大杉谷(七ッ釜滝(534m))

 

★ひとこと   「三発からヒルに噛まれて蒸し暑いバテバテの大杉谷」

七ッ釜滝


★行った日   2017年7月22日(土) 曇時々晴一時雨  単独
          2017年7月23日(日) 晴後曇一時雨    単独

★コース
(7月22日)
高槻4:10(近畿高速、西名阪)=柏原IC(R165、県道30、R309、R169、県道28、R166、R422、県道53)=7:45宮川第3発電所P8:00→京良谷出合9:10→10:00千尋滝休憩舎10:19→11:20しし淵11:30→ニコニコ滝休憩舎11:44→桃ノ木小屋12:42
(7月23日)
桃ノ木小屋6:23→6:52七ッ釜滝休憩舎7:02→7:31桃ノ木小屋7:42→8:36ニコニコ滝休憩舎8:46→しし淵9:03→9:55千尋滝休憩舎10:11→京良谷出合10:49→11:47宮川第3発電所P12:06(県道53、R422、R166、R165、大和高田BP、県道30、R165)=柏原IC(西名阪、近畿高速)=高槻16:18

(7月22日)
 初めて訪れる念願の大杉谷だ。三発から桃ノ木小屋泊りで堂倉滝をめざすが、蒸し暑さのため体力の消耗が激しく、結果的に七ッ釜滝までのピストンだ。トイレや登山届けのある大杉バス停から薄雲のかかる大杉国見山の山稜を右に見て貯水池の右岸を走ると赤橋だ。うぐい谷高の凸凹の稜線を正面に見ながら懐かしい赤橋を渡り、宮川貯水池の左岸をしばらく進むと大杉峡谷バス停のある駐車場だ。すぐ手前の山側にはホウノキ平を経てうぐい谷高不動谷ダムへ向う登り口がある。ちょっと先のトイレ手前に拡幅部があり、すでに3台とまっている最終スペースに路駐だ。昨日の雨に濡れた夏草のためスパッツをつけ、ヒル忌避剤を吹きつけて出発だ。山峡に雲がまつわりつくが暑苦しい陽光が照りつけるなか、水かさの少ない宮川の河原を左下に眺めながら発電所建物横を進むとカウンターのある登山口だ。
 冬季閉鎖ゲートを過ぎるとすぐに岩壁をうがった高度感たっぷりの道を鎖を片手に進む。正面に日浦杉山の稜線を眺めながら流れに沿って樹林帯を進むと大日ー吊橋だ。大日ーのスラブ状壁面の道を通り抜けると能谷吊橋だ。能谷川原を過ぎると地蔵谷吊橋だ。広々とした流れに沿って樹林帯の畔の水位観測所を過ぎてしばらく進むと川幅の広い京良谷出合だ。しばらく樹林帯を進むと日浦杉山から伸びる尾根を越えた先の谷筋を渡る。高度感のある美しい日浦杉吊橋だ。険しい断崖の道を進むと対岸(右岸)が水越谷出合だ。ここで露出している左腕に違和感を感じ、触るとグニャリ、長さ3センチ位の黒紐がへばりついており、塩などで自発的に脱落させるのがよいのだがパニックになってその場で引っ剥がしたがこれで1、2週間痒みに悩まされそうだ。

 (宮川貯水池の赤橋を渡る)   (三発路駐地点を出発)    (宮川第3発電所横を進む)

   (登山口から山道へ)    (岩壁の道を鎖を片手に進む)(谷筋の正面に見える日浦杉山)

  (大日ー吊橋を振り返る)      (能谷吊橋を渡る)       (能谷川原の傍らを進む)

   (地獄谷吊橋を渡る)      (河床にある水位観測所?)    (開けた左岸を進む)

  (対岸の京良谷出合を行く)     (日浦杉吊橋を渡る)    (対岸の水越谷出合を行く)

 水越谷出合から少し進むと、崖から前方左下に見えるのが千尋滝下端合流部、左頭上に見えるのが千尋滝の上端滝口だ。1尋=5尺≒1.5メートルなので千尋とは大げさ過ぎるが落差160メートルだそうだ。全貌は樹林に隠されて見えないが、岩頭の千尋滝休憩舎から望む滝の姿はなかなか雄大だ。千尋滝口へ大台林道から行けるらしいが、宮川本流から登る地形図の点線の道は廃道と思われる。休憩舎から厳しい岩壁をへずったりアップダウンを繰り返し、水滴の滴る大岩の間を通り抜けるとしし淵の河原だ。両岩壁の間にたたえられたコバルトブルーの淵の彼方にニコニコ滝が垣間見える水墨画の世界だ。左岸の巻道を登り、水煙の降り注ぐ滝の下を通って吸い込まれそうな深緑の淵を足下に眺めながら岩壁のへつり道を進むとニコニコ滝休憩舎だ。休憩舎から1条のニコニコ滝が真正面だ。この滝は嘉茂助谷の頭を水源とする嘉茂助谷の末端に位置している。休憩舎から岩壁を進み、巨大な岩盤のそそり立つ平等ー手前から本流を平等ー吊橋で右岸へ渡る。大杉峡谷筆頭の峡谷美を備えた吊橋だ。橋を渡るとすぐに急な岩場を頑張って登る。

   (千尋滝下端合流部)    (頭上に見える千尋滝上部)       (千尋滝休憩舎)

  (全貌は見えない千尋滝)    (険しいアップダウンが続く)     (大岩の隙間を通る)

       (しし淵)        (しし淵左岸巻道にかかる滝)  (岩壁へつり急坂が続く)

(足下のエメラルドグリーンの淵)  (ニコニコ滝休憩舎)          (ニコニコ滝)

   (平等ー吊橋で右岸へ)    (そそり立つ平等ーの岸壁)        (岩場を登る)

 嘉茂助吊橋を渡って対岸の不動谷出合を過ぎ、大台林道を左に分けると桃ノ木小屋へ渡る吊橋だ。蒸し暑さと小刻みに続くアップダウンに体力を消耗してバテバテになってやっと到着だ。先に進む意欲もなくして靴を脱ごうとしたが小屋のオネエチャンからヒルを払っての注意を受ける。靴を脱ぐと靴下が血でぐちゃぐちゃだ。噛まれた跡が両足で4ヶ所、丸々とした黒いヤツが5匹余り靴下から転がり落ちてきた。忌避剤をズボンや靴の外から吹きかけただけでは駄目、スパッツや靴下内にも念入りに吹き付けることが必要だ。まだ昼過ぎだが蒸し暑さとヒル騒動で前進は諦め、ゆっくり小屋で午後を過ごすことにして冷えたビール(ロング缶700円)で昼食だ。幸い小屋には風呂もあり(洗剤は駄目)、さっぱりしてがら空きの小屋で昼寝だ。天候がよくても大杉谷は雨の名所、午後4時頃から降り出し、しっとり濡れた緑の渓谷を見ながら美味しい夕食だ。久しぶりの営業山小屋生活を楽しみ、早くから寝てしまった。
(7月23日)
 元気を回復、小屋下の小さな実のなっている桃の木のベンチで靴下などに入念に忌避剤を吹きつけ、装備万端整えて出発だ。山峡は日陰ながら時々朝日に輝く山稜を眺めつつ堂倉滝めざして歩き出し、アップダウンの続く断崖の険しい道を進む。やがて急流と淵が連続するとその先が七ッ釜滝休憩舎だ。正面に見えるのが名瀑百選の七ッ釜滝だ。美しい三段の滝の姿だ。山稜を眺めると晴にも拘らずガスがかかり始め、気象の不安定な状態が続いているのできょうも夕立必至だ。堂倉滝はかつて訪れたことがあるので、蒸し暑さによる体力低下も考えてここから退却だ。小屋に残置した荷物を回収、往路通りによたよたと小屋から4時間もかかって幸いヒルにも襲われず登山口だ。帰途、赤橋付近でポツリ、R422の湯谷トンネル付近では土砂降り、夕立に逢わずに帰宅成功だ。
 大杉峡谷は美しい滝、淵、高巻道の続く渓谷に鎖や吊橋が完備し、奥深い谷筋を安全に楽しむことができる。今の時期、低標高の沢筋は蒸し暑さとヒルに悩まされるので要注意だ。もう一度涼しい紅葉の峡谷を訪れたいものだ。
(備考)GPSについて
 2005年から使っているLegend Cと新しいスマホXperia XZを併用したが、スマホは峡谷のためGPS検知精度は落ちるが何とかログをとれたが、専用機の旧モデルは殆んどログがとれなかった。掲載の地図はスマホのログを少し修正したものだ。

    (嘉茂助吊橋を渡る)       (対岸の不動谷出合)       (大台林道分岐)

  (バテバテで桃ノ木小屋到着)   (桃ノ木小屋を出発)      (アップダウンの道が続く)

 (高度感たっぷりの岩壁の道)   (小滝の連続する沢筋)        (七ッ釜滝休憩舎)

   (名瀑100選の七ッ釜滝)     (桃ノ木小屋へ戻る)        (平等ー付近を戻る)

 (しし淵から見えるニコニコ滝)   (大日ーの壁面を戻る)       (登山口ゲートへ)

★道で出会った花

  ヘクソカズラ(桃ノ木小屋)    ヒメレンゲ?(桃ノ木小屋)    レンゲツツジ(七ッ釜滝)


   オミナエシ?(七ッ釜滝)     ミズヒキ(千尋滝)      マルミノヤマゴボウ?(大日ー)


★ルート断面図

★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       大台ケ原・高見・倶留尊山
・2万5千分の1地形図  大杉峡谷

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