前黒法師岳(1943.2m)

 

★ひとこと   「寸又峡温泉から長丁場の急登を経て寸又三山の最高峰へ」

沢口山から前黒法師岳(右は不動岳)を望む


★行った日   2017年11月16日(木) 晴一時曇 単独

★コース
寸又峡温泉6:11→飛龍橋6:44→前黒法師岳登山口6:54→湯山集落跡7:23→湯山林道出合8:01→枝尾根取り付き→9:04栗の木の段9:10→10:13休憩10:19→イワカガミ群生地10:35→白ガレの頭10:45→11:59(1943.2m)前黒法師岳12:23→白ガレの頭13:03→13:49栗の木の段10:53→湯山林道出合14:16→湯山集落跡14:37→14:55前黒法師岳登山口15:00→寸又峡温泉15:43

 何となく響きのよい黒法師と名の付く山が深南部に黒法師岳、前黒法師山、前黒法師岳と3座あり、登り残していた前黒法師岳は朝日岳、沢口山など寸又三山の最高峰でもある。寸又峡温泉を起点に湯山林道の登山口から取り付き、栗の木の段を経て樹林尾根で山頂をピストンの計画だ。多くの観光客が夢の吊橋へ向うルートと同じ大間林道ゲートが出発点だ。
 僕の足では長時間が予想されるので、昨夜のお握りを宿で押し込んだだけで日の出前に温泉街北端のカジカ沢を渡った先の大間川林道ゲートを出発だ。右下に大間川にかかる猿並橋を眺めながら大間川林道を北上、天子トンネルを通ってまだ日陰の夢の吊橋を右足下に見ながら進み、高さ70メートルの飛龍橋を渡って地道の湯山林道へ左折だ。山稜付近は朝日に輝いているが峡谷の紅葉はまだくすんだ色合いだ。車も通れないほど荒れた林道を10分ほど進むと急なザレ場の前黒法師岳登山口だ。砂礫に半分埋まったアルミ階段を登るとしっかりした急な山道にでる。やがて植林帯の中に石積みの平地が急斜面の段々畑のように現れる。地形図の点線の水平道との交差点に湯山集落跡の表示があり、地形的に集落の中心部らしい。樹林帯の斜面をジグザグにトラバース気味にしばらく登ると作業小屋の建つ湯山林道だ。登山口の林道の続きで、大台の父ヶ谷林道や大台林道の終端部によく似た荒れ果てた林道だ。真正面に見えるのが朝日岳だ。ここで失敗、下山時に分かったことだが、林道からの登り口は小屋の前だがそれの気付かず、取りつきを探しながら右へ林道を進み、急なガレ場を登ろうとして失敗、次の枝尾根のザレ場から登ってちょっとした薮コギをすると山道に合流だ。登山口で登り口が崩壊気味だったのでここも道が崩落したと考えたのが原因だ。合流して見事な陰影の朝日岳を樹間から眺めながら登ると栗の木の段だ。

 (大間川林道ゲートから出発) (朝日岳へ向う猿並橋を足下に)   (天子トンネルを通る)

 (夢の吊橋を右下に眺めつつ)      (飛龍橋を渡る)   (湯山林道の前黒法師岳登山口)

(壊れかけのアルミ階段を上る)  (湯山集落跡の石積み)     (急坂をジグザグに登る)

(作業小屋の建つ湯山林道出合)(ガレ場を登り始めるが中断)  (登り易そうな斜面を登る)

   (正規の登山道出合)     (樹間から朝日岳を望む)      (栗の木の段の平地)

 ここからしばらく幅広のゆったりした尾根となり、ヒメシャラ、ミズナラ、ブナなどの大木をぬいながら登ると、徐々にツガやシラビソの割合が多くなってくる。標高1600付近の倒木の多いイワカガミ群生地を過ぎ、地形図の崖マーク上の白ガレの頭がこのコース唯一の絶好の展望所だ。あす登る予定の沢口山から山犬段へ続く稜線が南面に望める。P1665を過ぎて少し下り、シラビソ原生林の急坂尾根を休み休み頑張って登ると勾配が緩くなって林間の前黒法師岳三角点だ。直進の尾根道は黒法師岳へ向う道だ。4年前に黒法師岳に登ったときに寸又峡→前黒法師岳→黒法師岳→バラ谷の頭→鋸山→山犬段→沢口山→寸又峡と日帰りで周回していたトレラン姿のまぶしい若者を懐かしく思い出した。南面の小さな切り開きから霞んだ山並みの彼方に島田方面が光っている。定番の昼食後、時間的に余裕があるのでゆっくり下山だ。上りは道迷いもあってしんどく苦労して登ったが、下りは順調に大間林道ゲートに帰りついた。あすの沢口山のため寸又峡温泉でもう一泊だ。
 このコースは樹林歩きが多く展望地は少なく、湯山林道出合と白ガレの頭で眺望があるだけだ。しかしシラビソの原生林歩きで南アの片鱗を感じることができる。下山時に気付いた私見だが山頂から栗の木の段までにシロヤシオが樹林に点在するさまや、林道の具合も台高とよく似た山だ。

 (原生林の尾根を登り続ける)     (イワカガミ群生地)        (白ガレの頭)

              (白ガレの頭から山犬段〜沢口山へ続く稜線を望む)

(1750の何も見えない展望所)   (シラビソ原生林を登る)    (前黒法師岳三角点)

 (山頂から島田方面を望む)  (1600から大無間山と朝日岳) (登山道で湯山林道へ下る)

   (前黒法師岳登山口へ)       (湯山林道を戻る)      (飛龍橋から一気に人が増える)

★道で出会った花(花はなし)

★ルート断面図


★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       南アルプス・塩見・赤石・聖・荒川・光・笊ヶ岳・大無間山
・2万5千分の1地形図  寸又峡温泉

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