープ場もある道を登り、ハイマツ帯を過ぎて大岩を乗越えるとその先が不動岳頂上だ。折悪しくガスがかかり始め立山以外は雲の中だ。山頂からハイマツ帯を下るとシナノキンバイなどが咲き乱れる沢を下る。丁度、残雪が消えた所なのでもうすぐ草花が咲き乱れる季節だ。沢筋の途中からトラバース道に入り、残雪の樹林帯を進む。南沢乗越では開花時期を迎えたキヌガサソウの群落が見事だった。しばらく緑の岩稜帯を進むが色とりどりの草花が目を楽しませてくれた。残雪で氷水を作ったりしながらぶらぶら進むと南沢岳頂上だ。少しガスがかかっているが黒部川西岸の山々が望め、明後日下る予定の読売新道の稜線が長々と尾を引いていた。コマクサの咲く砂礫帯の稜線をなだらかに下り、ハイマツ帯を切り開いた迂回路を下ると烏帽子田んぼだ。残雪の池塘の点在する草原は、四十八池とも云うらしいがガスって視界不良だ。いまはアオノツガザクラ全盛だが、数週間すると他の草花も咲き揃うと思われる。烏帽子岳分岐から空身で烏帽子岳をピストンしたがガスのためただ行ったと云うだけだ。コマクサ咲く稜線を前烏帽子岳を越えて烏帽子小屋へやっとたどり着き、長丁場のコースを何とか歩き通した。
 きょうは不動沢の周りを半周する静かなコースだ。船窪から烏帽子へ来たのは6人だけで逆方向はゼロだった。アップダウンのある少し厳しいコースだが、不動岳や南沢岳からの展望、緑の稜線など変化のある稜線歩きが素晴らしかった。烏帽子小屋から烏帽子岳を訪れるときには、少し足を伸ばすと花のシーズンには素敵な草原に出会える筈だ。

  (だんだん近づく不動岳)    (頂上手前の大岩を登る)   (立山を背景に不動岳頂上)

    (緑の谷間を下る)     (南沢乗越のキヌガサソウ群落)   (南沢の崩壊斜面)

  (緑の岩稜地帯を進む)  (岩蔭の残雪で氷水を作り元気百倍)    (南沢岳頂上)

              (南沢岳から2日後に下る読売新道を望む)

    (砂礫の稜線を下る)    (ハイマツ林の迂回路を下る)  (烏帽子田んぼに残雪がある)

(四十八池の花園は数週間後)     (烏帽子岳分岐)      (ガスった烏帽子岳ピーク)

      (ピークの岩場)     (何も見えない烏帽子岳頂上)    (前烏帽子岳を下る)

 (烏帽子小屋へ向かって下る)     (樹林帯に入る)       (やっと烏帽子小屋到着)

★道で出会った花

    コオニユリ?(水場)          ヤマゼリ(水場)      カンチコウゾリナ?(水場)

  ミヤマトリカブト?(船窪乗越)  ミゾホウズキ?(船窪乗越)     カニコウモリ(船窪岳)

    クルマユリ(船窪岳)       エンレイソウ(船窪岳)        ユキザサ(船窪岳)

 タカネグンナイフウロ(船窪岳)    ヤグルマソウ(船窪岳)     マルバダケブキ(船窪岳)

   ハクサンチドリ(船窪岳)     ニッコウキスゲ(船窪岳)  タテヤマウツボグサ(第2ピーク)

    タカネニガナ(第2ピーク)    オミナエシ(第2ピーク)     テガタチドリ(第2ピーク)

  ミヤマママコナ(第2ピーク)   オオバキスミレ(第2ピーク)        ?(不動岳)

    ツマトリソウ(不動岳)     ハクサンシャクナゲ(不動岳)      コマクサ(不動岳)

    シナノキンバイ(不動岳)   ショウジョウバカマ(不動岳)    ミヤマキンバイ(不動岳)

   キヌガサソウ(南沢乗越)     サンカヨウ(南沢乗越)      カラマツソウ(南沢乗越)

   シナノキンバイ(南沢乗越) シナノキンバイ(白)(南沢乗越)    ナナカマド(南沢乗越)

  ヨツバシオガマ(南沢乗越)   イブキジャコウソウ(南沢乗越)   エゾシオガマ(南沢乗越)

  ホソバノキリンソウ(南沢岳)   オトギリソウ(南沢岳)       ハクサンフウロ(南沢岳)

    ウサギギク(南沢岳)       ヤマハハコ(南沢岳)       イワカガミ(南沢岳)

 タカネヤハズハハコ(南沢岳)     クモマスミレ(南沢岳)      チシマギキョウ(南沢岳)

    チングルマ(南沢岳)     タカネツメクサ(四十八池)      ヒメイチゲ(四十八池)

  アオノツガザクラ(四十八池)    タカネバラ(烏帽子岳)        ?(烏帽子岳)

  ミヤマコゴメグサ(前烏帽子)   イワツメクサ(前烏帽子)      コケモモ(前烏帽子)

★ルート断面図


★地  図

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       鹿島槍・五竜岳
・2万5千分の1地形図  黒部湖、烏帽子岳

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