三周ヶ岳(1292.0m)


★ひとこと   「池ノ又谷登山口から夜叉ヶ池を経て薮コギで三周ヶ岳」

夜叉壁
   
★行った日   2018年8月18日(土)  晴   単独
 
★コース

高槻4:30(名神、北陸道)=木之本IC(R303、池ノ又林道)=7:09登山口駐車場7:24→水場7:51→幽玄の滝8:25→昇竜の滝8:37→9:02夜叉ヶ池(稜線出合)9:14→10:05夜叉壁の頭10:13→11:21(1292.0m)三周ヶ岳(昼食)11:44→12:41夜叉壁の頭12:48→夜叉ヶ池13:26→13:49夜叉丸14:00→夜叉ヶ池14:16→14:38幽玄の滝14:43→15:38登山口駐車場15:50(池ノ又林道、R303)=木之本IC(北陸道、名神)=高槻18:50

 8月に入って連日の酷暑、山へ行く気にもならずうじうじ過ごしていたが、やっと例年並みに戻ったので久しぶりに山歩き再開、越美国境の三周ヶ岳だ。上谷山左千方など近くの山へは残雪期に訪れているが夜叉ヶ池から三周ヶ岳へは十数年ぶりだ。R303の八草トンネルを過ぎて坂内で左折、土蔵岳トガスの残雪期登山基地の夜叉龍神社前を通り、発電所下の積雪期通行止地点を越えて池ノ又林道を進む。トイレや管理棟もある坂内バイクランドの広場を過ぎてしばらく進むと、比較的早くからここまで除雪されている神岳(かみがだけ)ダムだ。橋を渡って草ぼうぼうの椀戸谷林道を右に分け、1車線の舗装路を落石に注意しながら進み、土蔵岳の表示のある神又(かんまた)谷林道を左に分け、さらに丈余の雑草の茂る大樽尾谷林道を左に分け、池ノ又谷沿いにどんどん進むと道端に夜叉龍神社の石の鳥居が現れ、その先にトイレもある50〜60台とめられる駐車場で行止りだ。坂内から13km、完全舗装だがガードレールのない1車線のくねくね道のドライブで約30分の道のりだ。越美国境の稜線は笹薮コギが予想されるのでスパッツの上から笹ダニ忌避剤のディートを丹念に吹付けて出発だ。
 正面に夜叉壁の頭を眺めながら登山道に入り、沢筋へ下って流れを2回渡り、左岸の尾根端をジグザグに登る。山肌にブナが現れだすと標高850位から等高線沿いのなだらかな道だ。すぐ先に水場があるが、この道は夜叉壁の下まで度々枝沢を横切るので給水は安心だ。しばらく進むと木々の途切れた所から夜叉壁が豪快な姿を現し、枝沢を横切って見事なブナ林を通り抜けると幽玄の滝だ。水の涸れかけた3段の滝、伝説の夜叉姫が身を清めるのに丁度よい落ち口の水量だ。ここら辺りから勾配が急になると共に夜叉壁が谷間を圧するように狭まってくると池ノ又谷源流部だ。流れを渡り、右手上方に涸れてしまった3段の昇竜の滝を眺めながら谷間をつめ、ロープ場の連続する急な岩場を登る。見た目は険しそうだが、要所にステップが刻まれ、濡れていなければ容易に登れる岩場だ。最後の急坂を越えると県境の稜線鞍部だ。福井県側のすぐ下に木道に囲まれた夜叉ヶ池が佇んでいるが、深山幽谷の面影はなく人工的な雰囲気なので池畔に降りずに稜線の登坂に移る。

 (夜叉壁の頭を見ながら出発)      (沢を2回渡る)     (尾根端をジグザグに登る)

 (ブナ林を等高線沿いに進む)     (最初の水場)     (枝尾根を巻くと初見参の夜叉壁)


   (枝沢を何度か横切る)       (立派なブナ林を行く)   (涸れかけの三段の幽玄の滝)

  (夜叉壁横の急な岩場を登る)  (涸れてしまった昇竜の滝)     (ロープ場を登り続ける)

   (稜線の鞍部めざして登る)     (最後の岩場を登る)      (夜叉ヶ池畔の稜線鞍部)


 鞍部から急な県境稜線を三周ヶ岳めざして登る。最初のピークCa1150から笹薮稜線をなだらかに下る。笹丈が胸くらいなので楽に歩ける。やがて灌木と笹薮混在の鞍部を過ぎて中腹の大岩めがけて急坂を登り、その右側をまいて岩頭に立って振り返ると、登ってきた稜線の先に三国岳、その右にたおやかな上谷山が連なり、その間に雲谷山や野坂岳が霞んで見えている。灌木帯の稜線を登りきると夜叉壁の頭の小広場だ。ピークから北方にP1252の左肩越しに丸い三周ヶ岳が直線距離1キロ先に見えているが、濃密な笹薮尾根が続いている。右下の意外に近い駐車場を眺めながら笹をかき分けて進む。すぐに背丈(180cm)を超える灌木まじりの薮コギとなり、目線を低くして笹根元の踏み跡を探しながら薮をかき分けるが、時々頭上の枝で頭を叩かれながら難行苦行だ。特に稜線の所々にある鞍部では薮が深く、汗びっしょりになって頑張って登ると突然小広場に飛び出し、ほっとする。山名表示もなく一等三角点だけが鎮座する三周ヶ岳ピークだ。周囲の灌木のため展望はあまり良くないが、白山は雲の中だったが、笹ヶ峰から能郷白山へ続く越美国境の山々、蕎麦粒山などの奥美濃の山並み、伊吹山などの湖北の山塊などが灌木越しに望めた。

 (三周ヶ岳へ急な尾根を登る)   (笹をかき分けて進む)    (夜叉壁の頭めざして進む)

    (大岩を右へ巻く)    (大岩から三国岳方向を振り返る)  (何もない夜叉壁の頭)

(南下方に登山口駐車場を望む)(いっそう濃密な笹薮を下る) (鞍部付近で背丈以上の笹薮)

(灌木のまじるの薮に悪戦苦闘)(三周ピークめざして笹薮コギ)(空間に飛び出すと三角点広場)

            (三周ヶ岳山頂の灌木越しにほぼ360度の山並み)
 

 山頂で早い昼食後、往路を下り始めるが、薮尾根といえども一度通った下り主体の薮コギは楽、順調に夜叉ヶ池だ。疲れ切っていたが折角なので夜叉丸へ、足下に見える夜叉ヶ池を振り返りつつしんどい急坂を登る。途中のライブカメラ施設を見ながらしばらく登ると笹原の小空間の夜叉丸だ。ここから眺める北方の三周ヶ岳の山並みは絶景だ。下山時、登山者に出会うこともなく慎重に下り、夜叉壁の頭から眺めたときには10台以上あったが3台だけ残る登山口に帰りついた。
 林道開通直後の新緑や秋の紅葉の季節には登山者は多いが、端境期の今時分は静かな山歩きが楽しめる。夜叉ヶ池は少し期待外れだったが夜叉壁や県境稜線からの展望は素晴らしかった。以前登ったときの三国岳の笹薮コギの印象が強烈だったため、三周ヶ岳の薮コギはあまり印象になかったが、今回の暑さに加えて久しぶりの越美国境の稜線らしい薮コギがしんどい山歩きだった。

  (山頂から笹薮稜線を戻る)     (稜線鞍部へ下る)    (遊歩道に囲まれた夜叉ヶ池)

 (夜叉丸へ急な尾根を登る)     (夜叉ヶ池を振り返る)      (ライブカメラ施設)


                 (夜叉丸から三周ヶ岳方面を望む)

  (夜叉丸の小広場ピーク)       (稜線鞍部へ下る)      (慎重に急な岩場を下る)

(夜叉姫が身を清めた幽玄の滝)      (ブナ林を戻る)    (3台残っている登山口駐車場)

★道で出会った花

     シシウド(谷筋)        ヤマホトトギス(谷筋)        ?(3合目)

   ヨツバヒヨドリ(幽玄の滝)   ヤマアジサイ(幽玄の滝)       ソバナ(岩場)

    タカネオトギリ(岩場)      カワラボウフウ(岩場)      ノリウツギ(岩場)

   ツリフネソウ(岩場)        ホツツジ(稜線)          虫コブ?(稜線)

     オオヨモギ(夜叉池)      ツルリンドウ(夜叉丸)      カライトソウ(夜叉池)

      ?(夜叉池)        ミツバツチグリ?(夜叉池)       ?(岩場)

 オオミズアオ?(幽玄の滝)      ヤマボクチ(谷筋)         ミズヒキ(谷筋)

★ルート断面図


★地  図
 
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・2万5千分の1地形図  広野

Homeへ