爺ヶ岳(2669.8m)岩小屋沢岳(2630.3m)鳴沢岳(2641m)
赤沢岳(2677.8m)スバリ岳(2752m)針ノ木岳(2820.6m)

 

★ひとこと   「五竜岳から針ノ木岳まで後立山連峰縦走(3)」


赤沢岳から針ノ木岳(奥)スバリ岳を望む


★行った日   2012年8月4日(土) 晴 単独

★コース

冷池山荘4:20→赤岩尾根分岐4:36→5:44(2669.8m)爺ヶ岳5:54→6:28種池山荘6:40→8:23(2630.3m)岩小屋沢岳8:28→9:04新越山荘9:25→10:20(2641m)鳴沢岳10:27→11:29(2677.8m)赤沢岳11:44→13:08スバリ岳手前コル13:16→13:49(2752m)スバリ岳14:03→14:27休憩14:31→15:05(2820.6m)針ノ木岳→針ノ木小屋15:58

 後立山3日目は、当初、種池(たねいけ)から扇沢(おうぎさわ)へ下るつもりだったが安定した夏空が続いているので一日延長し、冷池(つめたいけ)山荘から針ノ木(はりのき)小屋までのちょっとハードなコースに変更した。長時間ルートなので朝弁当にしてもらって薄暗い内にヘッデンをつけて出発だ。
 冷池山荘から樹林帯を下って少し登り返すと赤岩(あかいわ)尾根分岐だ。雲海の水平線が茜色に染まり、北信五岳(ほくしんごがく)が並んでいた。爺ヶ岳(じいがだけ)への稜線を登っていると山頂付近に朝日が当たり始め、モルゲンロートに輝く針ノ木岳や薬師岳が美しい。爺ヶ岳北峰を巻いて進むが、振り返ると鹿島槍(かしまやり)に続く稜線の東面の切れ落ちた明暗が鮮やかだ。中峰の下を巻いて分岐からちょっと登ると三角点のある360度展望の爺ヶ岳(中峰)だ。透明度の高い早朝の見晴らしは素晴らしく、遠くは、北信五岳、八ヶ岳、富士山、南ア、中アが雲海から頭を出し、北アルプスの峰々が周りに並び、これから向かう針ノ木岳までの稜線が招いているようだ。爺ヶ岳南峰を経て、正面に立山連峰を眺めながら西へなだらかな稜線をしばらく下ると扇沢分岐点の種池小屋だ。ベンチで朝日を浴びて朝食弁当だ。

   (雲海に浮かぶ北信五岳)     (赤岩尾根分岐)      (朝焼けの針ノ木(左)薬師(右))

 (爺ヶ岳中峰を巻いて進む)  (冷池山荘、鹿島槍を振り返る)    (もうすぐ爺ヶ岳)

 (八ヶ岳と南アの間の富士山)       (爺ヶ岳頂上)      (西尾根を立山を正面に下る)

              (爺ヶ岳から西方の立山を中心とした峰々を望む)

   (種池小屋めざして下る)       (種池小屋)       (湿地帯のキヌガサソウ群落)

 種池小屋からキヌガサソウ群生地もある湿地帯の最低鞍部まで樹林を下る。樹林を抜けると残雪に半分覆われた池もある草地の稜線は草花が咲き乱れる花園だ。なだらかな上り勾配の稜線を左前方に蓮華岳(れんげだけ)や針ノ木岳を眺めながら進み、高度を徐々に上げる。稜線越しに振り返ると爺ヶ岳や鹿島槍ヶ岳が美しい。東面は赤茶けた崖だが西側はハイマツ帯の稜線を登りきると岩小屋沢岳(いわこやざわだけ)だ。立山連峰と後立山が共に望める展望ピークだ。この辺りのハイマツ帯には雷鳥が住みついているらしく、8年前と同じく3羽の子連れ雷鳥がクークー鳴きながら歩いていた。雲海上の八ヶ岳と南アルプスの間の富士山を眺めながら、もう一つピークを越えて草花の多い緑の稜線を下るとコルの建つ新越(しんこし)山荘だ。この稜線は水がないのでここで水を補給し、これから4っのピークを越えるため大休止だ。

             (岩小屋沢岳へ続く稜線から南の蓮華岳方面を望む)

    (稜線のお花畑)       (稜線は湾曲して西南へ)     (鹿島槍を振り返る)

   (岩小屋沢岳へ登る)      (岩小屋沢岳頂上)        (子供連れの雷鳥親子)

            (岩小屋沢岳から針ノ木岳〜立山〜鹿島槍ヶ岳を望む)

  (まだまだついてくる富士山)  (針ノ木岳めざして稜線を下る)    (新越乗越山荘)

 新越山荘からハイマツの稜線を登ると鳴沢岳(なるさわだけ)だ。少し下って登り返した先が赤沢岳(あかざわだけ)だ。双方とも好展望だが、赤沢岳からはこれから向かうスバリ岳が稜線の先にそびえ、右下は藍色の黒部湖だ。余談だが、先週の仙人池(せんにんいけ)から黒部ダムへの帰途、難渋した急な内蔵助(くらのすけ)谷の谷筋が内蔵助平から黒部川へ落ち込んでいるのが眼前に見えている。赤沢岳から稜線を下るとスバリ岳へ続くなだらかな上り稜線が続く。東の谷筋には扇沢ターミナルが見えている。スバリ岳に近づくと岩稜尾根に変わり、体力を使い果たしているので急坂の岩場を休み休みゆっくり登る。少しガスってきたが、スバリ岳山頂からは立山を眼前に、足下に黒部湖が広がる絶景だ。

    (岩小屋沢岳を振り返る)    (鳴沢岳から稜線を下る)     (赤沢岳へ向かう)

                 (赤沢岳から針ノ木岳方面を望む)

     (赤沢岳三角点)       (赤沢岳から稜線を下る)    (スバリ岳へ続く稜線を下る)

 (足下に見える扇沢ターミナル) (スバリ岳の上りにかかる)       (しんどい登りが続く)

 スバリ岳から針ノ木岳までが、疲れきった上に急な上りもある、今日一番のしんどい場面だ。コマクサの点在する石ころ尾根を滑らないように慎重に下り、岩場を回りこむと針ノ木岳が眼前に立ちふさがるコルだ。ジグザグにガレ場をゆっくりゆっくり登り、岩場の急坂を上りきると針ノ木岳三角点だ。振り返るとスバリ岳のアルペン的風貌が素敵だ。ガスが徐々に濃くなってきたので蓮華岳めざして稜線を下る。地形図の点線は稜線の芯を下っているが、稜線の北側山腹のトラバース道を下る。テント場を過ぎて急な尾根を下ると針ノ木小屋だ。
 きょうは後立山連峰南部の稜線歩きだ。地形的には稜線の長野県側は切れ落ちた急斜面だが富山県側は概してなだらかで森林帯が発達している。前半の爺ヶ岳から赤沢岳までは比較的なだらかなハイマツの稜線歩きだが、スバリ岳から針ノ木岳にかけては厳しい岩稜だ。直射日光が照りつけて暑く、繰り返し続くアップダウンに体力を消耗し、スバリ岳や針ノ木岳ではアップアップだった。

                (スバリ岳から黒部湖方面を望む)

     (スバリ岳頂上)       (針ノ木岳へ岩稜尾根を行く)   (途中に生えるコマクサ)

   (だんだん近づく針ノ木岳)   (針ノ木岳へのしんどい登り)     (さらに岩場を登る)

   (針ノ木岳三角点)     (針ノ木岳からスバリ岳を望む) (蓮華岳めざして稜線を下る)

     (ザレ場を下る)         (もうすぐ針ノ木小屋)            (針ノ木峠)

★道で出会った花

    ツマトリソウ(種池)        キヌガサソウ(種池)       ウサギギク(種池)

   ハクサンボウフウ(種池)   ミヤマアキノキリンソウ(種池)   ハクサンフウロ(種池)

   オオヒョウタンボク(種池)   アオノツガザクラ(種池)      エンレイソウ(種池)

   シナノキンバイ(種池)      ミヤマクワガタ(種池)      ハクサンチドリ(種池)

       ?(種池)           イワオウギ(種池)     イブキジャコウソウ(種池)

   カンチコウゾリナ(種池)     テガタチドリ(種池)       ヨツバシオガマ(岩小屋沢岳)

   クルマユリ(岩小屋沢岳)    ヤマハハコ(岩小屋沢岳)   ハクサンシャクナゲ(新越)

    イワカガミ(新越)        ミヤマキンバイ(新越)      オオカサモチ(鳴沢岳)

   トウヤクリンドウ(赤沢岳)    イワギキョウ(赤沢岳)       コマクサ(スバリ岳)

 チシマギキョウ?(スバリ岳)   タカネシオガマ(針ノ木岳)  タカネヤハズハハコ(針ノ木岳)

★ルート断面図


★地  図
(1)冷池山荘〜鳴沢岳

(2)鳴沢岳〜針ノ木岳

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       鹿島槍・五竜岳・北アルプス
・2万5千分の1地形図  神城、十字峡、黒部湖

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