三ノ峰(2128m)


★ひとこと   「上小池から六本檜を経て花の展望稜線で三ノ峰へ」

三ノ峰から赤兎山へ続く加越国境稜線
   
★行った日   2019年8月6日(火)  晴一時曇   単独
 
★コース

高槻3:31(名神、北陸道、中部縦貫道)=大野IC(R158、県道173)=7:08上小池P7:21→登山口7:45→8:12山越邸跡8:17→9:41六本檜9:52→11:15剣ヶ岩11:26→12:21展望ベンチ12:36→13:34三ノ峰避難小屋(昼食)13:49→14:02(2128m)三ノ峰14:08→三ノ峰避難小屋14:15→14:41展望ベンチ14:48→15:10剣ヶ岩15:17→15:55六本檜16:04→16:40山越邸跡16:51→登山口17:04→17:21上小池P17:39(県道173、R158)=大野IC(中部縦貫道、北陸道、名神)=高槻21:35

 今年初めての二千米峰だ。ここ連日の酷暑、千米峰では茹で上がってしまうので両白山地まで足をのばして三ノ峰だ。先週の伊吹山と比べて三ノ峰は、登山口から標高差およそ1200メートル、山頂まで約5キロとほぼ同じだ。そこで1000メートル分涼しい山歩きを期待して、上小池から花と展望の加越国境稜線を経て三ノ峰へ向う計画だ。高速深夜料金に間に合うように車を走らせ、大野まで開通して便利になった中部縦貫道を経て美濃街道を進み、荒島岳山裾から打波川沿いに30分ほど県道を遡ると、2台の先行車がとまっている上小池登山口駐車場だ。トイレや百円缶飲料の浮かぶ水場もあり、2、30台収容可だ。
 じりじり照りつける陽光を背に登山届けをボックスに入れて樹林帯に入り、だらだら坂を下り始めると、石徹白の大杉を思い出させる樹齢約350年の大栗の木の門番だ。しばらく下り坂を進み、キャンプ場から来た林道に合流、刈込池を右に分けて林道を直進だ。かつての周辺の集落の生活や自然を説明した「山の暮らしと出作り(焼畑農業)」や「鳩ヶ湯断層沿いに流れる打波川」の掲示を見たり、道端の草花を楽しみつつしばらく歩くと左手に三ノ峰登山口(Ca940)が現れる。登山者カウンタを過ぎるとすぐに急な丸太階段が現れ、枝尾根を越えて西側に回り込み、しばらく刈り払いされた樹林帯の道を登ると山越邸跡の明るい平地(Ca1110)だ。先ほどの掲示にあった出作りの跡地?だろうかと想像しながら休憩だ。道標から樹林に入り、ブナやミズナラの大木林の次に檜?の大木林を過ぎると急登開始だ。ブナなどの広葉樹の樹林帯の急坂を汗を拭きふき登り、振り返ると樹間から荒島岳がのぞいている。勾配の増した坂道の丸太階段から右の梢越しに願教寺山を眺めたりしながら頑張ると稜線の六本檜(Ca1430)だ。

   (上小池駐車場を出発)    (樹林帯の緩斜面を下る)     (門番の大栗の木)

(刈込池を右に見て林道を左へ)  (花の多い林道を進む)        (三ノ峰登山口)


 (樹林帯の丸太階段を上る)      (道端に多いソバナ)     (山越邸跡の平地で小休止)

      (ブナ林を登る)         (檜大木林を進む)       (掘れた道を登り続ける)

(振り返ると樹間から見える荒島岳)(急な丸太階段を上がる) (右の梢越しに見える願教寺山)


 檜の古木の残る尾根から南の展望が開け、打波川の流れる鳩ヶ湯断層の奥に荒島岳がそびえ、東にまだまだ遠い三ノ峰が初めて姿を見せている。2、3本残る檜の古木からブナ林尾根を登るとP1481手前ピークから見晴しのよい草原尾根だ。しばらく道の両側にコケモモの赤い実が間断なく続き、暑い日差しを浴びているが涼風の吹きぬける稜線を、右に願教寺山へ続く稜線、正面に美濃禅定道の銚子ヶ峰から三ノ峰へ向う稜線を眺めながら進む。やがて剣ヶ岩の岩稜が近づいて来るとシモツケソウが現れ、急な笹原林床のダケカンバ林をゆっくり休み休み登ると白山南山稜線解説板のある剣ヶ岩の突端小広場(P1671)だ。ここからヤマハハコやシナノオトギリなどの草花が増えるともに一段と勾配の増した尾根を、花を撮るのを自分への言い訳に繰り返し立ち止まってひーひー言いながら登る。

  (加越国境尾根の六本檜)      (三ノ峰初見参)       (西南に見える荒島岳)

  (六本檜の名残りの大木)   (樹林尾根をしばらく東進)    (P1481から見晴し尾根)

 (しばらく道端を飾るコケモモ) (願教寺山を右に見ながら進む)  (Ca1540がほぼ中間点)

   (シモツケソウが現れる)    (剣ヶ岩の岩稜が近づく)    (ダケカンバ横の急坂を登る)


   (剣ヶ岩突端を振り返る)     (まだまだ遠い三ノ峰(右端))   (ヤマハハコが姿を現す)

 北にチブリ尾根の避難小屋辺りの凹部越しに大汝峰や御前峰の望める展望ベンチ(Ca1900)に腰掛けて息を整える。ここからマルバダケブキやオオバギボウシなどの背の高い草花が増え、斜面に広がるお花畑にその姿を目立たせるように風に揺れている。P2095下面のお花畑横から巻道のトラバース路に入り、三ノ峰避難小屋に倒れ込み、小屋独占をいいことに板の間で大の字だ。6月末頃に小屋東面に残る残雪はいまはなく、なま暖かいお茶でコンビニで仕入れた助六の遅い昼食を流し込む。2013年にこの小屋に泊まったのがよき想い出だ。元気を回復してカライトソウの咲く草原をなだらかに登ると三ノ峰山頂広場だ。出発前にはあわよくば別山までと簡単に考えていたが、12年前とは別もの、衰えは厳しく三ノ峰まで登れたのが僥倖だ。

 (増えてきたオオバギボウシ)  (通ってきた尾根道を振り返る)     (展望ベンチ)

               (展望ベンチから西南の荒島岳方面を望む)

   (花の多い急坂を頑張る)   (美濃禅定道の稜線を望む)  (刈り払いされた階段を上る)

(風に揺れるタカネマツムシソウ)  (咲き残るニッコウキスゲ)   (よく目立つマルバダケブキ)

 (P2095への最後の上り坂)   (P2095下面のお花畑)    (トラバースでP2095を巻く)


 (避難小屋を過ぎて三ノ峰へ)    (カライトソウの草原を登る)      (三ノ峰山頂)

 三ノ峰からは360度の大展望、北方の白山や別山、西南の大日ヶ岳や鷲ヶ岳、南の野伏ヶ岳やその彼方に広がる越美国境の山々、西の赤兎山やその彼方の加越の峰々など、まさに両白山地を中心とした展望台だ。下りには余裕を見て4時間かかるので、早々に下山だ。山頂から青々とした草原を下り、避難小屋からP2095トラバース路をなだらかに下る。P2095下面お花畑から絶景の加越稜線下りだ。涼風に吹かれながら快適稜線を下り続けると六本檜だ。ここで標高1400を切り、しかも樹林帯で無風となり、文字通り汗水たらして下る。山越邸跡を経て林道の登山口に降り立ち、最後の力を振り絞って坂道を上がり、大栗の木に無事下山の挨拶をして上小池駐車場に帰りついた。時刻が遅くなったので鳩ヶ湯の日帰り温泉に入れず(午後5時まで)、そのまま順調に帰阪した。
 連日の酷暑だが登山日和の晴れに恵まれ花と展望の快適尾根歩きができた。登山道もすべて刈り払いされ道標も完備した歩き易い道だ。距離、標高差とも昨週の伊吹山と同程度、山行気温も標高差通りに低く水消費量も4リットルに対して3リットルと少なかったが疲労は格段に厳しかった。原因はきょうの自分の体調ばかりでなく、標高千米あたり酸素濃度がほぼ10%減ることも心肺機能が低下した現実に影響したのではないかと推定、いつまで登れるか分からないが、これが自分の現実の姿だ。

                  (三ノ峰山頂から360度の大展望)

   (美濃禅定道を下山)    (小屋から加越国境稜線へ)     (爽快な尾根下り開始)


   (展望ベンチ付近を下る)    (ベンチから御前峰(右)と大汝峰)  (快適稜線を下り続ける)

   (剣ヶ岩突端付近を下る)     (ダケカンバ林を下る)     (やっと六本檜到着)

 
  (三ノ峰に最後のお別れ)   (無風の蒸し暑い樹林を下る)      (山越邸跡へ) 

 (登山口の林道へ降り立つ)   (門番の大栗の木へ挨拶)    (やっと上小池駐車場) 

★道で出会った花(「三ノ峰の花」に掲載)

★ルート断面図


★地  図
 
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       白山・荒島岳
・2万5千分の1地形図  加賀市ノ瀬、願教寺山、白山

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