タイジョウ(1061m)雨乞岳(1237.7m)


★ひとこと   「鳴野橋からタイジョウ経由雨乞岳を経て奥の畑へ周回」

南雨乞岳付近から綿向山を望む

★行った日   2020年9月28日(月)  晴時々曇  単独
 
★コース

高槻5:04(名神)=八日市IC(R421、県道189、林道)=6:35鳴野橋P6:43→かくれ岩7:06→桜地蔵7:27→7:33三角屋根小屋7:42→8:44Ca835 8:49→9:56(1061m)タイジョウ10:09→イブネ分岐11:07→11:14杉峠の頭11:18→杉峠11:30→(1237.7m)雨乞岳12:16→12:42南雨乞岳(昼食)13:08→奥の畑峠13:27→奥の畑(草原)14:02→14:32フジキリ谷出合14:38→三角屋根小屋14:57→桜地蔵15:01→かくれ岩15:20→15:38鳴野橋P15:46(林道、県道189、R421)=八日市IC(名神)=高槻17:36

 今年の酷暑も終わりをつげ、やっとしのぎ易い初秋の訪れとともに山歩き再開だ。鈴鹿山系の中ほどにあって、対峙する岩峰の御在所岳や鎌ヶ岳と対照的に女性的ななだらかな笹原に覆われた雨乞岳を久しぶりに訪れる。鳴野橋を起点にタイジョウ経由杉峠を経て、雨乞岳から奥の畑を経て千草街道へ周回の計画だ。八日市ICから眩しい朝日に目を細めながら東へ進み、甲津畑から山中の舗装路をしばらく辿り、鳴野橋手前の拡幅部に路駐だ。かつて少し手前の中電巡視路から沢を渡渉してカクレグラへ取り付いたが、今は巡視路表示はなく、鳴野橋を渡って15分ほど歩くと目につくハシゴがその登山口だ。きょうは体力の余裕がないのでカクレグラには寄らず直接タイジョウを目指すつもりだ。すぐそばの登山届ボックスもある岩ヶ谷林道始点の鎖ゲートから出発だ。
 15分ほど舗装林道を歩くと千草街道の説明板がある平地から地道林道だ。丁度、右岸林道のカクレグラ登り口ハシゴの対岸だ。軽四なら十分通れるだらだら坂の林道をしばらく歩くと信長を狙撃したといういわれのある善住坊かくれ岩だ。樹林帯の歩き易い道とはいえ、上り坂はしんどく、汗をふきふき息を切らして進むと懐かしい桜地蔵だ。久方ぶりの山歩きの安全を祈って手を合わせ、しばらく進むと鉄板橋だ。その先のタイジョウ登り口の横の三角屋根小屋で岩ヶ谷林道終点だ。小屋前のベンチで小休止後、直進の千草街道を見送りタイジョウ登り口から植林帯に入る。この道は初めてなので興味津々だ。千草街道→タイジョウの200mポストをはじめ目にしたが3/8以降は行方不明だ。緩斜面の植林帯を過ぎ、涸れ沢を渡って段丘状の左岸をしばらく進み、標高700から小尾根の劇登りだ。マークは時折たまに目にするが当てにはできず、登りやすい所を手掛かりを求めて頑張るとCa835だ。ここから勾配は少し緩くなり雰囲気の良い樹林尾根をアップダウンを繰り返しながら進むと、タイジョウの南尾根末端のCa1000だ。ここはかつて残雪期に蓮如上人旧跡から登ってきた合流点で見覚えのある地点だ。比較的明るい樹林帯尾根を進み、鞍部の水溜りのような池の畔を枯れかけたトリカブトをかき分けて進み、最後の急坂を登るとタイジョウ山頂だ。4回来ているが記憶にまったくなく、林間の少し陰気な山頂だ。

     (岩ヶ谷林道入口)        (千草街道の説明)      (沢を左下に見て林道を進む)

  (善住坊かくれ岩入口)   (軽四は楽に通れる林道を東へ)       (桜地蔵)

   (林道終点の鉄板橋)      (三角屋根小屋ベンチ)       (タイジョウ登り口)

  (植林帯をなだらかに登る)   (沢を渡って左岸を進む)    (標高700から急な小尾根へ)

 (Ca835から緩勾配の小尾根)  (雰囲気の良い尾根を辿る)   (Ca1000からなだらか尾根)

    (池の畔を登る)        (樹林帯をなだらかに登る)     (林間のタイジョウ山頂)

 山頂からなだらかな東尾根を下り、鞍部からヤセ尾根もある、一部シャクナゲが行く手を阻む尾根道をアップダウンしながら登り続ける。6年前の残雪期に、シャクナゲ藪の踏み抜きを避けてSS(スノーシュー)でよくこんな所を悪戦苦闘したものと我ながら呆れる。やがてP1084手前の崩壊尾根だ。かつてより佐目子谷側の崩壊が進み、切れ落ちた断崖に足をすくませながら尾根縁を登りきると佐目子谷や銚子ヶ口岳が眼前に広がっている。ここでカクレグラから来たという単独行に先に行ってもらう。P1084を過ぎるとなだらかな樹林帯となり、かつて蓮如上人旧跡から向山鉱山の住居跡?を通ってアゲンギョへ登ってきたルートと合流、イブネ分岐、杉峠の頭と樹林帯の道をぶらぶらとなだらかに下る。樹林帯を抜けて裸地となり、左に御在所岳、正面にこれから登る雨乞岳を見ながら下ると杉峠だ。十数年前には青々と茂っていた杉の大木がトーテンポールのように立っているのがうら寂しい風景だ。杉峠から雨乞岳へ急斜面を登るが、かつての直登路をぬうようにジグザグに登山道が新設されているので登り易い。しかし疲れた体にとってはしんどい上り坂に変わりなく休み休みゆっくり登る。なだらかになった尾根の岩頭は鈴鹿北部の展望台だ。北にイブネの台地の向こうに御池岳や伊吹山、西には琵琶湖越しに比良山系、東には伊勢湾のはるか彼方に御嶽山が望めた。ここからしばらく笹をかき分けるようにして登ると雨乞岳三角点の小広場だ。

  (タイジョウ東尾根を下る)  (シャクナゲのプチ藪を進む)   (ヤセ尾根をアップダウン)

    (崩壊尾根を登る)    (崩壊尾根から佐目子谷を望む) (平地の樹林帯のイブネ分岐)

 (雨乞岳を正面に尾根を下る)  (尾根から御在所岳を望む)        (杉峠へ下る)

    (杉峠の枯死した杉)  (雨乞岳へ急坂をジグザグに登る)  (展望岩塔から振り返る)

                 (展望岩塔から伊吹山方面を望む)

 すぐに清水頭の稜線に下るべく、山頂の南端に大峠の表示があるのに、何を勘違いしたのか西の笹藪を下り始める。けもの道らしき踏み跡を辿るがすぐに消えてしまいやみくもに西へ下る。ここでやっと清水頭と異なる別の尾根を下っていることに気付く。このままP1048の尾根を下っても地形図からは奥の畑に下ることができるが、初めてのルートは一度上りを経験してから下ることにしているので、正規の尾根に向かって笹原トラバースだ。半身が埋まる所もある笹藪を必死に泳いで、正規の尾根道に合流だ。正規の道といえども笹藪コギ状態の尾根を下って少し登り返すと南雨乞岳の小広場だ。ここは十数年前に芸術家のKさんとともに鈴鹿スカイラインの稲ヶ谷から南雨乞岳を経て綿向山へ縦走した思い出の地だ。山頂からは鈴鹿南部の絶好の展望が開け、すぐ北側の雨乞岳をはじめ、御在所岳から南へ伸びる鈴鹿山脈が雄大だ。ここまで足を伸ばす人もなく静かな山頂で、景観をおかずにゆっくり昼食を楽しんでから下山再開だ。清水頭へ続くたおやかな緑の稜線をルンルン気分でしばらく下ると、清水頭手前の大峠→雨乞岳11/16の200mポストのある奥の畑峠と思しき鞍部だ。尾根から標高差200の急な斜面を歩き易い所を選んで適当に下ると奥の畑谷出合だ。炭焼き窯跡の点在する樹林帯をなだらかに下り、何度か渡渉しつつ沢沿いに下る。樹林の途切れた草原(かつての開墾地?)を過ぎて、突然現れた右岸沿いの山裾の道を進むと、蓮如上人旧跡のすぐ下流側で千草街道に合流だ。フルーツゼリー休憩中に、イブネに寄り道して杉峠から街道を下ってきたという崩壊尾根で会った単独行と再び出会い、お互いの健闘を称え合う。あとは1時間の街道歩きで鳴野橋帰着だ。靴を履き替え中にアクシデントに気づく、毛糸靴下の足首の所が血でぼとぼとで触ると猛烈に痒いのだ。雨乞岳の笹藪コギでササダニにやられたらしい。帰宅後シャワーを浴びると先の2ヵ所に加えて1ヵ所新たに食われて血が止まらない。何とか処置をしたが、今後2、3週間の痒みを辛抱する破目になる。現物は確認していないが、さらに一匹逃亡したらしく家内が夜中にダニに咬まれて大目玉を食ってしまった。
 歩き通すことができるか不安を抱えたコースだったが、何とか周回することができた。これも焦らず十分時間の余裕を見て休み休みゆっくり歩いたからだ。タイジョウ付近の散る前の最後の緑の輝き、たおやかな雨乞岳の緑の山容、清水頭へ続く女性的な曲線美、などが印象的だ。道標も目印も少ない踏み跡の薄い所が多いのでGPSなど現場確認手段が必携だ。ただ、笹原で有名な雨乞岳のササダニ対策に注意する必要がある。

(笹で覆われた道を雨乞岳へ向う)   (雨乞岳三角点)     (間違って笹原藪を西へ向かう)

  (笹藪の登山道に合流)      (西に見える綿向山)     (南雨乞岳から雨乞岳を望む)

                  (南雨乞岳から鎌ヶ岳方面を望む)

 (清水頭へ展望稜線を下る)   (奥の畑峠から右へ下る)       (斜面に咲くリンドウ)

(奥の畑谷出合を谷沿いに下る)    (奥の畑の草原)   (奥の畑谷の右岸を山沿いに下る)

   (千草街道と合流)    (雰囲気の良い道を沢沿いに下る)  (岩ヶ谷林道入り口帰着)

★道で出会った花

  シラヤマギク?(杉峠)       リンドウ(雨乞岳)        キランソウ(清水頭)

    トリカブト(奥の畑)        マツカゼソウ(林道)       ゲンノショウコ(林道)

★ルート断面図


★地  図

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       御在所・霊仙・伊吹
・2万5千分の1地形図  日野東部、御在所山

Homeへ