鉢ヶ岳(2563m)雪倉岳(2610.9m)白馬岳(2932.2m)


★ひとこと   「花のトライアングル第2日:白馬岳から朝日小屋へ」

三国境付近から雪倉岳(中央)を望む

★行った日   2010年8月5日(木)  晴時々曇   単独
 
★コース

(第2日)
白馬山荘5:28→5:45(2932.2m)白馬岳5:53→三国境6:27→蓮華温泉分岐7:05→7:42(2563m)鉢ヶ岳7:53→避難小屋8:18→9:03(2610.9m)雪倉岳9:14→水場9:58→10:43休憩10:53→ツバメ岩11:00→水場11:11→小桜ヶ原11:20→水平道分岐11:42→12:06休憩12:15→朝日岳分岐13:22→朝日小屋13:29

 2日目は白馬岳から雪倉岳を経て朝日小屋へ至る草花に彩られた尾根歩きだ。アップダウンも少なく道もしっかりした展望稜線漫歩だ。早朝の透明度は高く、白馬山荘前からモルゲンロードに輝く北ア北部の峰々と共に、遠く富士山の姿が八ヶ岳の右端に望めた。
 白馬山荘から朝日に輝く白馬鑓ヶ岳や剱岳を振り返りながら15分も登ると白馬岳山頂だ。山頂から順光に映える剱岳や富山湾、逆光に霞む火打山や妙高山、明後日訪れる予定の金山が姿を見せ、近くには昨日登ってきた小蓮華山の稜線やこれから下る雪倉岳に続く稜線が望めた。足元に咲くコマクサやミヤマアズマギクを見ながら稜線を下る。本州では八ヶ岳とここにしか分布しない殆どが咲き終わったウルップソウも列を作る急な岩稜帯を下ると昨日通った三国境だ。急に人の少なくなったコマクサの群生する砂礫帯を雪倉岳を正面に見つつ下る。この辺りからタカネマツムシソウが絶えることがなかった。

           (モルゲンロードに輝く白馬山荘からの眺め、南〜西〜北)

(八ヶ岳の右に頭を出す富士山)  (白馬山荘を振り返る)     (白馬岳から秩父の峰々)

            (白馬岳山頂から順光に映える山々、西南〜西〜北)

     (白馬岳山頂)        (雪倉岳へ稜線を下る)  (朝日に映えるミヤマアズマギク)

            (白馬山頂下から逆光に霞む山々、北〜東〜東南)

  (山頂から稜線を下る)       (残雪とヨツバシオガマ)        (三国境)

 (コマクサの砂礫帯を下る)     (鉢ヶ岳と雪倉岳と朝日岳)   (マツムシソウと白馬岳)

 蓮華温泉へ下る鉱山道を右に分け、左下に小さな丸い長池、後になだらかな稜線を引く白馬岳を眺めながら少し下ると鉢の鞍部だ。ここで雪倉岳に向かうトラバース道を右に分け、目の前に立ちふさがる鉢ヶ岳の稜線に取付く。殆ど踏み跡のない意外に険しい岩稜を登ると、低いハイマツ帯が点々と現れるなだらかな稜線となり、すぐに丸い平らな鉢ヶ岳の頂上だ。文字通り360度の景観だ。山頂から避難小屋めざしてなだらかな砂礫帯の斜面を所々でハイマツ帯を横切りながら下る。ガスった時には明確な稜線がないので下り道を見失いそうだ。小さな池の右を過ぎると本来のトラバース道に合流する。立派な避難小屋の前を通り過ぎると色とりどりの草花で飾られた雪倉岳への上り坂だ。8時を過ぎると雲が湧きだし東方の頚城(くびき)の山々は見えなくなってしまった。人の多い雪倉岳頂上を過ぎて少し下の岩の上で一服だ。北方には正面に朝日岳が居座り、その左には富山湾の西に毛勝山の岩峰が見え、右には少しガスり始めた五輪尾根が尾を引き、右下に蓮華温泉の赤い屋根が望めた。

   (白馬岳を振り返る)      (前に立ちふさがる鉢ヶ岳)   (意外に険しい稜線を登る)

  (ハイマツ帯を越えて進む)     (鉢ヶ岳頂上のケルン)     (雪倉岳へ向かって下る)

          (鉢ヶ岳頂上から360度の眺望、西南〜西〜北〜東〜南〜西南)

  (雪倉岳下の避難小屋)    (白馬岳と鉢ヶ岳を振り返る)   (花園の草原の稜線を登る)

     (雪倉岳頂上)      (朝日岳へ向かって稜線を下る)   (花園越しの雪倉岳)

       (雪倉岳下り中腹から朝日岳とガスに隠れはじめた五輪尾根、南〜北〜東)

 雪倉岳頂上から標高差約600メートルの下り坂だ。花の多い稜線を下り、途中の雪倉岳北面の残雪帯から流れ出る水場で給水だ。ガレ場もある急な下り坂を過ぎると朝日岳中腹に向かう小灌木帯の花の多いトラバース道だ。何度か枯れた沢筋を渡り、朝日岳中腹をたどる道に入る。ツバメ岩のガレ場を過ぎると沢筋の水場だ。ここ以降、幾つかの沢筋と交差しているので水場に事欠かない。ここから木道のある草原が点在し、この辺りの雪解けが遅いせいか、チングルマやハクサンイチゲの花園が満開の時期を迎え、小桜ヶ原付近ではハクサンコザクラのピンクの絨毯だ。やがて朝日岳への道を右に分け水平道を進むが、この付近の木道わきの湿地帯には大きなミズバショウの葉っぱが茂り、所々には白い苞(ほう)が残っていた。水平道とは名ばかりで、残雪の点在するアップダウンの激しい道だが、沢筋毎に点在する緑のお花畑に派手なシナノキンバイやハクサンコザクラの咲く美しい道だ。ロープ場を過ぎると水平道最後の水場だ。顔を洗ってさっぱりしてしばらく進むと朝日岳分岐点の水谷のコルだ。なだらかに左へ進むと朝日小屋だ。テント場もある朝日平から雪倉岳や白馬岳が望めるはずだが、きょうは真っ白だ。小屋の前に広がる朝日平の緑の草原が素晴らしい。
 白馬岳から雪倉岳を経て朝日小屋に至るルートは高低差もあまりなく草花の絶えることのないコースだ。天候にも恵まれ、白馬岳から雪倉岳や朝日岳を正面に眺めながらの下り、雪倉岳からの花のトラバース道、水平道の草花に彩られた木道歩きなどが素晴らしかった。

   (稜線をずんずん下る)   (雪倉岳北面残雪融水水場)     (ガレ場もある下り道)

  (草花の多いトラバース道)   (何度か枯れた沢筋を渡る)    (ツバメ岩のガレ場)

     (潤沢な水場)        (チングルマ咲く木道)         (小桜ヶ原)

     (木道が続く)         (水平道分岐は湿地帯)   (アップダウンの厳しい水平道)

 (湿地帯のハクサンコザクラ)  (アップダウンの道が続く)       (ロープ場もある)

     (最後の水場)        (水谷コルの朝日岳分岐)    (朝日平の朝日小屋)

道で出会った花

★ルート断面図


★地  図

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       白馬岳
・2万5千分の1地形図  白馬町、白馬岳、黒薙温泉

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