大崩山(1643.3m)

 

★ひとこと   「祝子川から涌塚尾根で山頂を経て坊主尾根で周回」

坊主岩


★行った日   2017年5月30日(火) 晴    単独

★コース
(道の駅)北川はゆま(18℃)5:26(R10、県道207、林道)=6:39祝子川登山口6:50→大崩山荘7:30→湧塚分岐7:56→8:33小積谷別れ8:41→9:58P126110:05→下和久塚分岐10:30→10:58休憩11:02→坊主尾根分岐11:32→湧塚・坊主分岐11:52→石塚12:12→12:15(1644m)大崩山12:36→石塚12:42→湧塚・坊主分岐12:57→小積ダキ分岐13:26→象岩13:40→坊主岩14:19→下小積谷出合15:03→大崩山荘15:21→15:50祝子川登山口15:59(林道)=祝子川温泉美人の湯(県道207)=延岡IC(東九州道)=都農IC(県道40)=(道の駅)つの19:19

 九州5座目の大崩山(おおくえやま)は東九州の大分県に近い宮崎県の山岳地帯にあり、安山岩中心の祖母山、流紋岩の傾山(かたむきやま)とともに花崗岩の大崩山は樹林と渓谷の美しい一つの山群を構成している。今回の九州シリーズの目玉として期待しているのが花崗岩の岩尾根が売りの大崩山だ。祝子(ほうり)川から湧塚(わくつか)尾根で山頂を経て坊主尾根へ周回の計画だ。(道の駅)北川はゆまから延岡郊外を経て祝子川沿いに北上、大崩山の岩峰群が見渡せる上祝子を過ぎてしばらく進むと道端に数台の車が止まっている登山口だ。
 最初、祝子川沿いに道があるものと思い込んで林道をそのまま進み、祝子川を渡る大崩橋で二枚ダキコースとの間違いに気付き、元へ戻ってやり直しだ。登山口から少し登って大岩が点在する水平道を進み、途中で崩落部を迂回する所もあるが、枝沢を幾つか渡って概して歩き易い道を1キロほど行くと大崩山荘だ。小高い岩場に建つ木立に囲まれた清潔そうな立派な小屋だ。ここで坊主尾根コースを左に分け、30分ほど左岸に沿って進み、湧塚分岐の道標に従って河床に下りる。対岸の大岩にぶら下がっているロープを目標にうろうろ、渡れそうで渡れない飛び石を避けながらやっと渡りきり、リボンを探して小積(こづみ)谷をさかのぼる。

                 (上祝子の集落から大崩山群を望む)

     (大崩登山案内図)       (大崩山登山口)      (祝子川沿いに樹林帯を進む)

   (数本の枝沢を渡る)        (立派な大崩山荘)       (岩肌をへつって進む)

    (湧塚分岐を左へ)     (祝子川を飛び石伝いに渡る)   (小積谷を上流へ)

 ほどなく大岩の下に10人以上入れる岩屋前を通過、しばらく小積谷を大岩を越えたり避けたりしながら進むと谷筋と別れて急登開始だ。梯子場や木の根を掴みながら急坂を登ると袖ダキ分岐だ。なお、ダキとは崖の意味だ。分岐を無視して直進、悪路の急登を過ぎるとヒメシャラのある久しぶりの平地P1261の鞍部だ。小休止後、袖ダキ?の岩峰を樹間から見上げながら梯子場の連続する急登をしのぐと下和久塚分岐だ。ここで失敗、その時地形を理解してなかったので巻道を直進してしまったが、道標通りに連続する梯子を上って大展望の下和久塚へ行かなかったのが悔やまれる。従って中和久塚や上和久塚の岩峰群を通ることなく、稜線裾のトラバース道をリボンを探しながら右往左往、最終的にやっと稜線に乗り、しばらく歩き易い稜線を進むと地形図点線の坊主尾根分岐だ。爽やかな新緑の樹林帯尾根をしばらく進み、樹間から中和久塚?の岩峰を見ながら坊主尾根と合流、その先が石塚だ。

(10人以上入れる岩屋)    (大石ゴロゴロの小積谷を上流へ) (小積谷を別れて急坂へ)

 (梯子があるので楽に登れる)    (ロープ場が現れる)      (袖ダキ分岐を直進)

    (袖ダキ?の岩峰)        (梯子場も次々現れる)       (下和久塚をパス)

    (一枚岩を横切る)      (中和久塚もパスして直進)  (最初の坊主尾根分岐を直進)

   (中和久塚?の岩峰)      (広葉樹の尾根を行く)       (石塚の展望所)

 石塚は好展望だがきょうは霞がかかり、北方の傾山がようよう望める程度だ。そのすぐ先の大崩山には一等三角点が設置されているが見晴しはよくない。山頂の日陰に隠れて定番の昼食だ。ここで夫婦連れの登山者と歓談、比較的穏やかな宇土内(うどうち)登山口から登られたそうだ。山頂で元気を回復、坊主尾根の下山開始だ。P1391の小積ダキ分岐までは普通の登山道だが、ここから険しくなる。ここも小積ダキに行かなかったのが悔やまれるが、分岐を直進して丸い大岩にかけられた鎖を下る。小積ダキの壁面に目をやりながら垂直に近いロープ場を下ると象岩下部だ。壁面に渡してあるロープを掴みながら、下を見ると怖ろしいので前を向いて象岩側面のへつり歩きだ。横を見ると小積みダキの絶壁が壮観だ。

             (石塚から北の傾山方面(樹林で岩峰群は見えず)を望む)

                 (石塚から大崩山塊南西部を望む)

   (大崩山一等三角点)        (坊主尾根を下る)     (中/下和久塚?を正面に下る)

   (小積ダキ分岐を素通り)       (鎖場を下る)        (小積ダキを見上げる)

    (象岩下部をへつる)      (へつりを振り返る)        (小積ダキの絶壁)

 梯子場が続き、それとともに展望岩の渡り歩きが続くが、すべてロープつきなので注意すれば安全だ。梯子に続くロープを下るとメタボには通りにくそうな大岩の隙間下りもある。角ばった坊主岩に似た大岩の手前を下り、岩の桟道を渡るといよいよ話題の坊主岩だ。近づくと巨大な大岩だ。坊主というよりも大阪通天閣のピリケンさんの後姿のようだ。連続する梯子を下って見上げると、何の手掛かりもない坊主岩の垂直の岩壁が見事だ。標高1000メートル付近から樹林帯に入り、林道へ下る道を右に分け、広葉樹の急峻な稜線を下る。足場の悪い稜線下りに飽きた頃やっと下小積谷出合だ。谷筋をしばらく下り、祝子川を飛び石伝いに渡ると大崩山荘下だ。往路通りに歩き易い道を下ると、殆んどの車が姿を消した登山口だ。林道をしばらく下ると上祝子の祝子川温泉美人の湯だ。大崩山の岩峰群を眺めながら湯につかるのは達成感とともに最高の気分だ。浸かりながら一杯やりたいところだがそうもいかず、祝子川沿いの県道をくねくね下り、延岡市街で食料調達と夕食だ。あすの尾鈴山(おすずやま)に備えて東九州自動車道で都農(つの)へ向い、(道の駅)つので車中泊だ。東九州自動車道の無料区間にはPAやSAはなく、沿線近くの道の駅が代わりの機能を果たしているようだ。
 念願の大崩山は期待通りの渓谷と樹林と大岩美の山だ。9時間にも及ぶしんどい山旅だったが、天候に恵まれて、素晴らしい丸い大岩の続く岩尾根の渡り歩きができた。惜しむらくは準備不足のため湧塚尾根の岩頭の景色を見逃したことだ。

     (梯子場が続く)         (展望岩の渡り歩き)       (展望岩の渡り歩き)

 (梯子やロープを見上げる)   (メタボは通りにくい岩の隙間)      (岩の桟道を渡る)

   (坊主岩を見下ろす)       (坊主岩を見上げる)       (連続する梯子下り)

 (坊主岩の壁面を見上げる)    (標高1050で樹林帯へ)      (まだ梯子場は現れる)

    (祝子川を渡渉)         (大崩山荘横を素通り)     (祝子川登山口帰着)

★道で出会った花

   ツボスミレ?(湧塚尾根)      ハイノキ(湧塚尾根)  サイゴクミツバツツジ?(大崩山)


   サラサドウダン(大崩山)    ツクバネウツギ(坊主尾根)     ?(坊主尾根)


★ルート断面図

★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       祖母・傾・大崩山
・2万5千分の1地形図  祝子川(ほうりがわ)、木浦鉱山

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