三本杭(1225.7m)

 

★ひとこと   「万年橋からシャクナゲ満開の尾根で山頂経由滑床渓谷へ」

三本杭(滑床山)一等三角点


★行った日   2017年5月15日(月) 晴    単独

★コース
松野町6:46(県道8、県道270)=7:06滑床渓谷万年橋P7:12→9:09(998m)御祝山9:17→八面山分岐10:35→10:46(1225.7m)三本杭11:20→八面山分岐11:25→熊のコル11:43→12:37奥千畳12:45→千畳敷13:18→雪輪の滝13:34→遊仙橋13:40→14:02万年橋P14:08(県道270、県道8)=松野町

 三本杭(さんぼんぐい)は四国山地西南部の宇和島の東に位置し、四万十川支流の目黒川源流域の滑床(なめとこ)渓谷を北麓に抱く南予の雄峰だ。万年橋を起点にシャクナゲ尾根で三本杭を経て滑床渓谷へ周回の計画だ。松野町から県道317を通る短絡ルートもあるが、道路標識通りに遠回りして滑床渓谷万年橋に到着、トイレや売店もある大駐車場だ。
 万年橋袂の御祝山登山口から急な尾根端をジグザグになだらかに植林帯を登る。林道のような旧木馬道と何度も交差しながら稜線を登り、標高670で大ー(おおくら)の滝を右に分け、P622を通る尾根に出合う付近で自然林となり、シャクナゲが現れ始めると御祝山だ。大ーの滝はNHKのにっぽんトレッキング100(最後の清流四万十川?)で放送され、絶壁を流れ落ちる姿が印象的で是非行きたかったが今回は体力と時間の関係で断念だ。尾根道の一通過点のような林間の御祝山を後にして、ナラやヒメシャラなどの大木の茂る平坦な美しい尾根を進み、鞍部から満開のシャクナゲ尾根を登る。P1184の小屋ヶ森の稜線合流点の横の森に近づくとブナの原生林が現れ、稜線を離れて尾根北側斜面のブナ林に入る。

(万年橋登山口から左の尾根へ)    (登山道地図)       (植林帯を九十九折に登る)

   (旧木馬道と度々交差)     (標高670大ーの滝分岐) (P622尾根出合付近の自然林)

     (林間の御祝山)      (シャクナゲが現れ始める)      (大木林尾根を行く)

(標高980鞍部にヒメシャラ現れる)(ヤブツバキの大木もある)  (標高1050満開のシャクナゲ)

(標高1100シャクナゲ尾根が続く)   (ブナ林に入る)     (横の森のアセビの新芽の紅葉)

 横の森ピーク北側斜面に入ると濃密な小形アセビの道となり、アセビ新芽の紅葉した山肌が見事だ。ネットを開閉してミヤコザサの平地のたるみで八面山(やつらやま)を左に分け、さらにネットを通過だ。アセビは鹿に荒らされないがミヤコザサが食害にあって地肌露出の復元作業のようだ。アセビの林を過ぎるとミヤコザサに縁取られた三本杭一等三角点の大展望の平地だ。山名は江戸時代に立てられた山頂の宇和島藩、伊予吉田藩、土佐藩の境界杭からきているそうだ。山頂から四国山地の重畳と続く山並みが展望でき、南には昨日の篠山、西にはあすの鬼ヶ城山も望めた。山頂の眺望を楽しみ、先程の分岐から八面山へ向い、吊尾根めがけて急坂を下る。三本杭と八面山を結ぶナラやブナの吊尾根は、どちらも四万十川の源流だが北側の目黒川、南側の黒尊(くろそん)川の源頭を分ける尾根でもある。十字路の吊尾根鞍部の熊のコルで、左は黒尊川の若葉橋、直進は八面山だが、右の滑床渓谷の奥千畳へ目黒川源流域を下る。

                (横の森北斜面のアセビの紅葉)

    (アセビの道を行く)       (八面山分岐の平地)    (山頂直下のアセビ林を登る)

           (三本杭の大展望、南に篠山、西に鬼ヶ城山を望む)

 (ミヤコザサの三本杭山頂)   (山頂から鬼ヶ城山を望む)(分岐から吊尾根へ急坂を下る)

  (ブナ林の吊尾根を行く)   (熊のコルから奥千畳へ劇下り)    (ブナ林斜面を下る)

 やがて瀬音が徐々に大きくなり、二の沢のナメの流れに沿って急な道を倒木を避けたり越えたり、枝沢のナメを渡渉したりして下る。熊のコルから2キロほどを約1時間かけて下ると本流との合流点の奥千畳の広大な岩盤だ。以降右岸沿いに下り、枝沢の三の沢を渡渉し、カマボコを輪切りにしたような鼓岩を過ぎると左岸にある(未確認)滑床小屋分岐だ。そのまましばらく直進すると奥千畳によく似た千畳敷だ。次に岩の割れ目の奔流を雪輪橋で左岸へ渡ると対岸(右岸)に見えるナメ滝が雪輪の滝だ。滝名は淡雪のような紋様を描いて滑り落ちるところから名付けられたそうだ。撮影に失敗したが、一枚岩を滑り下る長さ300メートルのナメ滝で健脚者は沢靴で登るそうだ。先日のNHKの番組でも雪輪の滝からこの上流の大ーの滝を経て三本杭へ登っていたが、沢やさん垂涎のコースと思われるが僕は絶対駄目だ。ここ以降、出合滑や鳥居岩を過ぎて出発点の登山口へ帰着だ。車に乗っかって遊んでいるサル達を追っ払って松野町へ帰り着いた。
 御祝山から三本杭へ向う満開のシャクナゲに彩られた稜線、横の森付近のブナ原生林、たるみ近辺のアセビ新芽の紅葉林、三本杭山頂からの山また山の四国山地の展望が印象的だ。ナメまたナメに終始する滑床渓谷では、随所に見られる滑らかな岩を奔る流れ、雪輪の滝のような急な岩盤を滑り下る流れ、大岩の造形美などが興味深い。

  (ナメの沢に沿って下る)   (ナメの枝沢を何度か渡渉)     (沢合流点の奥千畳)

  (ナメに沿って下り続ける)       (三の沢を渡渉)          (千畳敷)

     (枝沢のナメ滝)       (雪輪橋から眺める奔流)    (雪輪の滝の下端のみ)

   (出合滑付近を下る)        (巨大な鳥居岩)     (万年橋登山口へ戻る(右から))

★道で出会った花 

    ハイノキ(御祝山)       シコクスミレ?(御祝山)     シャクナゲ(御祝山)

ナガバノタチツボスミレ?(三本杭)   アセビ(三本杭)        ヤブツバキ(奥千畳)

★ルート断面図

★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・2万5千分の1地形図  松丸、宇和島

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