聖岳(3013m)兎岳(2818m)大沢岳(2819.4m)


★ひとこと   「聖岳から赤石岳を経て荒川三山周回(1、2日目)」

百間平から見た聖岳

★行った日   2011年8月7日(日)  晴後曇一時雷雨   単独
          2011年8月8日(月)  晴後曇一時雷雨   単独
 
★コース

(8月7日)
白樺荘6:53(県道60)=7:00畑薙駐車場7:05→7:20畑薙ダム堰堤バス停7:44(バス)=聖沢登山口8:31→9:43聖沢吊橋9:50→10:55休憩11:00→12:07水場12:20→13:06スパッツ休憩13:11→13:23展望岩13:36→遭難碑14:00→吊橋14:33(雷雨開始)→聖平小屋15:01
(8月8日)
聖平小屋5:00→便ヶ島分岐5:29→6:28(2662m)小聖岳6:32→7:53(3013m)聖岳8:06→8:23(2982m)奥聖岳→聖岳8:45→9:47鞍部9:55→兎岳避難小屋10:48→11:03(2818m)兎岳11:13→(2738m)小兎岳11:58→13:00(2807m)中盛丸山13:13→百間洞分岐13:24→三伏峠分岐13:32→(2819.4m)大沢岳13:46→赤石岳分岐14:28→百間洞山の家14:35

(8月7日)
 聖岳(ひじりだけ)から赤石岳(あかいしだけ)、荒川三山(あらかわさんざん)にかけて3000メートルの峰々が連なる山域は、南アの中でも女性的な曲線美の素晴らしい景観が望める所だ。6年前に訪れた際には雨にたたられ、存分に景色が楽しめなかったので今回はそのリベンジだ。新装の白樺荘で朝食をしっかり食べバス時刻に合わせてゆっくり出発だ。東に見える山伏(やんぶし)を眺めながら県道を北上、数分で着く畑薙(はたなぎ)駐車場は殆んど満車状態だ。2週間前と同じく6号台風による道路崩落でバス発着は畑薙第2ダム堰堤なので約15分の車道歩きだ。ダム湖は6号台風の影響が治まらず、濁った湖面には流木が堆積しているが、ダム湖の彼方の山頂に少し雲のかかった茶臼岳(ちゃうすだけ)(左側)と上河内岳(かみこうちだけ)(右側)が招いているようだ。定刻より早いバス臨時便で出発、聖沢登山口で降りたのは2組の2人パーティーと僕の5人だけだ。このルートを時計方向に回るのは少数派のようだ。
 登山口から針葉樹林帯の急坂をジグザグに上るしんどい道だ。やがてほぼ水平の広葉樹林主体の山腹をトラバースする道となり、仮設桟道もあるがよく整備された道が続き、なだらかに下ると聖沢吊橋だ。水辺に下りてしばしリフレッシュだ。ここから急坂をしばらく息を切らして上り、尾根上に達すると少しなだらかになって稜線を登り続ける。小広場のP2011を過ぎると山腹のほぼ水平のトラバース道に入り、水場に適した小沢を過ぎ、吊橋や滑り易い丸太橋を渡り、崩落面をロープを頼りに横切ったりして、聖沢右岸のかなり高い山腹を上流方向へ進む。

    (白樺荘を出発)       (白樺荘から東に見える山伏)  (殆んど満車の畑薙駐車場)

  (不通の県道を畑薙ダムへ)(堰堤から茶臼(中央)上河内(右))      (聖沢登山口)

 (針葉樹林をジグザグに上る)   (なだらかな水平道を行く)     (癒しの樹林帯を進む)

    (仮設桟道も現れる)       (聖沢吊橋を渡る)       (急坂をジグザグに上る)

(尾根に達するとなだらかになる)   (稜線を上り続ける)        (P2011の小広場)

  (水場に適した沢もある)      (吊り橋も現れる)    (崩落面をロープを頼りに横切る)

 聖沢支流の沢を渡り、トリカブトやシモツケソウの茂る斜面を上って、しばらく進むと展望岩頭だ。足元に聖沢が流れ、眼前の対岸には2筋の滝が望める高度感のある展望台だ。遭難碑のある岩頭を過ぎ、聖沢を渡って沢に沿って樹林を進み始めた時、急に豪雨が襲ってきた。雨具を着けるゆとりもなく折りたたみの傘だけが頼りだ。山の間近の雷は恐ろしく、稲光と共に響く雷鳴が物凄いが、尾根筋ではなくて谷筋だったので比較的安心して歩けた。下着までずぶぬれになってどうにか聖平(ひじりたいら)小屋へ到着した。参考までに聖平小屋には乾燥室がないので要注意だ。
(8月8日)
 翌朝、朝焼けに染まる笊ヶ岳(ざるがだけ)を眺めながら聖平小屋出発だ。以前は緑だったが地肌の露出した聖平で上河内岳を左に分け、聖岳方面へ向かう。マルバダケブキやイブキトラノオの群落のあるお花畑を過ぎると便ヶ島(たよりがじま)分岐だ。西沢渡(にしざわど)を左に分け、お花畑の稜線を北上、晴れだしたガスの隙間から聖岳を垣間見ながら、ダケカンバの茂みを抜けるとザレ場の稜線歩きとなる。正面左に兎岳(うさぎだけ)、後ろに上河内岳が雲の間から頭を出している。ザレ場を登りきると小聖岳(こひじりだけ)だ。 

  (花の多い聖沢支流を渡る)   (高度感のある展望岩)      (展望岩対岸の2つの滝)

(滑り易い濡れた丸太桟道の道)  (聖沢のトラバース道)      (岩頭の遭難碑の広場)

      (沢を渡る)       (猛烈な雷雨の中、小屋へ急ぐ)   (びしょ濡れで聖平小屋到着)

  (早朝の聖平小屋を出発)     (上河内岳分岐を右へ)   (マルバダケブキ群落を行く)

   (便ヶ島分岐を右へ)      (初めて姿を見せた聖岳)    (ダケカンバの道を行く)

   (兎岳も姿を見せる)      (小聖岳へザレ場を登る)    (上河内岳も姿を見せる)


 雲海が切れ始め、主だった峰々が頭を出しつつあり、笊ヶ岳の奥に富士山が薄く望めた。正面の均整のとれた堂々たる聖岳に向かって伸びるハイマツの尾根を北上、ヤセ尾根左の西沢渡源頭の水場を足下に見て、ザレ場の急坂をジグザグに登る。徐々に広がる視界を振り返りながら頑張り通すと聖岳(前聖岳)だ。360度の展望の筈だが、眼前の赤石岳は雲の中だ。途中にお花畑もある奥聖岳をピストンして兎岳に向かったが、奥聖岳からは、これからたどる百間洞(ひゃっけんぼら)山の家までの兎岳、中盛丸山(なかもりまるやま)、大沢岳(おおさわだけ)などの峰々を見渡すことができた。

               (小聖岳から東〜南〜西〜西北望む)

   (聖岳をバックに小聖岳) (ハイマツの稜線をなだらかに進む) (ザレ場をジグザグに登る)

(小聖岳から続く稜線を振り返る)   (上河内岳を振り返る)       (聖岳頂上)

  (奥聖岳へ稜線を進む)     (稜線途中にあるお花畑)      (奥聖岳頂上)

         (奥聖岳からこれからたどる峰々、西南〜西〜北〜東北を望む)

 聖岳から始めはなだらかなハイマツの尾根を下り、聖岳大崩壊地の上の尾根をたどる。アップダウンの激しい岩場などを下り、鞍部を過ぎてハイマツ尾根を登り返し、兎岳避難小屋の上が丸い広場の兎岳頂上だ。兎岳を下って2つ目のピークが中盛丸山だ。ここで単独の雷鳥を見かけたのが最初で最後だった。一瞬、大沢岳が見えたが殆んどガスに覆われて展望は利かない。百間洞を右に分け、大沢渡(おおさわど)を左に分け、稜線を登りきると大沢岳だ。天気がよければ見晴し抜群のピークだ。稜線を少し北上後、ハイマツの中をジグザグにつけられた石ころ道を根気よく下る。百間洞の沢の所で赤石山を左に分け沢沿いに下ると百間洞山の家だ。きょうは午後4時頃から夕立なので雨にも会わず、トンカツの定番を頂き、幸い夜の騒音もなく熟睡して疲れをとることができた。
 昨日は雷雨に遭遇したがきょうは雨にも会わず、そこそこの見晴しを楽しむことができた。聖岳は日本最南端の両翼の張った堂々とした3000メートル峰で、隣のずんぐりした兎岳との間の西側は大崩壊壁で切れ落ちている。そのため聖岳と兎岳の間は厳しいアップダウンがあり、聖平・百間洞間はどちらから歩いても所要時間は同じ位だ。

 (兎岳へ向かって稜線を下る)(左が聖岳崩壊地の稜線を下る)  (崩壊地の稜線をたどる)

  (鞍部から右の小灌木帯へ)    (急坂の尾根を登る)    (四角の屋根が兎岳避難小屋)

     (兎岳頂上)          (なだらかに下って上る)      (P2738子兎岳頂上)

(なだらかなハイマツの稜線を下る)(ガスってくると現れる雷鳥) (中盛丸山から大沢岳を望む)

  (百間洞分岐を大沢岳へ)    (大沢渡分岐を大沢岳へ)     (大沢岳へ稜線を上る)

(本当は展望のよい大沢岳頂上)  (岩石道を延々と下る)      (やっと百間洞山の家)

★道で出会った花(次の赤石岳にまとめて記載)

★ルート断面図
(1)聖沢登山口〜聖平小屋

(2)聖平小屋〜百間洞山の家


★地  図
(1)聖沢登山口〜聖平小屋

(2)聖平小屋〜百間洞山の家

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       塩見・赤石・聖岳
・2万5千分の1地形図  上河内岳、光岳、大沢岳、赤石岳

Homeへ