白山(御前峰(2702.2m)大汝峰(2684m))


★ひとこと   「別当出合から観光新道で花最盛期の過ぎた白山へ」

大汝峰から白山火口を望む
   
★行った日   2017年8月26日(土)  曇   単独
          2017年8月27日(日)  晴   単独
 
★コース
(8月26日)
高槻13:00(名神、北陸道、中部縦貫道)=勝山IC(R157、県道33)=17:00市ノ瀬
(8月27日)
市ノ瀬(14℃)(バス)5:06=別当出合5:30→6:57別当坂分岐7:03→中間点表示7:37→8:36殿ヶ池避難小屋8:50→馬のたてがみ9:25→(2240m)蛇塚9:48→10:01黒ボコ岩10:06→10:42室堂11:19→12:16(2702.2m)御前峰12:32→翠ヶ池13:00→千蛇ヶ池・室堂分岐13:14→13:46(2684m)大汝峰13:57→千蛇ヶ池・室堂分岐14:15→14:18五色池14:26→室堂(10℃)15:14

 白山へは5年ぶりだがほぼ同じコーストレースするのは8年ぶりだ。今回はまだ行ったことのないお花松原に立ち寄るのが目玉だ。別当出合から観光新道で登り、室堂で一泊してお花松原を経て釈迦新道で市ノ瀬へ下る計画だ。いままで白山へは早朝(夜中?)に出発していたが今回は前日に市ノ瀬で車中泊だ。中部縦貫道が福井北ICから大野ICまでつながり、便利になって大阪から予定より早く勝山到着だ。市内で食料を調達、おまけにベルトをしてないことに気付いてやっと販売店を探し当てて購入、快適ドライブで市ノ瀬に到着したが駐車場が超満員だ。係りの人の話では当日(26日)朝に豪雨のため市ノ瀬付近が通行止、そのため登山開始が遅れて多くの人がその日に下山できず、残置車が多くスペースが空かなかったそうだ。何とか駐車場の隅っこに車を滑り込ませ、一杯やって熟睡だ。夜半に寒さで目覚め、満天の星空に安心してタオルケットすら忘れた暢気さに我ながらあきれながら薄いシュラフにもぐりこんで寝てしまった。周りのざわめきに4時過ぎに目覚め、助六と熱いコーヒーで腹ごしらえしてすでに長蛇の列のバス停へ、3台目?のバスに揺られてぎゅうづめ立ちんぼで別当出合だ。登山届け提出の連呼に呼応してから三々五々鳥居をくぐって出発だ。
 殆んどの登山者が渡っている砂防新道の吊橋を正面に見て左へ、静かな観光新道の急な石段を踏み締めながらゆっくり上る。掘れ込んだ石ゴロゴロの急坂を傍らのブナの木を眺めながら息を弾ませて頑張るがしんどい坂だ。林道広場を経て所々整備された石段も現れる急坂を、時には右下に現れる中飯場の建物を見ながら登り、樹林帯を抜け灌木帯になって見晴しがよくなるとともに勾配もなだらかになる。南に赤兎山などの加越山地の山々が見えてくると越前禅定道と合流する稜線出合だ。草花の増えた展望のよい急な笹原の稜線をしばらく登ると岩場だ。展望のよい岩稜を越えると勾配が緩くなるとともに前方の視界が開け、正面に白山の本峰は見えないが肩にあたる黒ボッチ岩付近までの稜線が見え、右の別山やその手前の谷筋が壮観だ。小さなアップダウンを繰り返しながら笹原尾根を進むと中間点(別当出合3K・室堂3K)標識の立つ大岩だ。左に下山時に通る予定の存在感のある白山釈迦岳を見ながら笹原稜線をしばらく進み、新設された火口から2キロの標識を過ぎて一旦下って花園斜面を登り返す。上方に殿ヶ池避難小屋を眺めつつ、ヨツバシオガマ、ハクサンフウロ、カライトソウなどの咲き乱れるチシマザサの急斜面をフーフーいいながら休み休み登る。やがて沢山の人が憩っている殿ヶ池避難小屋、前回きた時には建て替え中だったが立派な小屋だ。

    (別当出合を出発)    (砂防新道を右に見て観光新道へ) (樹林帯の急坂を登る)

(樹林を抜け好展望の急坂を登る)(稜線で越前禅定道に合流)     (急な稜線が続く)

 
(越前禅定道の稜線を振り返る) (展望のよい岩場を越える)    (なだらかな稜線を行く)

(中間点(3K・3K)の大岩を通過)(見晴しのよい稜線を登る)    (火口2K標識を通過)


  (花の多い斜面を登る)    (チシマザサと殿ヶ池避難小屋) (観光新道随一の花園を行く)
 
 小屋南面のベンチから、左に油坂の頭から別山を経てチブリ尾根に連なる山並み、右に白山釈迦岳に続く釈迦新道の尾根筋、中央にいま登ってきた越前禅定道の稜線、彼方に大長山(おおちょうざん)などの加越の山々、はるか彼方には荒島岳などの越美の峰々、の絶景が眼前に広がっている。小屋下の池の畔を巻いて草花の多い笹原斜面をなだらかに登ると急な尾根の馬のたて髪だ。蛇塚を過ぎてなだらかになった道を進むと砂防新道と合流する黒ボコ岩だ。急に賑やかになり岩頭が人々で溢れているのを尻目に少し進み、弥陀ヶ原木道ベンチで小休止だ。今までと景色は一変し、広々とした草原に木道が伸び、小さくなった水屋尻雪渓を斜面に張り付かせた御前峰が正面に望めた。エコーラインとの合流点から最後の坂道の五葉坂を残った力を振り絞って登り、別当出合から5時間以上かかってやっと室堂平到着だ。標準時間より大幅に遅れたが登れただけでも感謝だ。宿泊受付は午後1時からなので大休止後お池巡りに出発だ。大休止しても簡単には疲労は元に戻らず、疲れた身体に鞭打って御前峰へ向う。見た目はなだらかだがなかなか手ごわい坂道を、段々視点が高くなる室堂平や弥陀ヶ原の草原を振り返りながら約1時間もかかって登りつめると御前峰だ。

           (殿ヶ池避難小屋から西方の越前禅定道の稜線を望む)

   (小屋下の池の畔を行く)   (草原をなだらかに上る)   (馬のたて髪の急な尾根を登る)

    (稜線を振り返る)         (蛇塚付近を行く)    (砂防新道と合流する黒ボコ岩)

 
  (弥陀ヶ原の木道を行く)  (五葉坂から弥陀ヶ原を振り返る)   (室堂センター到着)

   (白山奥宮と御前峰)    (高天原から室堂平を振り返る)     (御前峰山頂)


 山頂から、足下に大汝峰と剣ヶ峰の間に点在する火口湖の荒々しい景色が望めたが、遠くの展望では東70〜80キロ先の御嶽山や北アは雲の中だ。奥宮の祠に安全感謝の手を合わせ、大汝峰を正面に見て岩稜を下り始める。油ヶ池を横目に岩角の急な道をゆっくり着実に下ると紺屋ヶ池を経て翠ヶ池(みどりがいけ)の畔の上縁だ。残雪を従えたエメラルドグリーンの湖面の彼方に三方崩山(さんぽうくずれやま)など両白山地の山々が広がっている絶景が楽しめる。翠ヶ池から途中で近道しようとしてハイマツ林に迷い込んだが血の池を経て中宮道出合だ。きょうは快晴だがあす晴れる保証はないので、疲れた足を引きずって展望のよい大汝峰へ立ち寄ることにしてオオヤマリンドウの群生する道を大汝峰登山口へ向う。中宮道の登山口から標高差100メートルの急な岩稜を登ると石積みで囲まれた祠のある山頂だ。

                     (御前峰から東を望む)

                     (御前峰から西を望む)


(大汝峰を正面に見て下り始める)   (油ヶ池を横目に下る)     (いつも綺麗な翠ヶ池)

  (群生するミヤマリンドウ)        (大汝峰登り口)      (大汝峰山頂の石積みの祠)

 
 御前峰と火口の眺めは大汝峰からが最高だ。両白山地を背景にした荒々しい白山の岩峰と緑の瞳とのコントラストが大好きな風景だ。登山口へ戻り、千蛇ヶ池のほぼ全体を覆っている万年雪を眺め、室堂近道を左に見て、風にそよぐチングルマの穂波を眺めながらお池巡りの道をなだらかに下る。花の多い斜面を下り、ハイマツ林のトラバース道を進む。遅くまで雪渓の残る沢筋にはクロユリが残っていたが、いずれも萎れかけており数週間遅すぎたようだ。小沢を渡ると室堂センターだ。宿泊手続きをして、週日でがら空きの部屋でゆっくりでき疲れを取ることができた。余談だが、同室の山形市近傍の小さな町から来られた山好きの年配の人と歓談。あすの日の出頃に神主さんとともに山頂へ登り、近在の白山末社のため総本山奥社のお札をもらって帰るのが登山の目的だそうだ。遠方からこんな目的の登山もあることを再認識した。
 久しぶりの白山で快晴に恵まれ素晴らしい山岳美と花の山を楽しむことができた。夏の花には少し遅すぎたきらいがあるが、観光新道の殿ヶ池避難小屋周辺やお池巡りコースで多くの草花に出会うことができた。また、晴天に恵まれ、観光新道からの疲れを忘れさせてくれるような大展望や大汝峰から白山火口群の景観が素晴らしかった。

           (大汝峰から東南を望む、三方崩山、北ア方面)

 (山岳美の白山火口を望む)    (大汝峰を下り始める)     (大汝峰登り口へ戻る)

   (越年残雪の千蛇ヶ池)     (風にそよぐチングルマ)      (花の斜面を下る)

 
   (ハイマツ帯をトラバース)    (萎れかけのクロユリ)     (室堂センターへ帰着)

★道で出会った花(一括して白山釈迦岳に掲載)

★ルート断面図


★地  図
 
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       白山・荒島岳
・2万5千分の1地形図  加賀市ノ瀬、白山

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