第26日目(44番大宝寺、45番岩屋寺)

 

★巡拝寺名

44番大宝寺 45番岩屋寺

★ひとこと   「鴇田(ひわた)峠から山間の難所、岩屋寺へ」

45番岩屋寺

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★巡拝日   2005年3月2日(水)  晴後曇
 
★日記

    夜明けの上田渡付近  落合トンネル出口で県道42へ  街道筋の苔むした地蔵

    本成の三嶋神社      大きなスズメバチの巣  上畦々の県道42との分かれ

      だんじり岩          鴇田(ひわた)峠       久万町の大宝寺入口

 きょうは山越えの長距離なので、旅館の女将さんの助言に従って霜が月明かりに光っているなかを6時前に出発しました。R379を田渡川沿いに進み落合トンネル出口を右折して旧久万街道の県道42に入ります。道には苔むした地蔵や道しるべが散在し古い街道筋であることをしのばせています。街道筋と並行している渓流には、庭石のような緑がかった岩が綺麗に積み重なって淵を形作っているのが楽しめました。本成集落の三嶋神社近くの民家軒先に大きなスズメバチの巣もありました。上畦々(かみうねうね)で遍路道は県道42から分かれ、下坂場峠越えに入ります。峠を下り宮城集落を過ぎると鴇田峠(ひわたとうげ)に向かいます。峠に向かう杉林の遍路道にはだんじり岩と言う大岩もあります。峠には薄っすらと雪が残り、久万へ下る日陰の遍路道は雪道になっていました。一旦久万町へ下ると大宝寺の参道の上り坂があります。久万町にて名物の「おくま饅頭」を食べて見ました。小豆の皮を除いた「あん」のみでこしらえた京風の上品な味の菓子ですが、疲労した身体には少しもの足りませんでした。

●だんじり岩
この十畳敷きほどある大きな岩は、その昔弘法大師が四国八十八ヶ所巡錫の時あまりの空腹と疲労のため自分の修行の足りなさに腹を立てこの岩の上で「だんじり(じだんだ)」を踏んで我慢されたそうです。その時踏んだ「だんじり」の足跡が岩に残っており、それ以来誰言うとなくこの岩を「だんじり岩」と呼ぶようになったそうです。

●鴇田(ひわた)峠
この峠は標高約800メートルに位置し(久万町役場は約500メートル)、古くは二名(にみょう)地区と久万地区を結ぶ主街道として賑わった所で昭和30年頃まではこの場所に茶屋があり行き交う人々が一休みしたそうです。鴇田峠の名称は一説には弘法大師が八十八ヶ所開基の折大洲からずっと雨続きでこの峠でやっと晴れ、「日和(ひより)」だと言われたのが訛って「鴇田(ひわた)」になったと伝えられています。

   44番大宝寺参道         44番大宝寺        44番大宝寺本堂

  大宝寺うら遍路道の地蔵   大宝寺うら遍路道の峠     峠御堂トンネル合流点

   住吉神社           八丁坂へ続く遍路道       遍照金剛の大石碑

   八丁坂茶店跡          八丁坂の丁石        岩屋寺へ続く尾根道

 大きな杉の大木が並ぶ参道を登ると仁王門があり、更に石段を登ると本堂などの伽藍が深山にたたずんでいます。この44番大宝寺で、札所の数では半分ですが距離的には約3分の2が終わったことになります。大宝寺からの遍路道は、うっそうとした杉林の中、点々と残る石仏や遍路石を見ながら峠を越えて、峠御堂トンネル出口で県道12に合流します。この辺りできょう初めて単独行の歩き遍路の男性と出会いました。僕と同様区切打ちで、足が少し悪いため長距離の所は交通機関を利用して遍路しているそうです。歩きにこだわらないこのような遍路も好ましい方法だと思いました。お先に失礼して住吉神社の四差路を東進し、しばらく行ってから県道12から分かれ遍路標識に従って右の遍路道に入り、ゴルフ場を左に見て灌木帯の整備された遍路道をなだらかに登ります。
 小さな峠を越えると未舗装の林道に出て八丁坂の入口に着きます。ここから急坂の山道をフーフー言って登り尾根に出ると槙谷(今朝出発した突合を右方向へ行き農祖峠を経てくる道)からきた遍路道と合流し、後はなだらかな尾根道となります。合流点には八丁坂茶店跡があります。

●八丁坂の茶店跡
 ここは野尻から中の村を経て槙ノ谷から上がる「打ち戻り」なしのコースとの出会い場所です。槙ノ谷は、昔、七鳥村の組内30戸ほどの人がこの道こそ本来のコースであることを示そうとの意気込みをもって、延享5年(1748年)に建てた「遍照金剛」と彫った大石碑が建っています

    岩屋寺うらの修行場      岩屋寺うらの修行場     逼割(せりわり)行場

   岩屋寺うらの修行場     45番岩屋寺山門        45番岩屋寺岩壁

   5番岩屋寺本堂          石仏群             岩屋寺参道

   岩屋寺参道           国民宿舎古岩屋荘      古岩屋荘前の祠

 尾根伝いに進むと砂岩の塔や岩壁に洞穴の散在する薄暗い修行場に着きます。逼割(せりわり)の修行場もあったが錠前がかかり入れませんでした。祠や石仏の中を下っていくと45番岩屋寺山門を経て本堂前に着きます。あらためて見上げると巨大な岩壁にへばりつくように本堂や大師堂が建てられており、峻険な岩山に独特な雰囲気があります。大峰奥駈道の山上ヶ岳行場に一脈通じる所があるように感じました。

●逼割(せりわり)行場
 開山の法華仙人が弘法大師に通力を見せた跡と伝えられています。岩の裂け目を鎖と梯子でよじ登り頂上の白山大権現に詣でます。山岳修験者たちの古くからの行場で、山岳重畳の眺望をほしいままにし、はるかに石鎚を望むこともできます。

 岩屋寺から石仏群の並んだ清々しい参道を下り、県道12へでて下流方向へ下ると温泉のある国民宿舎古岩屋荘に着きます。県道12をたどる際、両側に見える山々は殆ど砂岩の岩山が多く、ミニ桂林のような独特の景観を呈しています。古岩屋荘の向い側に祠やバス停(屋根や囲いもある)があり、国民宿舎で温泉にも入れるので野宿遍路の人たちが泊る所でもあります。  

★納経帳
      44番             45番          

★ルート断面図

★地  図