オプタテシケ山(2012.7m)

 

★ひとこと   「涸沢林道から美瑛富士小屋を経てピラミダルな山頂へ」

稜線から大雪山系を背景にオプタテシケ山を望む


★行った日   2016年7月11日(月) 曇時々雨    単独
          2016年7月12日(火) 晴        単独

★コース
(7月11日)
(道の駅)みついし(19℃)7:12(R235、R237、道道291、道道966)=吹上温泉11:26(道道966、涸沢林道)=美瑛富士登山口12:00(涸沢林道、道道966)=美瑛町(買い物)=美瑛富士登山口P14:24
(7月12日)
美瑛富士登山口P(12℃)4:15→登山口4:20→天然庭園5:47→7:38美瑛富士避難小屋7:48→石垣山南8:27→(1860m)ベベツ岳9:10→9:28鞍部9:36→10:44(2012.7m)オプタテシケ山11:00→鞍部11:44→ベベツ岳12:13→石垣山南12:47→13:13美瑛富士避難小屋13:26→天然庭園14:52→登山口16:15→16:19美瑛富士登山口P16:30(涸沢林道、道道966)=吹上温泉白銀荘P17:00

(7月11日)
 きょうは雨の移動日だ。曇り空の日高町から占冠(しむかっぷ)を経て北上、上富良野から標高千米以上は雲にすっぽり覆われている十勝岳方向へ向かう。雨で視界ゼロの十勝岳温泉登山口、吹上温泉、望岳台、白金温泉を経て美瑛富士登山口の確認だ。上川中部森林管理署に問い合わせ済みの番号でゲートを解錠、涸沢林道を進むと登山口があり、そのすぐ先が駐車場だ。ちょうど昼なので雨の登山口を後にし、美瑛(びえい)町まで下って昼食と食料の調達だ。観光の車でごった返している(道の駅)びえい「丘のくら」にうんざりして登山口に引き返してこれからの計画を練りながら休養だ。夕刻、きょう芦別岳に登ってきたという茨城?の韋駄天小父さんが到着、予備バッテリー付きベッドから用品収納は無論PCまで装備したプリウスの手作り登山専用車だ。歓談しているうちに、きょう登った単独行と女性を含む3人パーティーがドロドロの格好で下山、泥濘の道に往生しながらこの悪天候に完登、小父さんとともに拍手喝采だ。夕方には雨も上がり、あすの好天を期待して早くに就寝だ。夜半に車外に出ると、このところ見たこともない鋭く輝く星空に感激だ。
(7月12日)
 北海道シリーズ7座目は十勝連峰北端に位置し、表大雪南端のトムラウシ山に続くオプタテシケ山だ。初日にニペソス山登山口で出会った元気印のS氏が縦走したルートだ。涸沢林道の美瑛富士登山口から美瑛富士避難小屋を経てオプタテシケ山をピストンの計画だ。
 美瑛富士登山口の入山届けに記帳、林道跡のようななだらかな広い道を進み、標高900メートルの尾根端から勾配の増した山道に入る。エゾマツの大木が茂る樹林を進み、2K・4K(登山口から2K・美瑛富士小屋まで4K)の表示の先で樹間から美瑛富士を初見参だ。ヒメイソツツジの咲く大石堆積の道を過ぎると3K・3Kで丁度半分だ。この辺りから小ぶりの針葉樹の間に岩塊が堆積した歩き難い天然庭園と称する所だ。雲海の美瑛方面には白金模範牧場が望める。前方に乳首のような山頂の石垣山を見ながら残雪点在の斜面をなだらかに進み、3K・1K辺りのお花畑点在の岩塊原を過ぎると大きな雪渓だ。最後の水場でのどを潤し、ちょっと進むと美瑛富士避難小屋だ。傍らの一張りのテントの青年と挨拶、絶好の尾根歩きでオプタテシケをピストンしてきた所だそうだ。

    (美瑛富士登山口)      (林道跡をなだらかに登る)   (エゾマツ大木林を登る)

 (2K・4Kで美瑛富士初見参) (3K・3Kの歩き難い岩塊の道)  (天然庭園から望む雲海)

 (岩塊原の飛び渡りが続く)    (前方に見える石垣山)    (3K・1Kの岩塊原お花畑)

   (最後の雪渓の水場)     (美瑛富士避難小屋到着)    (小屋を後ろに見て登る)

 小休止後、小屋を後ろにして美瑛富士と石垣山の間の谷筋を石垣山寄りになだらかに登り、岩塊の斜面を頑張ると石垣山東面の肩だ。振り返るとずんぐりした美瑛富士と美瑛岳や三角錐の下ホロカメットク山、東にはニペソツ山や石狩岳など東大雪の山々が望める。石垣山巻道のお花畑を過ぎて少し下ってからベベツ岳手前のピークを登る。ピークを下って鞍部の花園を経て登り返すとベベツ岳だ。左に旭岳などの表大雪、右にニペソス山などの東大雪を従えた端正な三角錐のオプタテシケ山の姿は風景画のようだ。ケルンを経て岩塊の急斜面を下るといよいよオプタテシケ山への最後の登りだ。イワウメやエゾノツガザクラのしがみつく岩稜帯を登ると360度大展望のオプタテシケ山だ。

   (岩塊原を石垣山へ登る)   (石垣山巻道のお花畑)      (石垣山東側を進む)

                  (石垣山から南方を望む)

 (ベベツ岳手前ピークを登る)(ベベツ岳から美瑛岳を振り返る)(ベベツ岳手前鞍部の花園)

               (ベベツ岳からオプタテシケ山を望む)

 (ベベツ岳のケルンを下る)  (歩き難い岩塊の斜面を下る)   (オプタテシケ山へ登る)

 10時を過ぎるとガスがかかり始め、山座同定は難しいが、雲上に山頂が所々で頭を出す雄大な景色だ。ガスも濃くなり始め、下りも結構大変そうなので15分ほどの山頂滞在で下山だ。西側がガスに覆われた美瑛岳や美瑛富士の稜線を眺めながら往路通りに下り、美瑛富士避難小屋で小休止だ。ここで十勝方面から大きなザックの熟年単独行が現れ、小屋泊まりであす山頂をピストンして白金温泉へ下るそうだ。話によれば、免許証を持たずに公共交通機関とタクシーだけの登山だそうだ。すぐ下の雪渓の水場まで同行、お互いの健闘をたたえて別れ、疲れた足に注意を集中して、上り6時間半下り5時間半、計12時間のしんどい山歩きが終了だ。記帳簿を見ると韋駄天小父さんは8時間でピストン、すごい健脚だ。あすは好天を期待して富良野岳から十勝岳のつもり(実際はガスのため富良野岳のみ)で吹上温泉で疲れを流し、キャンプサイト(500円)で車中泊だ。吹上温泉は水場、洗い場、日帰り温泉など完備だがレストランはない。
 十勝連峰と大雪山系をつなぐ尾根道は高山植物の豊富な好展望の道だ。天然庭園を過ぎると見晴もよくなり、草花をまじえたハイマツの美瑛富士山裾を回り込む道も捨てがたい。今シリーズではニペソス山についで好きなルートだ。

    (山頂への最後の登り)   (斜面を飾るエゾノツガザクラ)  (オプタテシケ山三角点)

            (オプタテシケ山から雲のかかり始めた360度の景観)

 (オプタテシケ山を下り始める)(ベベツ岳のケルン付近を行く)    (ベベツだけ山頂)

  (石垣山の斜面を下る)    (美瑛富士避難小屋で小休止)    (美しい斜面を下る)

  (歩き難い天然庭園を下る)     (まだ3K・3K地点)      (やっと登山口帰着)

★道で出会った花

   ヤマブキショウマ(2K・4K)   ゴゼンタチバナ(2K・4K)     コガネギク(2K・4K)


   マイヅルソウ(2K・4K)     ヒメイソツツジ(3K・3K)     ヤマゼリ?(天然庭園)


    イワカガミ(5K・1K)      キバナシャクナゲ(5K・1K)  ショウジョウバカマ(5K・1K)


  アオノツガザクラ(5K・1K)    ウコンウツギ(5K・1K)     ハクサンチドリ(5K・1K)


   シラタマノキ?(小屋)      ヨツバシオガマ(石垣山)    ミヤマキンバイ?(石垣山)


    カンスゲ?(石垣山)      チングルマ(ベベツ岳)      ナナカマド(ベベツ岳)


    コマクサ(ベベツ岳)        イワウメ(ベベツ岳)     エゾノハクサンイチゲ(山頂)


   エゾノツガザクラ(山頂)       コケモモ(山頂)       メアカンキンバイ(ベベツ岳)


   ミツバオウレン(ベベツ岳)    イワブクロ(石垣山)        エゾコザクラ(小屋)


   エゾヒメクワガタ(小屋)      サンカヨウ(5K・1K)      ヨツバシオガマ(3K・3K)


  マルバシモツケ(4K・2K)    ナガマキタアザミ(登山口)       ウド(登山口)


★ルート断面図

★地  図



 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       大雪山・十勝岳・幌尻岳
・2万5千分の1地形図  白金温泉、オプタテシケ山

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