今にも降り出しそうな霧のなか、かすんだ名勝古岩屋を眺めながら県道12を久万町方向へ歩きます。往路に通った住吉神社の先から右へ入り、千本峠越えで菅生から仰西(こうざい)にてR33へ合流する遍路道をたどりました。古くからの遍路道らしく遍路石が散在し、カルスト地形の石灰石の隙間に杉林が生え、石畳も残っています。千本峠を越えると高野集落にでて、ここから点々と人家が山あいに散在するようになります。段々畑の菅生には大除城の跡もあり、千枚田の様な段々畑が広がる静かな山村風景ですが、残念ながら下方に位置する採石場の騒音がこれらを台無しにしていました。仰西まで下って松山へ向かうR33に合流します。
●大除城の跡
大除城は天文年間(1532〜1554年)に、道後湯築城主の河野氏が、土佐の長曾我部一族の侵入を防ぐためにこの前方の山頂に築いたものです。以後、城主の大野氏は3代にわたり繁栄しましたが天正13年(1585年)に秀吉の命を受けた小早川隆景軍に河野氏が降服し大除城を明け渡したのです。
三坂峠付近の久万街道 久万街道峠付近 久万街道峠付近から松山方面