雨乞岳(1237.7m)イブネ(1160m)

 

★ひとこと   「武平峠から雨乞岳経由イブネ/クラシを経てコクイ谷へ」

イブネ台地を彩る苔の絨毯


★行った日   2017年9月25日(月) 晴   単独

★コース
高槻4:56(名神、新名神)=甲賀土山IC(R1、県道9、R477)=6:44武平峠西駐車場6:55→誤道分岐7:49→尾根端引き返し8:01→誤道分岐8:17→8:38三人山手前ピーク8:51→(1014m)三人山9:05→東雨乞岳9:55→10:09(1237.7m)雨乞岳10:16→杉峠10:42→佐目峠11:07→イブネ11:30→11:37北峰(昼食)12:06→クラシ12:15→クラジャン手前引き返し12:25→12:39北峰12:46→神崎川出合13:42→13:53コクイ谷出合13:58→14:55コクイ谷分岐14:58→15:53武平峠西駐車場16:01(R477、県道9、R1)=甲賀土山IC(新名神、名神)=高槻18:02

 鈴鹿山脈第2の高峰雨乞岳だ。2年前とほぼ同じルート、今回は茨谷を起点に郡界尾根で雨乞岳を経てイブネ/クラシ経由コクイ谷へ周回の計画だ。新名神利用で高槻から2時間かからずに武平峠到着だ。トンネル西口から300メートルほど西へ下った所の駐車場に止め、茨谷から出発だ。
 駐車場から車道を少し下り、Uターンカーブの所の雨量ロボット観測所?横が登山口だ。茨谷を渡って右岸の杉林の急坂をリボンを目印にしてジグザグにしばらく登ると小尾根に乗る。急な尾根筋を頑張り、Ca950のピークを越えて鎌ヶ岳の山並みを眺めながら東へ好展望の稜線を進むとP967南の誤道分岐のピークだ。このピークから北へ方向を変えて尾根筋を進むのが正しいが、「通行止 左へ」の手書きに惑わされて西南へ尾根を進む。しばらく尾根を下っても迂回路が現れないのでCa900付近の展望のよい稜線からUターン、元へ戻る。「左は通行止」の意味の誤解だ。紛らわしい手書きを信用してはならない。分岐からシャクナゲ尾根を下って登り返すと三人山手前ピークのCa960だ。樹間から鎌ヶ岳を眺めながら小休止後、稜線を下って上り返すと愛想のない林間の三人山だ。この先からしんどい標高差200メートルの広葉樹林帯の登りが続き、笹原林床になると樹林帯を飛び出して小灌木帯のクマザサの笹原だ。振り返ると御在所岳や鎌ヶ岳から仙ヶ岳に続く鈴鹿山脈南部の山並みが逆光のもと黒々と続いている。

 (雨量観測所隣が茨谷登山口)(沢を渡って右岸急坂に取り付く)  (急な尾根筋を登る)

   (Ca920稜線を東進)   (Ca920稜線から鎌ヶ岳を望む) (誤道分岐の紛らわしい手書き)

  (Ca900付近で引き返す)  (P967からシャクナゲ尾根を下る)(三人山手前Ca960で小休止)

  (林間のP1014三人山)   (広葉樹の苦しい上り坂が続く)  (Ca1200で展望の笹原へ)

              (Ca1200笹原から鈴鹿山脈南部を望む)

 雨乞岳名物の朝露に濡れた丈余のクマザサの道に、スパッツを着けていても靴は無論下着まで濡れながら、やっと東雨乞岳だ。ここできょう始めて人に会い、女性単独行と挨拶を交わす。すぐに山頂から稜線を西に向かい、見た目は緑の絨毯のように美しい曲線美の笹原の一本筋を経て雨乞岳で小休止だ。山頂から清水頭を経て大峠へ向う郡界尾根道は笹薮で覆われ、残雪期は展望雪原だが無雪期は相当な笹薮コギの覚悟を要するルートだ。ここからイブネが初めてという先程の健脚の女性単独行と同道することとなり北尾根を下り始める。途中の岩頭は銚子ヶ口など鈴鹿山脈滋賀県側の山々越しに主脈北部の峰々が望める展望台だ。急坂を下ると千種街道出合の枯木が残る杉峠だ。14年前に茂っていた杉は6年前に杉木立と枯木2本となり2年前には枯木2本だけ、昨年冬は現在と同じく中央に一本枯木が孤立しているだけだ。風の通り抜ける厳しい環境が偲ばれる。峠から稜線を北上、杉峠の頭を過ぎてタイジョウを左に分け、なだらかに下ると割れ目の大石が特徴の佐目峠だ。しばらくなだらかに稜線を登ると台地に上がり、すぐ先が木の名札だけが目印のイブネだ。少し先の小高い丘が北峰、あたり一面が緑のコケの絨毯だ。北峰で昼食後、なだらかなコケの草原を北上、樹林に入ると曲がりくねったシャクナゲ?に囲まれた小突起がクラシだ。樹林入口まで戻り、ワサビ峠に向って爽やかな広葉樹のクラシ北尾根を進む。クラジャン付近の稜線が眼下に望めるピークCa1100まできて行こか戻ろか沈思黙考。ワサビ峠からオゾ谷を経てコクイ谷へ戻るつもりだったが、この先オゾ谷神崎川出合まで未踏区間なので不確定要素があり、クラジャンは逃げも隠れもしないので別の機会に譲って、時間の読める北峰から東南尾根を下ることにしてUターンだ。

 (東雨乞岳から雨乞岳へ向う)    (東雨乞岳を振り返る)     (雨乞岳山頂広場)

            (雨乞岳北尾根岩頭から鈴鹿山脈北部を望む)

 (イブネを正面に北尾根を下る)      (明るい杉峠)       (2003.9.15の杉峠)

   (2011.9.7の杉峠)     (2015.3.13の杉峠)       (現在の杉峠)

      (杉峠の頭)         (おなじみの佐目峠の岩)        (イブネ)

   (コケの美しいイブネ台地)       (林間のクラシ)       (クラジャン手前でUターン)

 北峰から美しい広葉樹のなだらかな東南尾根を下る。途中にシャクナゲやアセビの林立する尾根もあるが注意深く目印テープを追って下る。崖沿いのトリッキーなロープ場もあるが変化のある美しい尾根筋を根気よく下ると右下に平地が現れる。生活臭があり、鉱山住居跡のようだ。下方は崖で降りられないので再び尾根へ戻って下ると神崎川出合だ。飛び石伝いに右岸に渡って川沿いに10分ばかり下るとコクイ谷出合だ。初めは炭焼窯の点在する美しい谷筋歩きだがすぐに険しくなり、渡渉を繰り返しつつ岩壁の岩角を越えたり、変化のある遡行だ。黒谷を横切って右へ入り、崩落した落石の多い本流を進み、二岐のクラ谷を右に見て左の沢谷に向って急坂に取り付く。足下の高度感たっぷりの小滝を迂回して渡って沢筋に入り、沢谷の急坂を遡行すると沢筋が広くなり、やがて雨乞岳へ向う道のコクイ谷分岐のレストポイントだ。変化のあるルートはここまで、なだらかな山道を道なりにたどると武平峠登山口だ。ここで同行女性と健闘を称えあって別れ、駐車場へ帰り着いた。
 茨谷からはじまる郡界尾根ルートは自然林をたどる静かな美しい尾根道だ。クマザサで覆われた雨乞岳は鈴鹿山脈を見渡せる展望豊かな女性的な曲線美の山だ。コケの絨毯が広がるイブネの台地も素晴らしい。また、コクイ谷の遡行は最初は美しい沢歩きだが、トリッキーなよじ登りも経験できる面白ルートだ。

 (北峰から東南尾根を下る)  (美しい広葉樹の尾根を下る)    (トリッキーな道を下る)

   (鉱山住居跡の石積?)       (神崎川出合)          (コクイ谷出合)

  (美しい谷筋をさかのぼる)     (点在する炭焼窯跡)      (岩角を下るロープ場)

  (黒谷を左に見て右の谷筋へ) (足下の小滝を迂回して沢谷へ)   (沢谷をさかのぼる)

 (雨乞岳登山道のコクイ谷分岐)  (樹林帯のトラバース道)     (武平峠登山口へ帰着)

★道で出会った花 

    モリアザミ(茨谷)        ママコナ(誤道分岐)      シラヤマギク(東雨乞岳)

  アキノキリンソウ(雨乞岳)     コスギゴケ(イブネ)       トリカブト(神崎川出合)


★ルート断面図

★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       御在所・霊仙・伊吹
・2万5千分の1地形図  御在所山

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