八甲田大岳(1584.4m)

 

★ひとこと   「酸ヶ湯から初冠雪の八甲田大岳を経て紅葉の毛無岱へ」

酸ヶ湯から初冠雪の八甲田大岳を望む


★行った日   2017年10月5日(木) 曇一時晴 山頂ガス強風 単独

★コース

(道の駅)奥入瀬(8℃)6:19(R102、R103)=7:07酸ヶ湯温泉P7:25→高田大岳分岐9:07→10:00(1584.4m)八甲田大岳10:15→井戸岳分岐10:35→ロープウエー分岐11:11→11:20丸沼ベンチ11:31→城ヶ倉分岐12:16→酸ヶ湯温泉12:40→12:48酸ヶ湯温泉P13:18(R103、R394、R102、R339、R101)=16:00(日帰り温泉)不老不死温泉16:44(R101)=(道の駅)はちもり17:15(車中泊)

 東北シリーズ第4座目は八甲田連山主峰の八甲田大岳だ。前回はロープウエーを利用して登っただけなので今回は念願の毛無岱(けなしたい)が目玉だ。酸ヶ湯(すかゆ)温泉から仙人岱を経て大岳へ登り、井戸岳を経て毛無岱へ下る計画だったが、稜線がガスと強風のため避難小屋から直接毛無岱へ下って周回だ。標高千米以上は雪雲に覆われた陰気な曇り空の(道の駅)奥入瀬を出発、睡蓮沼に寄り道して、時々ガスに覆われる酸ヶ湯温泉到着だ。人気の酸ヶ湯温泉らしく広大な駐車場の半分以上が埋まり、早朝から三々五々人々が散策中だ。
 紅葉真っ盛りの登山口から灌木帯の階段を登り、硫化水素の臭いが鼻をつく地肌露出地帯を登る。紅葉の始まった灌木帯の歩き難い岩塊の道をしばらく登ると、表示によれば南八甲田連峰が展望できるらしいが、ガスって何も見えない崖上の地点だ。標高1200からガスが濃くなり、硫化水素ガスや炭酸ガスの噴気に注意の掲示を眺めながら、岩塊原の沢筋を一歩一歩登ると積雪が目立ち始める。昨日からの初冠雪らしい。勾配が緩くなるとともに風が強くなり、仙人岱の一面真っ白の木道が現れ、仙人岱ヒュッテを右に分けた先が高田大岳分岐だ。木道で湿地帯を抜け、笹原の道を登るとアオモリトドマツの樹林帯だ。まだモンスターにはならず、重たそうな湿雪が枝に覆いかぶさっている。

              (高田大岳(右端)も雲の中の睡蓮沼の紅葉)

     (睡蓮沼入口)        (酸ヶ湯Pの大岳登山口)     (八甲田大岳登り口)

 (火山性ガス発生地帯を登る)     (岩塊の道を登る)    (標高1200ガスって視界不良)

(再び硫化水素発生地帯を登る)(仙人岱は視界や足元も真っ白)(アオモリトドマツの間を登る)

 標高1450で森林帯を抜けると突然に烈風だ。雲に隠れた山頂を見て冬のヤッケを着てきたのが正解、気温がそんなに低くないこともあって寒さは大丈夫だが吹き飛ばされそうだ。棒切れに成長したエビの尻尾は20〜30センチに達し、落石防止ネットに付着した霧氷は芸術作品だ。寒さより霧氷の芸術に見とれながらぼちぼち歩を進め、勾配が緩むと雪で埋もれ始めた爆裂火口の鏡沼だ。お化けのようになりつつある小灌木帯を抜けると烈風吹きすさぶ何も見えない八甲田大岳山頂広場だ。天候はよくなる方向に向かっているらしく、一瞬ガスが晴れて毛無岱まで見えることもあり、時間の経過とともに晴れ間の回数が多くなってきたが、風の強さは相変わらずだ。たまに見える井戸岳を正面にして、ガスに包まれた急坂を滑らないように下り始めた。樹林帯に入ってモンスターになりかけのアオモリトドマツを見ながら、その下を抜けると風が谷間を吹き抜ける避難小屋だ。計画では井戸岳から稜線を経て田茂萢(たもやち)岳の手前から上毛無岱へ下るつもりだったが、道はしっかりしているが強風と視界不良が予想されたので、ここから毛無岱へ直接下ることにした。

 (1400地肌露出地帯を登る)(エビの尻尾20〜30センチに成長)  (ネットに付着した霧氷)

   (ネットの美しい模様)       (成長する霧氷)       (烈風の八甲田大岳頂上)

                   (一瞬の晴れ間の山頂風景)

    (晴れ間の山頂)         (北へ下り始める)     (将来モンスターに成長?)

            (大岳下り道から一瞬の晴れ間の井戸岳を望む)

 熟年女性の団体さんで満員の賑やかな小屋をパス、積雪の途切れ始めたアオモリトドマツの樹林帯を下り、笹原の小灌木帯に入る。雪もなくなり、ロープウエーからの道を合わせて草紅葉の木道をなだらかに下る。上毛無岱の丸沼ベンチで大きなカメラの熟年男性と歓談、撮影が目的でガスが晴れるのを待っているそうだ。また彼曰く、下毛無岱の撮影は250?段目(階段に表示)の階段からがベストだそうだ。なるほど実際に階段を下ると、そこより上でも下でも両側の木々が邪魔になって視界不良だ。下毛無岱の草原に池塘が点在する景観を楽しみつつ階段を下り、正面に岩木山を眺めながら下毛無岱をなだらかに下る。折からガスが晴れ、振り返ると雪化粧した田茂萢岳、赤倉岳と井戸岳、大岳の三山が紅葉した山裾の上に並んで鎮座している姿は壮観だ。下毛無岱を過ぎて標高1000を切ると色づいた小灌木帯に入り、城ヶ倉を右に分け、ブナなどの広葉樹林帯を下る。やがて正面に酸ヶ湯温泉駐車場が見え、歩き難い急坂を下ると酸ヶ湯温泉旅館に隣接した登山口だ。車道をちょっと登り返すと酸ヶ湯温泉駐車場だ。あすの白神岳に備えて弘前を経て岩木山を左に見て日本海に沿って進み、海岸線の夕日で有名な不老不死温泉で疲れを癒し、青森・秋田県境を過ぎた所の(道の駅)はちもりで車中泊だ。余談ながらここには白神山地を水源とするお殿水(おとのみず)が湧き出ており、貯水の汲み代えだ。
 幸運にも初冠雪の日に登ることができ、烈風で吹きさらしだったが、霧氷で覆われた八甲田大岳は珍しい体験だった。酸ヶ湯から見上げる紅葉した山肌の上に雪を頂いた八甲田大岳のそびえる姿が素晴らしい。また、雪化粧した八甲田連峰を背景に池塘が点在する紅葉した高層湿原を歩くのは最高の気分だ。

  (満員の避難小屋をパス)      (樹林帯に入る)           (上毛無岱を下る)

 (階段から下毛無岱を俯瞰) (岩木山を正面に下毛無岱を下る)(晴れ始めた大岳を振り返る)

         (下毛無岱から田茂萢岳(左)井戸岳(中央)大岳(右)を望む)

  (紅葉した小灌木帯に入る)   (黄葉した樹林帯を下る)  (酸ヶ湯駐車場を正面に下る)

  (酸ヶ湯温泉登山口へ)     (酸ヶ湯温泉旅館の隣へ)   (酸ヶ湯温泉駐車場へ帰着)

★道で出会った花

   ヤマアジサイ(登山口)    アキノキリンソウ(登山口)      ムシカリ(登山口)

★ルート断面図


★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       八甲田・岩木山・十和田湖
・2万5千分の1地形図  酸ヶ湯、八甲田山

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