小野村割岳(931.7m)

 

★ひとこと   「佐々里峠から紅葉晩期の芦生杉尾根で小野村割岳」

カミナリ杉のオブジェ


★行った日   2023年11月3日(金祝) 晴 単独

★コース

高槻5:40(R171、府道38)=7:51佐々里峠P(8℃)8:00→灰野分岐8:26→9:16P832 9:23→9:33赤崎中尾根分岐9:51→ワサ谷西尾根分岐10:38→P911 10:47→11:16(931.7m)小野村割岳(昼食)11:44→P911 12:08→ワサ谷西尾根分岐12:14→12:53赤崎中尾根分岐13:02→P832 13:11→灰野分岐13:41→13:58佐々里峠P 14:04(府道38)=道の駅 美山ふれあい広場(府道19)=園部IC(京都縦貫道)=亀岡IC(府道402、府道46)=高槻16:31

 11月に入って季節外れの夏日が続き、紅葉の進み方が止まった感じだ。そこで紅葉の進み具合の偵察をかねて、芦生杉見物に京都北山の小野村割岳だ。体力をなるべく使わず楽に行けるように、山頂と標高差の少ない佐々里峠から巨樹と紅葉の稜線歩きで小野村割岳を往復する計画だ。晴れの連休初日とあって早朝からマイカーの出足が早く、車の多い西国街道R171を京都方面へ向かう。大山崎を過ぎると車は少なくなり、京都市街を快調に通り抜けて鞍馬街道を北上だ。色づき始めた静かな鞍馬界隈から狭い府道で花背峠を越え、黄葉した別所を過ぎて大布施から桂川沿いに北上すると京都バス終点の広河原だ。黄葉した風景を愛でながら急なくねくね道を進むと、山裾に石室があり5、6台分の駐車スペースのある佐々里峠だ。黄葉最盛期を迎えた佐々里峠は、8℃と異常に暖かだ。
 薄手のウインドブレーカーをはおっただけの初秋のいでたちで出発だ。朝日を浴びて金色に輝く山肌に向かって、石室の裏から梯子を上ると登山道が山腹に伸びている。ブナやミズナラの大木が立ち並ぶ山腹の道を緩やかに登り、稜線に出ると時々巨木の杉が現れる歩き易い道が続く。黄葉樹の木漏れ日を浴びて稜線を進み、ブナの苗床と化した枯死した大木の先が灰野分岐だ。灰野は由良川源流の京大演習林にあった今はなき廃村だ。灰野を左に見て分岐を直進、枯死した古木を眺めながら尾根道を登ると、演習林立入禁止表示のあるP840だ。ここから尾根方向を北から東に変え、点在する巨木百態を楽しみながら、倒木を迂回したり、紅葉の混じる落葉絨毯の樹林で育苗倒木を観察したり、うろうろしながら進む。

    (佐々里峠登り口)        (石室裏の梯子を上る)    (ブナなど広葉樹の森を行く)

   (黄葉の美しい道を行く)    (道端に巨木が現れる)     (苗床になった枯木)

   (灰野分岐を直進)     (P840演習林立入禁止表示)    (点在する巨木)

   (明るい稜線を行く)     (倒木跡がトンネルになった木)     (倒木の尾根を行く)

    (斜面にたたずむ巨木)    (藪っぽい稜線を行く)      (陽に映える紅葉)

 (紅葉落葉絨毯の広場を行く)      (育苗倒木)        (堂々としたミズナラ?大木)

 土に返る寸前の苔むした倒木、枯死寸前の古木や壮年期の芦生杉を見ていると、樹木の輪廻を目の当たりにする思いだ。P832を過ぎて個性的な巨木の傍らを少し進むと、空洞の目立つカミナリ杉が目印の赤崎中尾根分岐だ。由良川源流から分岐した赤崎西谷と赤崎東谷にはさまれた赤崎中尾根は巨樹が林立する尾根で、将来にわたって残すべき遺産だ。残念ながら演習林の許可なしには立入れないので入口付近の様子見だけだが、巨樹の展示場の趣だ。根元は黒こげの空洞で枯死したような姿だが、梢は青々と茂らせているカミナリ杉を後にして、方向に注意して西へなだらかに下る。鞍部からしばらくしんどい上りが続き、点在する巨樹に気を紛らわせながら、木漏れ日を浴びつつ進む。やがて森林が途切れて羊歯原の斜面が現れるとワサ谷西尾根分岐だ。分岐付近の小木に、字の読めなくなった小さなプレートがかかっているのが唯一の目印だ。ワサ谷西尾根には踏み跡があり、下の町広河原のバス停に通じている。

     (苔むした倒木)          (壮年の芦生杉)             (P832)

      (双子の巨木)         (ハニワ形巨木)     (赤崎中尾根分岐のカミナリ杉)

   (カミナリ杉の上部)       (赤崎中尾根の巨木1)     (赤崎中尾根の巨木2)

   (赤崎中尾根の巨木3)      (育苗中の古木)       (稜線下にたたずむ巨木)

   (ややこしい巨木)          (横から見た所)        (見事な共生木)

     (乗っ取りブナ)      (迷い易いワサ谷西尾根分岐)     (横倒しブナ)

 分岐でワサ谷西尾根を右に分け、羊歯原を直進して黄葉した美しい疎林帯尾根をなだらかに登るとP911の巨木だ。表示通りに右折、樹間から北に百里ヶ岳?を眺めつつ、巨樹の点在する爽やかな疎林帯尾根を進む。小さなアップダウンを繰り返しつつ、忠実に尾根芯をたどると小野村割岳三角点だ。山頂の南斜面は切り開かれているが、展望はあまりよくなく近くの山稜がうねっているだけだ。山頂でゆっくり店を開いてから、往路通りに下山だ。陽光に映える黄葉を愛でながら順調に佐々里峠へ戻る。車は5台に増えていたが、一人の登山者にも会わなかったので、廃村八丁方面に行かれたと思われる。帰りは京都市街や湖西道路の渋滞が予想されるので美山回りだ。佐々里峠から黄葉真っ盛りの由良川源流沿いに快適ドライブ、美山かやぶきの里から交通量が増えたが渋滞にはならず、大繁盛の道の駅美山ふれあい広場を横目に順調に進み、園部から高速で帰阪した。
 山間部の広河原や美山は黄葉最盛期だが、標高800mの稜線は紅葉絨毯の黄葉晩期だ。稜線に散在する芦生杉は予想にたがわず、枯死した育苗倒木、ブナに乗っ取られている老木、筋骨隆々たる壮年期など、各様の姿が見られる。佐々里峠から山頂までの標高差は200mもないが小さなアップダウンが多く、踏み跡の薄い所もあって結構しんどいルートだ。この山のしっかりしたルートは下の町からワサ谷を辿るルートだ。

  (羊歯原の黄葉林を行く)    (P911の巨木を右折)    (北に垣間見える百里ヶ岳?)

   (稜線に点在する巨木)      (爽やかな尾根を行く)   (この巨木が山頂間近の目印)

   (小野村割岳三角点)     (紅葉を愛でながら下山)    (枯木に生えるカエデ幼木)

    (P911を左折)      (ワサ谷西尾根分岐で再び迷う)(杉大木の背中に生えたブナ)

     (ねじりブナ)          (紅葉の道を戻る)         (佐々里峠へ戻る)

★道で出会った花(花はなし)

★ルート断面図


★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図        京都北山
・2万5千分の1地形図   中、久多

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