日出ヶ岳(1695.1m)コブシ嶺(1411.0m)

 

★ひとこと   「日出ヶ岳からコブシ嶺へ南下してトロッコ跡で大蛇ーへ周回」

日出ヶ岳展望台


★行った日   2019年9月15日(日) 晴  単独

★コース
高槻4:00(近畿高速、阪和道、南阪奈道、京奈和道)=御所南IC(R309、R169、県道40)=6:37大台駐車場(15℃)6:54→7:34(1695.1m)日出ヶ岳7:43→尾鷲辻8:30→9:08白サコ9:19→(1451.8m)地倉山10:37→10:50(1411.0m)コブシ嶺11:09→地倉山11:24→11:39展望ピーク(昼食)11:56→12:45白サコ12:57→14:06軌道跡終点14:22→大蛇ぐら14:46→14:56休憩15:02→尾鷲辻15:24→15:58大台ケ原駐車場16:28(県道40、R169、R309)=御所南IC(京奈和道、南阪奈道、阪和道、近畿高速)=高槻19:50

 標高約1500のなだらかな台地で構成される大台ケ原界隈は、暑い時期の山歩きの適所だ。高低差の少ない日出ヶ岳からコブシ嶺まで大蛇ーに寄り道して周回の計画だ。中秋の名月(13日)がすんだばかりの煌々と輝く満月に照らされて出発、雲海の池原ダムの谷間や朝霞をまとった大峰山脈を眺めながら大台ドライブウエイを通り、20〜30%車で埋まった大台ケ原駐車場到着だ。快晴のまぶしい陽光を浴びて出発だ。
 東大台登山口から針葉樹林帯に入り、木漏れ日を浴びつつウラジロモミやトウヒの平坦な並木道を進む。やがてシオカラ谷源頭の水場を過ぎると広葉樹林帯となり、しばらく美しい石畳の道を辿ると展望デッキのある稜線出合の三差路だ。山頂部は快晴だが、生憎はるか南海上に秋雨前線が停滞して尾鷲方面は雲の中だ。とりあえず山頂に立ち寄ることにして、朝日に映えるドウダンツツジやシロヤシオ疎林帯の急な木階段を登ると、ミヤコザサ越しに展望台が輝く日出ヶ岳山頂だ。展望台から、熊野灘方面は雲の中だが、大峰山脈の峰々や台高の北半分位は望めた。展望台下の一等三角点に挨拶してトリカブトの揺れる山頂を後にした。

 (ドライブウエイから池原ダム)     (東大台登山口)      (木漏れ日のウラジロモミの道)

  (シオカラ谷源頭の水場)    (広葉樹林の道を進む)    (展望デッキから霞む尾鷲湾)

  (日出ヶ岳へ木道を上る)   (ミヤコザサの日出ヶ岳展望台)  (日出ヶ岳一等三角点)

           (日出ヶ岳展望台からの大展望、南〜西の八経ヶ岳〜北)

 山頂から木階段を下り、再び展望デッキからドウダンツツジの間をぬって木道を上る。ミヤコザサ原と樹林の下枝の間に鹿の食べた空間が帯状に連なっているのが興味深い。正木嶺の山頂周辺には伊勢湾台風によるトウヒの枯死林が笹原に広がり、樹林の自然交代の一側面を示すと共に美しい景観を生み出している。明るい広大な斜面を木道で下ると白骨のような立ち枯れた大木トウヒの目立つ正木ヶ原だ。すぐ先の尾鷲辻で大蛇ーへ向う道を右に見送り、東屋の横からちょっと草深い尾鷲道を南下だ。尾鷲道にはNTRCさんの道標や説明板があるので道迷いの恐れはない。県界尾根の西側を等高線をなぞるようになだらかに樹林帯を下り、堂倉山手前鞍部から稜線を登らず、右の堂倉山裾をなだらかに下ると白サコの平坦地だ。倒木に腰掛けて小休止の後、県境尾根西側の崩れた枝沢渡りもあるが概してなだらかな尾鷲道を、樹間から右手に竜口尾根やさらに奥の釈迦ヶ岳を品定めしながら進むと最低鞍部だ。ここからしばらく幅広の県境尾根をなだらかに登り、P1362を巻いて次の鞍部で直進の尾根道を左に見て、右の尾根裾の尾鷲道を進む。

  (日出ヶ岳から木道を下る) (正木嶺へ笹原の木道を上がる)    (正木嶺展望ベンチ)

           (正木嶺から枯死林のミヤコザサ原を望む、東〜西南〜西北)

   (枯死林の木道を下る)        (正木ヶ原)            (尾鷲辻の東屋)

(樹林帯の尾鷲道をなだらかに下る) (白サコの平坦地)      (稜線西側の尾鷲道を行く)

  (樹間から釈迦ヶ岳を望む)   (最低鞍部の平坦地を行く)  (尾根道(左)と尾鷲道(右))

 山ヌケを迂回したりしながら県境尾根の西側斜面をほぼ等高線に沿って進むと急に明るくなって東ノ川が足下に見下ろせる裸地だ。すぐ下方の大木の脇に雷峠の標識があり、その説明によれば本来の雷峠はコブシ嶺南方の現在の一本木(場所は前レポ参照)らしく、さらに1960年代までは現地点が雷峠、従ってエリアマップの稜線上の雷峠は誤りだそうだ。雷峠から稜線までの急な裸地を頑張ると一通過点のような地倉山だ。ここからコブシ嶺まで右足下の東ノ川と猛烈な薮山の荒谷山を思い出しながら稜線を下り、小さなピークを過ぎるとコブシ嶺の小さな裸地だ。三角点から、東には尾鷲湾から熊野灘が広がり、その右には地蔵峠から木組峠を通る尾鷲道の稜線が続き、西に竜口尾根とその奥に大峰山脈が連なり、北には大台ケ原の台地が望める。坂本ダムの山峡を眺めながら大休止後、地倉山から展望のよい尾根道を引き返した。P1352の尾根に入らないように注意して、尾根芯を外さないように倒木や小木を避けて歩きやすい所を下る。尾鷲道は樹林帯の道だが、尾根道は踏み跡程度だが所々で熊野灘も望める好展望のルートだ。途中のピークで昼食後、尾鷲道に合流して疲れ果てて白サコへたどり着いた。

 (稜線西裾の樹林帯を行く)      (雷峠から稜線へ登る)        (雷峠の表示)

       (地倉山)       (東ノ川を右下に見て稜線を南下)    (展望稜線を行く)

  (コブシ嶺最高点へ登る)      (コブシ嶺到着)              (三角点)

            (コブシ嶺から大峰山脈などの大展望、東〜西南〜北)

 (地倉山から尾根道を下る)       (展望稜線を進む)       (稜線から尾鷲湾を望む)

    (展望稜線を北上)          (尾鷲道と合流)         (白サコに戻る)

 白サコのすぐ先で尾鷲道と別れて、トラロープで仕切られたトロッコ軌道跡の平坦な道を進む。広葉樹の二次林の続く道だが、倒木が散らばり路面は荒れており、枝沢では例外なく路盤が流失だ。ただ林相は爽やか、木漏れ日を浴びつつゆっくり森林浴を楽しみながら進む。ここでアクシデント、切り開き手前の岩頭を渡る際に疲れた足がツルッ、不精して左手にまとめてストックを持って右手が支えていた壁面を離れ、転倒して両手の指を擦りむいて捻挫、幸運にも軽傷、久しぶりの救急袋で応急処置だ。切り開きの先で軌道跡消失、少し先の水の貯まったトンネル掘削跡からけものみちを辿って笹原斜面のトラバースだ。けもの道は大蛇ーの一つ南の枝尾根に続いているので、途中で急な笹原をよじ登って大蛇ー付け根の登山道に飛び出す。満員御礼の大蛇ーにちょっと寄り道しただけで退却だ。東大台の周回路に合流、シオカラ谷吊橋は敬遠して左回りだ。明るく開けた牛石ヶ原の木道を進み、尾鷲辻を経て針葉樹林に癒されながら大台ケ原駐車場だ。帰りは行楽帰りの車であっちこっちで渋滞、満月を道連れに帰りついた。
 この季節は目立った草花はないが大台ケ原はなんと言っても豊富な樹林相だ。大台ケ原のウラジロモミなどの針葉樹林やドウダンツツジなどの広葉樹林、ミヤコザサのトウヒ枯死林などが美しい。コブシ嶺付近の熊野灘から大峰山脈を見渡せる展望稜線歩きも秀逸だ。トロッコ軌道歩きは賑やかな周回路から離れて静かなプチ冒険歩きが楽しめる。このルートは正式登山道以外も通るのでGPSなど現在地確認手段が必携だ。今回は自分の体力オーバー、疲労によって注意力散漫になり、ええかげんな行動によるケガに大反省だ。

( トロッコ軌道跡へ(ロープあり))   (荒れたトロッコ跡を進む)     (美しい道もある)

  (幾つかの枝沢を渡る)     (切り開きの先で軌道跡消失)   (すぐ先のトンネル掘削跡)

 (トンネル跡から急斜面を登る)(大蛇ー付け根で登山道合流)    (満員御礼の大蛇ー)

    (周回路に合流)       (広大な牛石ヶ原を行く)      (尾鷲辻東屋に戻る)

    (長い樹林帯歩き)       (シオカラ谷を渡る)       (大台ケ原駐車場帰着)

★道で出会った花 

   カワチブシ(日出ヶ岳)     ヒカゲノカズラ(尾鷲辻)     ミヤマシキミ(コブシ嶺)

★ルート断面図

★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       大台ケ原・高見山・倶留尊山
・2万5千分の1地形図  大台ケ原山、河合

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