鉢伏山(761.8m)

 

★ひとこと   「新保から古道で木ノ芽峠経由鉢伏山を経て今庄365へ」

木ノ芽峠(古道)と茅葺の茶屋


★行った日   2019年12月15日(日) 晴一時曇 単独

★コース

高槻6:28(名神)=京都東IC(湖西道路、R161、県道287、R161、R8、R476)=8:54新保登山口9:06→爪描き地蔵9:26→休み石9:42→10:04木ノ芽峠10:13→10:42(761.8m)鉢伏山10:58→木ノ芽峠11:19→言うな地蔵11:32→今庄365 12:02→R365出合12:17→R476分岐12:28→12:32トンネル手前(昼食)12:54→13:20新保登山口13:40(R476、R8、R161、湖西道路)=京都東IC(名神)=高槻16:14

 天気予報で福井の嶺南と嶺北を分ける境界、木ノ芽峠近くに鎮座する鉢伏山だ。木ノ芽峠を通る木の芽古道は歴史上、政治戦略的文化的に存在感のある道だ。鉢伏山は標高は低いが、敦賀半島縦走時には稜線から東に、江越国境の音波山を訪れた際には稜線から西に望める山だ。嶺南側の新保(しんぼ)から木ノ芽峠を経て山頂経由嶺北側の板取めざして下るつもりだ。黎明の山の端にかかる少し欠けた満月に見送られて出発、山頂にのみ雪の残る蓬莱山を眺めながら湖西道路を北上、マキノを通る迂回路に入り、大谷山から赤坂山へ続く斑模様の稜線を眺めつつ黄葉末期のメタセコイヤ並木道を進む。西近江路に合流して北上、敦賀から南越前町へ向うと木の芽峠トンネル手前が数台駐車できる木の芽古道の新保登山口だ。
 登山道入口の木ノ芽古道の解説を頭に入れて道幅は広いが荒れた古道を登り始める。真新しい親鸞・蓮如往来の碑を通り過ぎて、小木の密生している棚田跡に沿って進み、杉林を抜けて沢沿いにしばらく進むと爪描き地蔵だ。大岩に彫られたらしいが苔に覆われて線描画は判別不能だ。ススキの道を経て、紫式部がここを通った時に詠んだ歌の掲示板を過ぎた先が平たい石が道端に散在している休み石だ。旅人が荷物を背負ったままで座れるようにしたものだ。沢筋から離れて山の斜面をトラバース気味に、笹を刈り払いした道を登ると木ノ芽川源流、明治天皇がらみの泉だ。

(黄葉終盤のメタ並木へ寄り道)    (木ノ芽峠登山口)       (木ノ芽古道の解説)

 (傍らの親鸞・蓮如往来の碑)  (棚田の跡に沿って進む)(ここは中部北陸自然歩道の一部)

   (見事な杉林を登る)         (沢に沿って進む)    (爪描きの線描画不明の大岩)

   (爪描き地蔵の解説)      (ススキ原の道を進む)      (座りたくなる休み石)

(咲き始めた路傍のヤブツバキ) (雰囲気のよい古道を登る)    (木ノ芽川源流の碑)

 水場のすぐ上が木ノ芽峠、板取から軽四も上ってくる石畳の道をはさんで、風情のある茅葺の一軒屋と三基の墓石が広場に佇んでいる。この屋の飼い犬らしい白犬がキャンキャン啼きづめで走り回っているが人影は見かけなかった。峠から尾根筋に入り、雑木林の中に倒れている観音寺丸城跡の標柱を横目に郡界尾根を登り、このコース初めてのブナ林を過ぎるとスキー場のゲレンデに合流だ。郡界尾根の切り開かれたゲレンデをしばらく登ると山頂直下のリフト降り場だ。丁度シーズン前の試運転中だ。山頂の西側が切り開かれ、足下の紺碧の敦賀湾の対岸に敦賀半島が鎮座、西方ヶ岳と蠑螺ヶ岳が並び、左の海浜に敦賀市街、その彼方に野坂岳が望める。この10月に訪れた際の西方ヶ岳からの逆の眺めも広大な景観だ。ゲレンデ上端のリフト降り場付近から東の視界が広がり、白山は霞んで見えなかったが、三周ヶ岳から笹ヶ峰に続く越美国境の山頂のみ白くなった峰々が視認できた。

   (木ノ芽峠の茅葺の茶屋)  (キャンキャン啼きづめのスピッツ)  (左へ尾根を登る)

  (観音寺丸城跡下を登る)    (尾根に残るブナ林)     (スキー場ゲレンデに合流)

  (スキー場施設横を行く)      (鉢伏城跡の山頂へ)  (山頂広場から敦賀半島を望む)

        (西方ヶ岳展望岩頭から鉢伏山方向を望む(2019.10.16撮影))

                  (鉢伏山から越美国境の山並を望む)

 今庄365のスキー場の音楽?に追い立てられるように下山開始だ。スキーセンターから伸びる一本の人工雪ゲレンデがオープン、山上のリフト塔からも静寂を乱しているようだ。正面に江越国境の稜線を眺めながらゲレンデを下り、往路通りにワン公に吠えられながら再び木ノ芽峠だ。日だまりで小休止後、北陸道の要衝を後にして古道を北へ山腹のトラバース道を進む。下方のスキー場には一条の人工雪のゲレンデが延び、スキーヤー達が豆粒のように見えている。しばらく進むと風情のある茅葺屋根の言うな地蔵だ。いわれの解説を読んでから、以降舗装車道歩きだ。30分ほど下ると今庄スキーセンターだ。いまどきはスキー板は少数派、多くはスノボで楽しんでいるのを見て時代の変遷を痛感だ。広野ダム方面に行った時にはよくお世話になる今庄365温泉やすらぎを横目に車道を下る。途中の車道下でゴソゴソ動くものがあり、ニホンカモシカが可愛い目をこちらに向けていた。北国街道に合流して少し南下、直進はすでに冬季閉鎖、敦賀方面に向い、木の芽トンネル手前の広場で昼食だ。交通量の多い車の騒音に辟易しながら約20分、急ぎ足で通過した先が木の芽古道登山口だ。
 平安初期に開設された木ノ芽峠は、解説によれば紫式部、新田義貞、親鸞や蓮如など歴史に名を残した人々が通った峠だ。今も残る峠の風情のある茅葺の茶屋や古跡の残る古道が歴史を感じさせてくれる。鉢伏山から望む西の敦賀湾や敦賀半島、東の越美国境の山並みなどが雄大だ。

 (鉢伏山から敦賀半島を望む)(江越国境の山々を正面に下る)    (再び木ノ芽峠へ)

    (木ノ芽峠の解説)    (スキー場を下に見て古道を行く)   (茅葺の言うな地蔵)

    (言うな地蔵の解説)     (人工雪ゲレンデ横を下る)   (今庄365スキーセンター)

    (国道へ車道を下る)    (薮から見上げる山の原住民) (R476分岐、R365は閉鎖)

   (20分の長いトンネル歩き) (やっと木ノ芽峠トンネル出口)   (木ノ芽峠登山口帰着)

★道で出会った花(花はなし)

★ルート断面図


★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・2万5千分の1地形図  板取

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